- ストレスが原因で難聴になった!
- 少しでもストレスを減らして治したい!
- ストレスによる難聴の治し方を知りたい!
このような悩みを抱えていませんか?
突発性難聴は、突然発症する原因不明の感音難聴です。
この病気はストレスとの関連が指摘されることが多く、心理的負荷や自律神経の乱れが要因の一つと考えられています。
そのため、いかにストレスと向き合い、上手に付き合っていくかが一番の課題です。
この記事では、ストレス性難聴(突発性難聴)の自力での治し方と治療ついて解説しています。
是非、参考にしてみてください。
1.ストレスは完全に取り除けない
日常の生活はストレスに溢れています。
ストレスは、心の問題だけでなく、体の健康まで脅かし、時には命に関わるような深刻な影響を与えることもあります。
しかしながら、ストレスの原因は多岐にわたり、完全に取り除くことは不可能であり上手に付き合っていくしかありません。
ストレスを乗り越えられるかどうかは、個人差、ストレスの種類、大きさなどによって違います。
- ストレスの原因を避ける
- 笑い
- 家族や友人のサポートを得る
- 運動
- 瞑想
ストレスへの対策として、この5つの方法が推奨されています。
ストレスには必ず原因があり、その原因を見つけて遠ざけることが一番の対策となります。
しかし、自分の努力だけではどうしようもない場合もあります。
そんな時に家族や友人と過ごす時間や運動などでのストレスの解消が大切になってきます。
家族や友人と楽しい時間を共有できれば、ストレスがある現実から逃避することができ、そのとき感じる幸福感が幸せホルモン(エンドルフィンやセロトニン)を分泌させます。
運動や瞑想など個人的にできることももちろん大切ですが、それ以上に人と関わることが重要です。
以下に日常生活におけるストレスの解消法、難聴の治し方を解説しています。
2.ストレスが原因の難聴に対して自分でできること
2-1.体内時計を保つ(睡眠の安定)
まずストレスを低減するために一番大切なのが睡眠です。
突発性難聴の原因の多くは、ストレスと睡眠と言われており、睡眠が難聴を改善するために重要となります。
そのためには、1日のリズムを生み出す仕組みである体内時計を保つことが大切です。
人間の体は、太陽が昇ると目覚めて活動し始め、夜になると眠くなります。
この一連の流れを作るために、決まった時間に起床就寝してリズムを作りましょう。
就寝前のスマホのブルーライトは体内時計を乱すので禁止します。
一般的に1日7時間が必要な睡眠時間と言われていますが、個人差があります。
ちなみに日本人の平均睡眠時間は7時間22分です。
どれくらい睡眠時間がとれているのかチェックして、自分に合う睡眠時間をみつけてみましょう。
そこから逆算して生活リズムを整えていきます。
2-2.長期的に継続できる運動
息が上がるような運動はストレス反応が活発になり逆効果になるため、長期的に続けることができるジムやウォーキングなどで運動を習慣化することが重要です。
運動は内耳への血流を促進し、ストレスホルモンであるコルチゾールを減少させる効果があります。
また最近の研究で、運動することで脳の一部である延髄の神経細胞の突起の数が半減するという研究結果があります。
延髄は、恐怖や不安を感じる扁桃体と脊髄とを繋ぐ経路にあり、自律神経に情報を伝える役割があります。
神経細胞が多いと受け取る情報が増え、自律神経が過剰に興奮してしまいます。
運動により神経細胞の突起の数が減ると、適度な量の情報が伝達され、自律神経が整います。
2-3.食事はビタミンBやアミノ酸(GABA)
ビタミンB群やマグネシウム、亜鉛を含む食品を積極的に摂取することが大切です。
ビタミンB群は神経の機能維持に関与し、マグネシウムは筋肉の緊張緩和に効果があるとされています。
また塩分を控えめにすることで血圧の安定を図り、内耳への血流改善を促すことも大切です。
そしてストレスを緩和するアミノ酸「ギャバ(GABA)」を摂りましょう。
ギャバは、脳内で抑制系の神経伝達物質として働き、ドーパミンなどの興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑えることでリラックスさせる作用があります。
例えば玄米は白米の10倍のギャバが含まれています。
ただ、食品から摂取したギャバが直接神経細胞に届くわけではないため、食事からギャバを作り出す材料を摂取して体内で作り出します。
その材料は、グルタミン酸が多く含まれている魚や肉、卵です。
意識して摂るようにしましょう。
2-4.耳のツボ押し
鍼灸師である私がおすすめする耳の血流を上げるツボ押しをご紹介します。
耳の穴の前にあるツボで上から順に耳門(じもん)、聴宮(ちょうきゅう)、聴会(ちょうえ)の3つで、難聴の特効穴と言われています。
口を開けたときに凹む場所が聴宮です。
口を開けた状態で聴宮を中指で押さえ、聴会を人差し指、耳門を薬指で押さえます。
5秒間隔で口を開けたり閉じたりしながら指圧します。
耳たぶの後ろにある窪んだ所に翳風(えいふう)というツボがあります。
後ろには乳様突起という出っ張った骨がありますが、その骨と耳たぶの間にあります。
人差し指で指圧します。
ツボを指で押すときは、痛気持ちいい強さで3~5秒間ゆっくり持続的に圧迫します。
これを5回程度繰り返してください。
強すぎる刺激は、筋肉が緊張して逆効果になるので、痛気持ちいい強さで指圧をすることが重要です。
ツボを刺激することで、耳の周辺の血流が促進されリラックス作用が得られることで、自律神経が整って血行が改善されます。
また、ツボ刺激を通じて自分自身の体調に気を配る習慣を持つことで、心の安定にもつながります。
2-5.軽い首のストレッチ
1.正しい姿勢をとり、両手で後頭部を押さえてゆっくり前に10秒倒します。
2.次は、側頭部を手で押さえてゆっくり横に10秒倒します。反対側も同様に伸ばします。
10秒を3セットします。
首の筋肉が硬くなると耳周囲の血流も悪くなり耳に影響を与えます。
首のストレッチをすることで、血流を促進しましょう。
3.ストレス性難聴に対する病院での治療
突発性難聴の場合は、発症から治療開始までの時間が予後を左右するので、できるだけ早期に耳鼻科を受診し、適切な治療を受ける必要があります。
治療方法として、
- ステロイド療法…内服または点滴でのステロイド投与。炎症を抑え、内耳の血流を改善する。発症後2週間以内のステロイド投与が有効。
- 高気圧酸素療法…高気圧環境で酸素を吸入し内耳への酸素供給を高め内耳の血流を改善。重症例での有効性が報告されている。
- その他の薬物療法…血流改善薬やビタミン剤は内耳の血流や神経機能をサポートする。抗不安薬はストレス軽減に使用されることもある。
病院以外の治療では、鍼治療が有効です。
当院は、鍼灸院としてストレス性難聴の鍼治療を行っています。
4.まとめ
いかがでしたか?
突発性難聴はストレスが原因となるケースが多いですが、生活習慣の改善による自律神経の安定化、そして耳のツボ刺激といったアプローチが役立ちます。
同時に、早期に医療機関で治療を受けることが何よりも重要です。
自力での対策と病院での治療を併用していただき、ストレス性難聴に悩む方の回復の一助となれば幸いです。
参考文献・論文
1.田村亮介ほか (2020). 「突発性難聴における生活習慣とストレスの影響」. 日本耳鼻咽喉科学会誌, 123(4), 345-352.
2.Harker, L. A., et al. (1995). “Vitamin supplementation in inner ear disorders.” Journal of Audiology, 34(6), 123-130.
3.Chen, X., et al. (2017). “Effects of mindfulness meditation on stress and auditory function.” Mind-Body Medicine, 29(3), 157-164.
4.Rauch, S. D., et al. (2016). “Hyperbaric oxygen therapy for sudden sensorineural hearing loss.” Otology & Neurotology, 37(8), 1100-1105.
5.日本耳鼻咽喉科学会ガイドライン (2019). 「突発性難聴診療の手引き」.
運営者情報
会社名 | 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」 |
代表者 | 代表取締役・院長 中石真人 |
経歴 | 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校
トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。 |
資格 | 鍼灸師・柔道整復師 |
創業 | 平成24年9月3日 |
所在地 | 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702 |
電話 | 050-1255-9166 |
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