突発性難聴の後遺症|残る症状と改善の可能性

突発性難聴の後遺症|残る症状と改善の可能性

突発性難聴の治療を受けたものの、聞こえにくさや耳鳴り、耳の詰まりなどの症状が残っている。

病院では、

「これ以上、聴力が戻るのは難しいでしょう」

「後遺症として残る可能性があります」

と説明され、

「後遺症ということは、もう治らないのだろうか」

「この耳鳴りや聞こえにくさと、一生付き合わなければならないのだろうか」

と不安になっているのではないでしょうか。

突発性難聴では、治療後も難聴や耳鳴り、耳閉感、音の響き、めまい、ふらつきなどが残ることがあります。

ただし、聴力検査の数値と耳鳴りや耳閉感などの自覚症状は、必ずしも同じ経過をたどるわけではありません。

聴力の大きな変化がみられなくなっても、自覚症状がその後に軽くなる場合があります。

また、治療が終了していても、発症から間もない時期であれば回復途中の可能性があります。

この記事では、突発性難聴で残ることがある後遺症、聴力と自覚症状の違い、症状が続く期間、今後考えたい対応について解説します。

1.突発性難聴で残ることがある後遺症

1.突発性難聴で残ることがある後遺症

後遺症とは、病気やけがの治療後も残っている症状や機能障害のことです。

突発性難聴では、治療を受けても聴力が完全には元に戻らず、聞こえにくさが残ることがあります。

また、聴力がある程度回復していても、次のような症状が続く場合があります。

  • 難聴
  • 耳鳴り
  • 耳閉感
  • 音の響き
  • 大きな音に対する不快感
  • めまい
  • ふらつき

ただし、病院での治療が終了した直後に症状が残っているからといって、すぐに長期的な後遺症と判断できるわけではありません。

突発性難聴の聴力は発症後の早い時期に回復しやすいとされていますが、治療終了後もしばらく変化することがあります。

発症から数週間程度であれば、まだ回復途中の可能性もあります。

そのため、発症からの期間、聴力検査の推移、残っている症状を分けて考えることが大切です。

1-1.難聴

片耳の聴力が低下していても、反対側の耳が正常であれば、静かな場所での日常会話には大きな問題を感じないことがあります。

一方で、騒がしい場所では会話を聞き取りにくい、聞こえにくい側から話しかけられると分からない、音の方向を判断しにくいなど、日常生活で不便を感じることがあります。

1-2.耳鳴り

耳鳴りは「キーン」「ジー」「ザー」など、さまざまな音として感じられます。

聴力が改善しても、耳鳴りだけが残ることもあります。

耳鳴りの大きさやつらさと、聴力低下の程度は必ずしも一致しません。

聴力がかなり回復していても耳鳴りが気になる方もいれば、難聴が残っていても耳鳴りはほとんど気にならなくなる方もいます。

1-3.耳閉感

耳閉感は、耳が詰まっている、塞がれているように感じる症状です。

「耳に水が入っているような感じがする」「飛行機に乗ったときのように耳が抜けない」などと表現されることもあります。

突発性難聴の発症時からみられることがあり、聴力が改善した後も耳閉感だけが残る場合があります。

1-4.音の響き・大きな音への不快感

聞こえにくい一方で、一定以上の大きさになると急に音がうるさく感じることがあります。

食器がぶつかる音や子どもの声などが強く響き、以前は気にならなかった音を不快に感じる場合もあります。

そのため、聴力検査では改善していても、音の聞こえ方が発症前と違うと感じることがあります。

1-5. めまい・ふらつき

突発性難聴の発症時にめまいを伴った場合、聞こえが改善した後も、めまいやふらつきが残ることがあります。

強い回転性のめまいは治まっていても、歩くとふわふわする、頭を動かすと違和感がある、人混みでふらつくといった症状が続く場合があります。

めまいやふらつきが長引く、以前より悪化する、別の症状が現れる場合は、突発性難聴の後遺症と決めつけず、耳鼻咽喉科などで原因を確認することが大切です。

2.聴力と自覚症状は分けて考える

2.聴力と自覚症状は分けて考える

突発性難聴の経過を見るときは、聴力検査の結果と、本人が感じている症状を分けて考える必要があります。

例えば、聴力検査の数値にはほとんど変化がなくても、耳鳴りが以前より小さく感じられるようになったり、耳の詰まりを感じる時間が短くなったりすることがあります。

反対に、聴力がかなり改善していても、耳鳴りや音の響きが残り、本人としては治ったと感じられない場合もあります。

片耳だけの難聴では、反対側の耳が聞こえているため、周囲から症状が分かりにくいこともあります。

普通に会話できているように見えても、本人は聞こえやすい位置へ移動したり、何度も聞き返さないように会話へ集中したりしています。

静かな場所では会話できても、職場や飲食店などの騒がしい場所では急に聞き取りにくくなることもあります。

このような負担は、一般的な聴力検査の数値だけでは十分に分からない場合があります。

突発性難聴の後遺症を考えるときは、次の3点を分けて確認することが大切です。

  • 聴力検査の数値がどこまで回復しているか
  • 耳鳴りや耳閉感などの症状がどのように変化しているか
  • 仕事や日常生活にどの程度支障が出ているか

改善には、聴力検査の数値が回復することだけでなく、自覚症状が軽くなることや、日常生活で感じる負担が減ることも含まれます。

3.後遺症はいつまで続くのか

3.後遺症はいつまで続くのか

突発性難聴の症状がいつまで続くのかは、難聴の程度や治療開始までの期間、残っている症状などによって異なります。

何ヶ月経過すれば、すべての症状が後遺症として固定するという明確な期限があるわけではありません。

一般的に、聴力は発症後の早い時期ほど改善しやすく、時間が経過するにつれて大きな変化は起こりにくくなります。

一方で、耳鳴りや耳閉感、音の響き、めまい、ふらつきなどの自覚症状は、聴力の変化がみられなくなった後も軽くなることがあります。

3-1.発症から1ヶ月程度

発症から1ヶ月程度であれば、まだ聴力が変化している方もいます。

この時期に残っている症状を、すべて長期的な後遺症と考えるのは早い場合があります。

症状が残っている場合は、受けられる治療が残っていないか、早めに耳鼻咽喉科へ確認することが大切です。

3-2.発症から1~3ヶ月程度

発症から1~3ヶ月になると、一般的には聴力の大きな変化が起こりにくくなってきます。

ただし、当院では、この時期にも聴力や耳鳴り、耳閉感などに変化がみられた方がいます。

これは当院で確認している臨床上の経過であり、すべての方に同様の改善が起こるわけではありません。

当院では、これまでの経過と現在も症状に変化があるかを確認し、施術の対象となる状態かを判断しています。

3-3.発症から3~6ヶ月程度

発症から3~6ヶ月になると、聴力検査上の大きな改善はさらに期待しにくくなります。

一方で、難聴が残っていても、耳鳴りや耳閉感、めまい、ふらつきなどの自覚症状が変化する場合があります。

聴力の回復と自覚症状の軽減は、同じ意味ではありません。

聴力に変化がなくても、耳鳴りが以前ほど気にならなくなったり、ふらつきが徐々に軽くなったりすることがあります。

3-4.発症から6ヶ月以上

発症から6ヶ月以上経過し、聴力検査でも長期間変化がみられない場合は、残った難聴が長期化する可能性が高くなります。

ただし、6ヶ月がすべての症状を区切る明確な期限ではありません。

聴力の大きな回復が見込みにくくなっても、耳鳴りや耳閉感などの感じ方が変化したり、症状による生活上の負担が軽くなったりすることはあります。

4.症状固定といわれても変化する症状がある

4.症状固定といわれても変化する症状がある

病院で「症状固定」「これ以上の改善は難しい」と説明されることがあります。

症状固定という言葉は、医療や補償制度などで使われ方が異なりますが、突発性難聴では、主に聴力検査上の大きな回復が見込みにくくなった状態を示す説明として使われることがあります。

しかし、聴力検査上の変化が乏しくなったことと、耳鳴りや耳閉感、音の響き、めまいなどの自覚症状が今後全く変化しないことは同じではありません。

例えば、聴力は変わらなくても、次のような変化がみられることがあります。

  • 耳鳴りを小さく感じる時間が増える
  • 耳の詰まりが軽い時間が増える
  • 大きな音への不快感が和らぐ
  • ふらつきを感じる場面が減る

一方で、症状に日差があることだけで、今後の聴力回復を判断することはできません。

耳鳴りや耳閉感の感じ方は、睡眠不足、疲労、ストレス、周囲の音などによっても変化します。

症状の変動は経過を考えるための情報の1つですが、改善を保証するものではありません。

当院では、

「雨の日は耳鳴りを大きく感じる」

「台風が近づくと耳が詰まる」

「天気が悪い日はふらつきが強い」

と話す方がいます。

ただし、天候の変化だけが症状の原因であるとは限りません。

睡眠や疲労、ストレスなど、複数の要因が影響している可能性があります。

また、一度安定していた聞こえが再び低下した場合や、聞こえが良くなったり悪くなったりする場合は、単なる後遺症の変動と決めつけないようにしてください。

突発性難聴とは別に、メニエール病や急性低音障害型感音難聴などで聴力が変動している可能性もあります。

聞こえそのものに変化を感じた場合は、耳鼻咽喉科で聴力を確認することが大切です。

5.後遺症が残った場合の対応

5.後遺症が残った場合の対応

5-1.現在の聴力を確認する

「以前より聞こえるようになった」という感覚だけでは、実際に聴力がどこまで回復しているのか分からないことがあります。

耳鼻咽喉科で聴力検査を受け、発症時や治療途中の結果と比較することで、どの周波数がどこまで改善し、どの程度の難聴が残っているのかを確認できます。

耳鳴りや耳閉感が強くなったときも、実際に聴力が低下しているのか、自覚症状だけが変化しているのかを分けて考える必要があります。

5-2.受けられる治療が残っていないか確認する

発症から数週間程度で症状が残っている場合は、まだ後遺症と決めつける時期ではありません。

最初のステロイド治療で十分に聴力が改善しなかった場合でも、発症からの期間や聴力の状態によっては、鼓室内ステロイドや高気圧酸素療法などが検討されることがあります。

これらの治療は検討できる時期が限られています。

受けられる治療が残っていないか、自己判断で待たずに早めに耳鼻咽喉科へ確認してください。

治療の適応は、発症からの期間、聴力、全身状態などを踏まえて医師が判断します。

5-3.残った難聴への対応を考える

発症から時間が経過し、聴力検査でも大きな変化がみられなくなっている場合は、残った難聴を補う方法も考える必要があります。

聞こえにくさによって仕事や日常生活に支障がある場合には、補聴器などが選択肢になります。

補聴器が適しているかは、難聴の程度や左右の聴力差、困っている場面によって異なります。耳鼻咽喉科や補聴器外来などで相談しましょう。

また、会話するときの座る位置を変える、聞こえやすい側から話しかけてもらう、周囲の騒音を減らすなどの環境調整も役立つ場合があります。

5-4.自覚症状への対応を考える

聴力の改善が見込みにくくなっても、耳鳴りや耳閉感、音の響き、めまいなどに対して何もできないとは限りません。

耳鳴りの感じ方は、睡眠不足や疲労、不安などによって強くなる場合があります。難聴を伴う耳鳴りでは、補聴器によって聞こえを補うことで負担が軽くなることもあります。

症状が生活に大きく影響している場合は、我慢を続けるのではなく、耳鼻咽喉科などで相談することが大切です。

6.当院で確認するポイント

6.当院で確認するポイント

当院には、病院での治療を終えたものの、

「これ以上の改善は難しいと言われた」

「後遺症が残ると言われた」

という状態で来院される方がいます。

その場合も、後遺症という言葉だけで判断するのではなく、これまでの経過を詳しく確認します。

特に確認するのは、次のような点です。

  • 発症からどのくらい経過しているか
  • 発症時と現在の聴力
  • これまでに受けた治療
  • どの程度まで聴力が改善したか
  • 現在も聴力に変化があるか
  • 耳鳴りや耳閉感に変化があるか
  • 音の響きや大きな音への不快感が残っているか
  • めまいやふらつきが残っているか
  • 仕事や日常生活で何に困っているか

現在も何らかの変化がみられているかは、状態を把握するための重要な情報です。

例えば、

「少しずつ聞こえる音が増えている」

「耳鳴りが大きい日と小さい日がある」

「以前より耳が詰まらない時間が増えてきた」

といった経過を確認します。

ただし、耳鳴りや耳閉感に変動があることだけで、聴力が回復すると判断することはできません。

聴力の変化については、耳鼻咽喉科の聴力検査と合わせて確認する必要があります。

当院では、病院での診断や治療を優先したうえで、発症からの期間、聴力の推移、残っている症状を確認して鍼治療を行っています。

特に発症から3ヶ月以内を重要な時期と考えていますが、鍼治療によって必ず聴力や自覚症状が改善するわけではありません。

また、発症から長期間が経過し、聴力も自覚症状もほとんど変化していない場合は、改善が難しくなります。

当院では、聴力の回復だけでなく、耳鳴りや耳閉感、音の響きなど、現在最も困っている症状も確認したうえで施術方針を検討します。

7.まとめ

突発性難聴では、治療後も難聴や耳鳴り、耳閉感、音の響き、めまい、ふらつきなどが残ることがあります。

ただし、治療後に症状が残っていることと、すべての症状が今後変化しないことは同じではありません。

聴力検査上の大きな改善がみられなくなっても、耳鳴りや耳閉感などの自覚症状が軽くなる場合があります。

また、発症から数週間程度であれば、まだ回復途中の可能性があります。

突発性難聴の後遺症を考えるときは、次の点を分けて確認することが大切です。

  • 発症からどのくらい経過しているか
  • 聴力がどこまで回復しているか
  • 現在も聴力に変化があるか
  • どのような自覚症状が残っているか
  • 日常生活にどの程度支障があるか

発症から間もない場合は、受けられる治療が残っていないか早めに耳鼻咽喉科へ確認してください。

時間が経過して難聴が残った場合も、補聴器などで聞こえを補う方法や、残っている自覚症状への対応を分けて考えることができます。

「後遺症」という言葉だけで判断せず、現在の聴力と症状を整理したうえで、これからできることを考えていきましょう。

突発性難聴の後遺症でお悩みの方へ

突発性難聴の後遺症でお悩みの方へ

病院での治療を受けても、聞こえにくさや耳鳴り、耳閉感、音の響きなどが残り、不安を抱えている方もいると思います。

当院では、病院での診断や治療を優先したうえで、発症からの期間、聴力の変化、現在残っている症状を確認し、施術方針を検討しています。

特に発症から3ヶ月以内で、病院での治療後も症状が残っている方は、当院へご相談ください。

参考文献

1.Chandrasekhar SS, Tsai Do BS, Schwartz SR, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss (Update). Otolaryngol Head Neck Surg. 2019;161(1_suppl):S1-S45.

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5.Chen J, Liang J, Ou J, Cai W. Mental health in adults with sudden sensorineural hearing loss: an assessment of depressive symptoms and its correlates. J Psychosom Res. 2013;75(1):72-74.

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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