突発性難聴に漢方薬は効く?使われる理由と注意点を解説

突発性難聴に漢方薬は効く?使われる理由と注意点を解説

耳鼻咽喉科でステロイドやビタミン剤、血流改善薬などによる治療を受けているものの、

「思ったほど聞こえが戻らない。」

「これ以上、改善を目指す方法はないのだろうか。」

と不安を感じている方もいると思います。

インターネットで調べると、

「漢方薬で改善した。」

「ツムラ17が処方された。」

という情報を見つけ、自分にも漢方薬が効くのではないかと期待されるかもしれません。

実際に当院でも、

「漢方薬を飲んだ方がよいでしょうか。」

「今からでも改善する可能性はありますか。」

というご相談をいただきます。

結論から言うと、漢方薬だけで突発性難聴の聴力が回復するとは断定できません。

現時点では、突発性難聴の標準治療として推奨できるだけの有効性が確立しているわけではないため、漢方薬を試すために耳鼻咽喉科の受診や治療を遅らせることは避ける必要があります。

一方で、症状や全身の状態などを考慮し、医師の判断によって補助的に漢方薬が処方されることはあります。

この記事では、突発性難聴における漢方薬の位置付け、処方される場面、ツムラ17(五苓散)の特徴、服用時の注意点、当院の考え方について分かりやすく解説します。

1.漢方薬だけでの治療はおすすめできない

1.漢方薬だけでの治療はおすすめできない

突発性難聴が疑われる場合は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診し、聴力検査や診察を受けることが大切です。

国内では、ステロイドが初期治療の中心として広く使用されています。

症状や全身の状態に応じて、ビタミン剤や血流改善薬などが併用されることもあります。

漢方薬は、このような治療に代わるものではありません。

発症直後から漢方薬だけで様子を見ていると、耳鼻咽喉科を受診して必要な治療を受ける時期が遅れる可能性があります。

特に、急に片耳が聞こえにくくなった、耳が詰まった、耳鳴りやめまいが突然現れたという場合は、漢方薬や市販薬を先に試すのではなく、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

また、持病などによりステロイドの使用が難しい場合も、自己判断で漢方薬に置き換えるのではなく、耳鼻咽喉科で治療方法を相談する必要があります。

漢方薬はステロイドの代わりとなる薬ではなく、症状や経過、全身の状態に応じて補助的に検討される選択肢の1つと考えると分かりやすいでしょう。

2.突発性難聴で漢方薬が使われる場面

2.突発性難聴で漢方薬が使われる場面

突発性難聴だからといって、すべての方に同じ漢方薬が処方されるわけではありません。

実際の診療では、標準治療と併用する場合や、治療後もめまいなどの症状が残っている場合に、医師が漢方薬を検討することがあります。

漢方薬を選ぶ際には、耳の症状だけでなく、次のような状態も考慮されます。

  • めまいの有無や程度
  • 耳鳴りや耳の詰まり
  • 冷えや疲労感
  • むくみや口の渇き
  • 食欲や睡眠の状態
  • 持病や服用している薬

ただし、1つの症状だけで使用する漢方薬が決まるわけではありません。

複数の症状や体質、治療経過、服用中の薬などを確認したうえで、医師が総合的に判断します。

また、漢方薬が処方されたとしても、突発性難聴による聴力低下が必ず改善するわけではありません。

漢方薬を使用する目的や期待できる範囲について、処方した医師に確認することが大切です。

ツムラ17(五苓散)の特徴

「ツムラ17」は、医療用漢方製剤である五苓散の商品番号です。

五苓散は、漢方医学の考え方に基づき、口の渇きや尿量の減少、むくみ、頭痛、めまいなどがみられる場合に使用されることがあります。

突発性難聴の患者さんに処方されることもありますが、突発性難聴そのものを対象とした効果が確立しているわけではありません。

めまいなどの症状や全身の状態を考慮し、医師が必要と判断した場合に選択されます。

「突発性難聴にはツムラ17が一番効く」というものではなく、すべての方に適しているわけでもありません。

インターネット上の体験談だけで判断せず、使用する場合は医師や薬剤師に相談してください。

3.漢方薬を服用するときの注意点

3.漢方薬を服用するときの注意点

漢方薬は自然由来の生薬から作られていますが、副作用がないわけではありません。

漢方薬の種類によっては、発疹やかゆみ、胃腸症状、肝機能障害などが生じることがあります。

具体的な副作用や注意点は処方によって異なるため、服用前に医師や薬剤師から説明を受けることが大切です。

また、医療機関から処方された漢方薬と市販の漢方薬を併用すると、同じ生薬を重複して摂取する可能性があります。

漢方薬を服用するときは、次の点に注意してください。

  • 自己判断で複数の漢方薬を併用しない
  • 処方薬、市販薬、サプリメントの使用状況を医師や薬剤師に伝える
  • 持病やアレルギー、妊娠・授乳について事前に相談する
  • 服用後に体調の変化があれば、処方した医療機関や薬剤師へ相談する
  • 漢方薬を試すために耳鼻咽喉科の治療を中断しない

漢方薬を希望する場合も、「漢方薬だから安全」と考えず、医師や薬剤師の確認を受けたうえで使用しましょう。

4.当院が考える漢方薬の位置付け

4.当院が考える漢方薬の位置付け

当院でも、

「漢方薬を飲んだ方がよいでしょうか。」

というご相談をいただくことがあります。

そのような場合でも、当院では漢方薬だけで突発性難聴を治療することはおすすめしていません。

まず大切なのは、耳鼻咽喉科で必要な検査を受け、標準治療を行うことです。

そのうえで、治療を受けても聞こえや耳鳴りなどが十分に改善していない場合には、医師と相談して漢方薬を検討したり、鍼治療などを組み合わせたりすることも選択肢の1つと考えています。

漢方医学と鍼治療には、耳の症状だけでなく、睡眠、疲労、冷え、首や肩の状態などを含めて全身を捉えるという考え方があります。

当院でも、耳の症状だけを見るのではなく、次のような点を確認しています。

  • 発症からの期間
  • これまでに受けた治療
  • 聴力検査の経過
  • 耳鳴りやめまいの状態
  • 首や肩の筋緊張
  • 睡眠や疲労の状態

今後の見通しは、漢方薬を飲むかどうかだけで判断できるものではありません。

発症からの期間、難聴の程度、聴力検査の変化、現在残っている症状などを総合して考える必要があります。

当院では、耳鼻咽喉科での治療経過や全身の状態を確認し、一人ひとりの状態に合わせて施術方針を検討しています。

ただし、鍼治療による変化には個人差があり、すべての方に改善を約束できるものではありません。

また、鍼治療は耳鼻咽喉科での診察や治療に代わるものではありません。

5.まとめ

突発性難聴に対する漢方薬は、聴力を回復させる効果が確立した標準治療ではありません。

そのため、発症直後から漢方薬だけで様子を見ることはおすすめできません。

急に聞こえにくくなった場合は、まず耳鼻咽喉科を受診し、必要な検査と治療を受けることが大切です。

そのうえで、症状や経過、全身の状態に応じて、医師が補助的に漢方薬を処方することはあります。

ツムラ17(五苓散)を含め、すべての突発性難聴に共通して効く漢方薬があるわけではありません。

漢方薬にも副作用や薬の重複があるため、自己判断で服用や併用をせず、医師や薬剤師に相談してください。

標準治療を受けても改善が十分でない場合は、これまでの治療経過や現在の状態を整理し、今後の選択肢を検討することが大切です。

漢方薬や次の治療をお探しの方へ

漢方薬や次の治療をお探しの方へ

耳鼻咽喉科で標準治療を受けたものの、聞こえや耳鳴りが十分に改善せず、次の選択肢を探している方もいると思います。

当院では、これまでの治療経過や聴力検査の変化を確認し、耳の症状だけでなく、首や肩の筋緊張、睡眠、疲労なども含めて一人ひとりに合わせた施術を行っています。

鍼治療による変化には個人差がありますが、発症から3ヶ月以内で、耳鼻咽喉科での治療を受けたうえで、さらに改善を目指したいとお考えの方は、一度当院へご相談ください。

参考文献

1.日本聴覚医学会.急性感音難聴診療の手引き 2023年版.金原出版,2023

2.Chandrasekhar SS, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing LossUpdate. Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2019;1611_suppl:S1-S45.

3.日本東洋医学会.漢方治療エビデンスレポート(EKAT).

4.独立行政法人医薬品医療機器総合機構.医療用医薬

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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