突発性難聴とメニエール病の違いは?症状・見分け方・併発や移行について解説

突発性難聴とメニエール病の違いは?症状・見分け方・併発や移行について解説

突然耳が聞こえにくくなり、耳鳴りやめまいもあると、「突発性難聴とメニエール病のどちらだろう」と不安になるかもしれません。

突発性難聴と診断された後に、めまいや耳の症状が続き、「後からメニエール病になるのでは」と心配する方もいるでしょう。

両者は症状が重なるため、めまいの有無など、今ある症状だけで見分けることは困難です。

発症時の様子に加え、聴力が変動するか、めまい発作を繰り返すかといった経過が判断に関わります。

この記事では、それぞれの違い、病院で確認すること、診断が後から変わる場合や両方の病名を聞いた場合の考え方を解説します。

1.突発性難聴とメニエール病は症状が似ている

1.突発性難聴とメニエール病は症状が似ている

突発性難聴とメニエール病では、難聴、耳鳴り、耳が詰まった感じ、めまいなど、似た症状が現れます。

そのため、「めまいがあればメニエール病」「めまいがなければ突発性難聴」とは判断できません。

突発性難聴でも、難聴の発生と前後してめまいや吐き気を伴うことがあります。

違いを考えるうえで大切なのは、症状の経過です。

突然聞こえが低下した後、聴力やめまいがどのように変わったかを確認します。

初めて症状が出た時点では、その後に発作を繰り返すかどうかは分かりません。

急な聞こえの変化がある場合は、自分で病名を決めず、早めに耳鼻咽喉科で診察と聴力検査を受けてください。

2.突発性難聴とメニエール病の違い

2.突発性難聴とメニエール病の違い

両者を比較すると、次のようになります。表は診断の目安を整理したもので、個々の症状だけで病名を確定するものではありません。

比較する点

突発性難聴

メニエール病

発症

突然、聞こえが低下する

初回発作では突然症状が出ることもある

難聴

急な聴力低下が中心

めまい発作に伴う聴覚症状や、その変動を確認する

聴力の変動

改善と悪化を繰り返す経過は典型的ではない

聴覚症状の変動が判断材料になる

めまい

伴うことも、伴わないこともある

めまい発作を繰り返す経過が重要

発作の反復

めまい発作の反復は典型的ではない

反復する発作が診断の重要な要素になる

耳鳴り・耳閉感

起こり得る

起こり得る。発作との関係や変動も確認する

診断

発症の様子、聴力検査、ほかの原因の確認などから判断

症状と検査に加え、発作の反復や聴覚症状の変動を踏まえて判断

2-1.発症と聴力変化の違い

突発性難聴では、あるとき急に聞こえが悪くなります。

「朝起きたら片耳が聞こえにくかった」など、変化に気づいた時期を説明できる場合があります。

一方、メニエール病では、聴覚症状がめまい発作に伴って現れたり、変動したりする経過が判断材料になります。

初回の症状だけでは区別できない場合があります。

最初に突然の難聴とめまいが現れた時点では、その後に聴力が変動するか、発作を繰り返すかがまだ分からないためです。

また、治療中に聴力が回復していくことと、聴力の低下・改善を繰り返すことは同じではありません。

2-2.めまいの違い

めまいがあっても、それだけでメニエール病とはいえません。

突発性難聴にもめまいや吐き気を伴う場合があります。

両者を考える際には、めまいの有無だけでなく、発作を繰り返すか、耳の症状とどのような関係で起きるかを確認します。

当院の臨床上は、メニエール病と診断された方で吐き気が強いという印象もあります。

これは当院で接した方についての印象であり、吐き気の強さで病名を見分けられるという意味ではありません。

めまいが続く場合については、次の記事も参考にしてください。

【関連記事:突発性難聴のめまいが治らない…いつまで続く?改善の可能性と対処法】

2-3.耳鳴り・耳閉感の違い

耳鳴りや耳閉感も、両方の病気で起こり得ます。

「耳が詰まる感じがするからメニエール病」といった判断はできません。

耳鳴りの音や耳閉感だけで考えるより、聞こえ方やめまいと一緒に変化しているか、その変化を繰り返しているかを伝えることが大切です。

当院でも、来院時の症状だけから両者に明確な違いを感じるわけではありません。

病名の判断には、耳鼻咽喉科での検査と経過の確認が必要です。

3.なぜ見分けにくいのか

3.なぜ見分けにくいのか

見分けにくい最大の理由は、症状が重なるうえ、初回には「その後、繰り返すか」という情報がないことです。

突然の難聴にめまいを伴って受診した場合、その時点の症状だけでは、めまいを伴う突発性難聴とメニエール病の初回発作を区別しにくいことがあります。

日本めまい平衡医学会の診断基準でも、この鑑別の難しさが示されています。

そのため、医師は初診時に得られる情報で診断と治療方針を判断し、その後の聴力やめまいの経過を見て評価を続けることがあります。

診断がすぐに確定しないからといって、聞こえの変化を放置してよいわけではありません。

急な難聴では、早めの受診と治療開始が重要です。

4.病院ではどのように見分けるのか

4.病院ではどのように見分けるのか

耳鼻咽喉科では、まず「いつ、どちらの耳に、どのような変化が起きたか」を確認します。

めまいがあれば、始まった時期、続いた時間、繰り返しているか、耳の症状と同時に起こるかも大切な情報です。

そのうえで耳の診察と聴力検査を行い、聞こえの低下の程度や音域を調べます。

めまいについては、目の動きである眼振などを調べる場合もあります。

必要に応じて、ほかの病気を確認するための追加検査が検討されます。

検査結果と症状の経過を合わせて判断するため、再診時の聴力検査が役立つこともあります。

突発性難聴の診断や聴力検査の基本は、次の記事でも説明しています。
【関連記事:突発性難聴の初期症状|耳の違和感・つまり・耳鳴りを放置しないために】

症状が続く場合は、次の点をメモしておくと、再診時に変化を伝えやすくなります。

  • 聞こえにくさに気づいた日時と、症状が出た耳
  • めまいが起きた回数、それぞれ続いた時間
  • 聞こえ方が良くなったり悪くなったりしているか
  • 耳鳴りや耳閉感が、めまいと一緒に変化するか
  • 以前にも似た発作があったか

「何となく波がある」という感覚も大切ですが、いつ、どの症状が、どのくらい変わったかまで伝えられると、医師が経過を確認しやすくなります。

過去の聴力検査結果が手元にあれば、再診時に持参してください。

5.突発性難聴からメニエール病に移行することはあるのか

5.突発性難聴からメニエール病に移行することはあるのか

最初に突発性難聴と診断され、その後の経過を踏まえてメニエール病と診断される場合はあります。

それを「突発性難聴という病気がメニエール病に変化した」と一律に説明することはできません。

初回には両者の区別が難しくても、その後、めまい発作の反復や聴覚症状の変動が明らかになり、診断を見直す材料が増えることがあります。

反対に、めまいや耳鳴りが残っているだけで、メニエール病へ移行したと判断することもできません。

気になる変化があれば、症状の記録を持って耳鼻咽喉科で再評価を受けてください。

初診時の医師が判断できるのは、その時点までの症状と検査結果です。

初回には発作の反復が確認できず、後になって新しい経過が分かることがあります。

その情報を踏まえて診断を再評価することと、「最初の診断が必ず間違いだった」と考えることは同じではありません。

診断名が変わった場合は、「どの症状や検査結果から判断が変わったのか」「今後、何が起きたら再診すべきか」を主治医に確認すると、治療方針を理解しやすくなります。

6.突発性難聴とメニエール病を併発することはあるのか

6.突発性難聴とメニエール病を併発することはあるのか

診察の中で、突発性難聴とメニエール病の両方の病名を聞く場合はあります。

病名が2つ挙がっただけで、同時に2つの病気が確定しているとは限りません。

初回には鑑別が難しい、以前の診断と現在の診断が異なるなど、説明された背景を確認する必要があります。

当院にも、医師から両方の病名を告げられたという方が来院されたことがあります。

一方で、その方の診断がどのような根拠で付けられたかを、当院が症状だけで判断することはできません。

両方だと説明された場合は、主治医に「それぞれ、いつの症状についての診断か」「現在の検査結果と経過をどう解釈しているか」「今後の治療はどの診断を踏まえて進めるか」を尋ねてみてください。

鍼灸院で病名を決め直すことはできません。

7.診断後の治療はどう違うのか

7.診断後の治療はどう違うのか

突発性難聴が疑われる場合は、発症後早い時期に耳鼻咽喉科で評価を受け、必要な治療を始めることが重要です。

ステロイドの内服や点滴などが検討されますが、具体的な方法は聴力や全身状態を踏まえて医師が判断します。

治療の選択肢やステロイド・点滴治療については、次の記事で詳しく説明しています。
【関連記事:突発性難聴の治療|ステロイド・高気圧酸素療法・鍼治療を解説】
【関連記事:突発性難聴のステロイド治療|効果や副作用を解説】
【関連記事:突発性難聴の点滴治療|効果や期間、通院について解説】

メニエール病では、めまい発作や聴覚症状への対応に加え、その後の発作や症状の変化を見ながら治療を続けることがあります。

治療方針は症状と経過によって異なります。

どちらの診断でも、症状が変わったからといって、処方薬を自己判断で中止・変更せず、主治医に相談してください。

8.症状が変わった・繰り返した場合は再評価する

8.症状が変わった・繰り返した場合は再評価する

一度落ち着いた後に再び聞こえにくくなった、めまい発作を繰り返す、耳の症状が以前と違う形で変動する。

このような場合は、「突発性難聴がメニエール病に移行した」と自己判断せず、耳鼻咽喉科で確認してください。

新たな聴力低下が起きているなら、受診を先延ばしにしないことが大切です。

当院では、突発性難聴で一度改善した聴力が再び低下したという経過は、これまで経験していません。

これは当院の来院経験についての説明であり、一般に再低下が起こらないという意味ではありません。

再発や似た症状を繰り返す場合の考え方は、次の記事でも説明しています。
【関連記事:突発性難聴は再発する?繰り返す場合に考えたいこと】

再診の際には、症状のメモと、以前の聴力検査結果があれば持参しましょう。

初回と今回の違いを伝えることが、診断の再評価に役立ちます。

9.突発性難聴・メニエール病に対する当院の考え方

9.突発性難聴・メニエール病に対する当院の考え方

突然の難聴や、繰り返すめまい・聴覚症状がある場合は、まず耳鼻咽喉科で診断と治療を受けることが基本です。

鍼治療は聴力検査や医師の診断の代わりにはなりません。

なかいし鍼灸院では、病名だけで施術内容を固定するのではなく、現在の耳の症状、これまでの経過、身体の状態を確認して対応を考えます。

首の緊張を確認し、必要に応じてその緩和を図ることも、当院の施術方針の1つです。

首の緊張が病気の原因であることや、鍼治療によって聴力が回復すること、めまいの再発を防げることを示すものではありません。

当院にはメニエール病と診断された方がたまに来院されますが、両疾患のどちらか分からないという相談は稀です。

病院での治療を受けたうえで症状が続き、鍼治療について相談したい方には、診断内容や検査結果も確認しながら、当院で対応できることをお伝えします。

10.まとめ

突発性難聴とメニエール病は、難聴、耳鳴り、耳閉感、めまいが重なるため、今ある症状だけでは見分けられません。

判断に関わるのは、突然の聴力低下に加え、その後に聴力が変動するか、めまい発作を繰り返すかという経過です。

初回には区別が難しく、後の経過によって診断が見直されることもあります。

急に聞こえが変わったときは早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

診断後に症状が変わったり繰り返したりした場合も、日時や変化を記録して再診時に伝えましょう。

自分で「移行した」「併発した」と決める必要はありません。

突発性難聴でお悩みの方へ

突発性難聴でお悩みの方へ

耳鼻咽喉科で診断と必要な治療を受けたうえで、聞こえ方や耳鳴りなどに悩みが残る場合、広島市中区のなかいし鍼灸院でもご相談を受けています。

発症から3ヶ月以内の方は、病院での治療状況や聴力検査の結果、現在の症状を確認したうえで、当院での対応についてお伝えします。

参考文献

1.日本めまい平衡医学会.めまいの診断基準化のための資料 診断基準2017年改定.めまい平衡医学.2017;76:233–241。

2.日本めまい平衡医学会.メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2025年版.

3.厚生労働省「難治性聴覚障害に関する調査研究班」.突発性難聴診断基準、2015年改訂。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会による解説.

4.厚生労働省.突発性難聴について(e-ヘルスネット).

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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