筋膜性疼痛症候群(MPS)、トリガーポイント療法とは

筋膜性疼痛症候群(MPS)とは

筋膜性疼痛症候群(きんまくせいとうつうしょうこうぐん:Myofascial Pain Syndrome:MPS)は、筋肉や筋膜が原因となって痛みやしびれを引き起こす病気です。

長時間の無理な姿勢や急激な動作などにより繰り返し筋肉に負担をかけると、小さな損傷が発生します。

いわゆる筋肉痛の状態です。

通常は、この痛みは数日で回復しますが、さらに、繰り返し筋肉に負荷を与え続けると、その部分の筋肉が硬くなり短時間で回復できなくなります。(トリガーポイントが形成された状態です)

このトリガーポイントにより痛みが発生している状態を筋膜性疼痛症候群(MPS)と言います。

筋膜性疼痛症候群(MPS)は、一般的な筋肉痛とは違い、痛みやシビレの強さが相当激しく広範囲に発生する特徴があります。

※筋膜性疼痛症候群(MPS)の詳しい情報は、Wikipediaを参照してください。

痛む場所が本当の原因部位ではない

筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイントの複雑なところは、「痛む場所が本当の痛みの原因部位ではない」ということです。

例えば、捻挫や打撲など怪我をした場合は、「痛む場所=原因部位」とわかりますが、筋肉や内臓、慢性的な痛みの場合は、少し違います。

「痛い場所」と「痛みの原因」が一致しないことが多いのです。

症状と原因が一致しない!

それが筋肉の痛みの最大の特徴です。

症状が出ているところだけを治療しても効果が出ないのは、この筋肉の痛みの特徴により治療部位にズレがあるからなのです。(腱や靭帯などの痛みは例外があります)

痛い場所に囚われず、痛みの発生場所を正確に見つけ出すことが重要となります。

トリガーポイントとは

上記で説明した痛みの発生場所(原因)をトリガーポイントといいます。

トリガーポイントとは、その名の通り「痛みの引き金になる点のことです。

銃の引き金を引くと弾が遠くまで飛んで行くのと同じように、トリガーポイントが引き金となって、遠くの場所に痛みを飛ばします。

その遠くの場所に感じる痛みを「関連痛」といいます。

トリガーポイント

痛みの発生場所(原因)・・・トリガーポイント

痛みを感じる場所(症状)・・・関連痛

トリガーポイントの中でも認知覚があるものを責任トリガーポイントといい、その責任トリガーポイントを治療することが本当の痛みの改善につながります。

認知覚とは、症状の再現(症状と同じ感覚)「痛いところはそこだ!」と本能的に感じる感覚です。

最新の研究で、トリガーポイントは筋膜を含むファシア(fascia)に多く分布している」ことがわかってきました。

筋膜とは、筋肉や内臓、骨などを包んでいる膜のことです。

例えば、長時間同じ姿勢や運動不足、過度な繰り返し動作などでこの膜が動かなくなり、膜同士が癒着してしまいます。

そして、筋膜が厚くなったり、滑りが悪くなったりすることにより痛みが引き起こされます。

筋膜の癒着

実際に、超音波エコーで観察すると、ファシアの異常がある部分は、白い線が太く濃く写ります。

その部分に鍼を当てると、「響き」や「認知覚(痛いとこに鍼が当たったと本能的に感じる感覚)」が生じ、症状が改善します。

ファシア(fascia)とは?

「筋膜に加えて腱、靱帯、脂肪、胸膜、心膜など内臓を包む膜など骨格筋と無関係な部位の結合組織を含むもの」または、「鞘、シート、あるいは剖出可能な結合組織の集合体で、裸眼で肉眼的に確認可能な程の大きさがあり、ファシアは皮膚と筋の間、筋周囲、末梢神経と血管をつなぐそれら関連構造をも含むもの」です。

現在ファシアという言葉の定義は、議論中ではありますが、トリガーポイントは、侵害受容器など痛みのセンサーが高密度に分布しているファシアに優位に存在している可能性が示唆されています。

※詳しくは、日本整形内科学研究会をご参照ください。

トリガーポイントができる原因

  • 長時間の同じ姿勢
  • 過度な仕事やスポーツ
  • 反復動作
  • ストレス
  • 血行不良
  • 自律神経の乱れなど
  • ケガや手術

上記が原因で筋肉に疲れが溜まり、その疲れが続くと血流が悪くなり、筋肉が硬くなってきます。

その硬くなった筋肉の中に、トリガーポイントができます。

その状態がその後も続くと、責任トリガーポイントに変わり、さまざまな痛みやしびれを引き起こします。

トリガーポイントができる部位

  • 筋肉
  • 筋膜
  • 靭帯
  • 骨膜
  • 関節包
  • 脂肪
  • 結合組織

トリガーポイント療法の効果

  • 血流の改善により筋肉が柔らかくなる
  • 自律神経のバランス調整(交感神経の活動を抑え、副交感神経の活動をあげる)
  • 脳内で痛みを抑制する物質(内因性モルヒネ様物質)が放出され、痛みがやわらぐ

痛みの本当の原因は責任トリガーポイントにあります。

責任トリガーポイントは様々な要因により過敏になっており、その過敏さを鍼によって収めていくと症状が改善されていきます。

トリガーポイント適応症

  • 肩こり
  • ぎっくり腰
  • 腰痛
  • 膝痛
  • 五十肩
  • 坐骨神経痛
  • ヘルニア
  • 殿部痛
  • 自律神経失調症
  • 頭痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 寝違い
  • 腱鞘炎
  • 背中痛
  • むち打ち症
  • スポーツ障害
  • 野球肩、野球肘
  • テニス肘、ゴルフ肘
  • TFCC損傷
  • 筋膜性疼痛症候群
  • 頚性神経筋症候群(首こり病)
  • 線維筋痛症
  • 慢性疲労性症候群
  • その他痛み、しびれ

その他にも適応症状ありますので、ご相談ください!

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