突発性難聴の初期症状|耳の違和感・つまり・耳鳴りを放置しないために

突発性難聴の初期症状|耳の違和感・つまり・耳鳴りを放置しないために

「片方の耳が急に詰まったように感じる」「いつもと聞こえ方が違う」「突然耳鳴りが始まった」といった症状があると、突発性難聴の初期症状ではないかと不安になる方もいるでしょう。

突発性難聴は、明確な前触れが続いたあとに発症するとは限りません。

前日まで問題がなかったにもかかわらず、朝起きたときや電話を耳に当てたときなどに、突然聞こえにくくなったことに気づく場合があります。

一方で、耳の違和感や軽い閉塞感などから始まるケースもあります。

ただし、耳が詰まった感じだけで突発性難聴と判断することはできません。

耳垢や中耳炎、耳管の異常、急性低音障害型感音難聴など、ほかの原因でも似た症状が現れるためです。

それでも、軽い症状から聞こえが悪化することがあるため、急に片耳の違和感や聞こえ方の変化が現れたときは、自己判断で様子を見続けないことが大切です。

この記事では、突発性難聴の発症時や発症初期に現れることがある症状と、耳鼻科を受診する目安について解説します。

1.突発性難聴は前触れなく突然起こることが多い

1.突発性難聴は前触れなく突然起こることが多い

突発性難聴は、明らかな原因がないまま、突然起こる感音難聴です。

一般的には片方の耳に発症し、ごくまれに両耳に起こることもあります。

「朝起きると片方の耳が聞こえにくかった」「電話を片耳に当てて初めて気づいた」「会話やテレビの音が急にこもって聞こえた」など、発症した時点から異常をはっきり自覚する人もいます。

そのため、「これが初期症状だった」と後から振り返れるような前触れが、必ず現れるわけではありません。

突然起こった聞こえの変化そのものが、突発性難聴の始まりである場合もあります。

ここからは、なかいし鍼灸院へ来院した患者の経過に基づく臨床上の情報です。

当院へ来院した患者さんでは、一気に聞こえが悪くなり、初期の違和感を意識する余裕がなかったというケースが多くみられます。

「徐々に悪化した」というより、ある時点で明らかな異常に気づいたという経過です。

ただし、突発性難聴の程度には個人差があります。

音がほとんど聞こえなくなる人だけでなく、一部の高さの音が聞き取りにくくなる人や、日常会話には大きな支障がない軽度の難聴もあります。

【関連記事:突発性難聴の症状|聞こえ方・耳鳴り・耳のつまり・めまいを解説】

2.初期に耳の違和感や閉塞感が現れることもある

2.初期に耳の違和感や閉塞感が現れることもある

突発性難聴では、聞こえにくさだけでなく、耳の違和感、閉塞感、耳鳴り、めまいなどを伴うことがあります。

これらは難聴に先立って現れる場合もあれば、聴力が低下したときに同時に自覚する場合もあります。

症状だけで突発性難聴と確定することはできませんが、急に現れた場合は聞こえの変化がないか注意が必要です。

2-1.耳の違和感・閉塞感

「耳の中に膜が張った感じがする」「水が入ったように感じる」「耳抜きができない」「片方の耳だけ重い」といった耳の違和感や閉塞感が現れることがあります。

実際には聴力が低下していても、本人がそれを「難聴」ではなく「耳が詰まっている」と感じている場合があります。

耳の詰まりを取ろうとして耳抜きや耳掃除を繰り返しても改善しない場合は、単なる一時的な違和感と決めつけず、耳鼻科で確認することが大切です。

2-2.耳鳴り・聞こえ方の変化

突発性難聴では、「キーン」「ピー」「ジー」といった耳鳴りを伴うことがあります。

難聴より耳鳴りを強く自覚し、検査を受けて初めて聴力低下が分かる場合もあります。

また、次のような聞こえ方の変化が現れることもあります。

  • 音がこもって聞こえる
  • 自分の声が響いて聞こえる
  • 音が二重に聞こえる
  • 音程がずれて聞こえる
  • テレビや電話の音が片側だけ小さく感じる
  • 周囲が騒がしい場所で会話を聞き取りにくい
  • 特定の高さの音だけ聞こえにくい

軽度の聴力低下では、反対側の耳が聞こえを補うため、日常生活の中で異常に気づきにくいことがあります。

【関連記事:突発性難聴が軽度なら治る?症状やその後の経過を解説】

2-3.めまい

突発性難聴にめまいを伴うこともあります。

周囲が回っているように感じる回転性めまいだけでなく、体がふらつく、真っすぐ歩きにくい、頭を動かすと不安定になるといった症状が現れる場合もあります。

ただし、めまいには良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎など、さまざまな原因があります。

めまいがあるだけで突発性難聴とは判断できません。

2-4.痛みや頭痛

耳の痛みや頭痛は、突発性難聴の典型的な症状ではありません。

強い耳の痛みがある場合は、外耳炎や中耳炎など別の病気も考える必要があります。

また、激しい頭痛、顔や手足のしびれ、ろれつが回らない、物が二重に見えるといった症状を伴う場合は、脳血管障害など耳以外の病気も否定できません。

こうした症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

3.耳の違和感だけでは突発性難聴とは判断できない

3.耳の違和感だけでは突発性難聴とは判断できない

耳の違和感や閉塞感は、突発性難聴以外でも起こります。

例えば、次のような状態でも耳が詰まったように感じることがあります。

  • 耳垢がたまっている
  • 中耳に炎症や液体の貯留がある
  • 鼻の不調などによって耳管の働きが低下している
  • 急性低音障害型感音難聴を発症している
  • メニエール病など別の内耳疾患がある
  • 音響外傷によって聴力が低下している

症状の感じ方だけで、内耳の感音難聴なのか、外耳や中耳の問題による伝音難聴なのかを見分けるのは困難です。

診療ガイドラインでも、突然の難聴を訴える患者について、まず伝音難聴と感音難聴を区別することが強く推奨されています。

「疲れているだけだろう」「自律神経の乱れだろう」「寝れば治るだろう」と自己判断すると、必要な検査や治療が遅れる可能性があります。

突発性難聴の診断では、問診や耳の診察に加えて、純音聴力検査などで実際の聴力を確認します。

症状が軽く感じられても、検査をすると特定の周波数の聴力が低下していることがあります。

つまり、突発性難聴かどうかを判断するために重要なのは、症状の強さだけではなく、耳鼻科で聴力を測定することです。

4.軽い症状から悪化するケースもある

4.軽い症状から悪化するケースもある

突発性難聴は、発症時から明らかに聞こえが悪くなるケースが多い一方で、最初は軽い違和感や閉塞感だけだったという人もいます。

ここからは一般的な医学情報ではなく、なかいし鍼灸院へ来院した患者さんの経過に基づく臨床上の情報です。

当院へ来院した患者の中には、最初は「少し耳が詰まっている」「何となく聞こえ方がおかしい」という程度だったものの、その後、明らかな難聴へ悪化したケースがありました。

このような経過は当院でも多くはありません。

ただし、当院で確認したこの経過の患者さんでは、違和感が現れてから約1週間で聞こえが悪化したケースが多くみられました。

これは、すべての人が1週間で悪化するという意味ではありません。

また、耳の違和感がある人の多くが突発性難聴になるという意味でもありません。

ただし、軽い症状だから安全とは言い切れないことは、実際の患者さんの経過からも分かります。

特に、片方の耳に急な変化が現れた場合や、時間とともに症状が強くなっている場合は、様子を見続けないことが大切です。

5.完全に聞こえなくなるまで待ってはいけない

5.完全に聞こえなくなるまで待ってはいけない

音がほとんど聞こえなくなれば、耳に異常が起きていることは明確です。

しかし、その状態になるまで待ってから受診するという考え方は避ける必要があります。

突発性難聴には、重度の難聴だけでなく軽度の難聴もあります。

会話ができている、テレビの音が聞こえているというだけでは、聴力が正常とは限りません。

特に片耳だけの軽度難聴では、反対側の耳が聞こえを補うため、本人が聴力低下に気づきにくいことがあります。

左右の耳を片方ずつ塞いで音を聞き比べる方法は、変化に気づくきっかけにはなりますが、聴力検査の代わりにはなりません。

音量だけでなく、低音や高音など一部の周波数だけが低下している場合があるためです。

米国の突発性難聴診療ガイドラインでは、突然の難聴がある場合、発症から14日以内のできるだけ早い時期に聴力検査を行うことが推奨されています。

また、初期治療としてステロイドを行う場合も、発症から2週間以内という時期が示されています。

これは「14日間は様子を見てもよい」という意味ではありません。

発症からの時間が検査や治療の選択に関係するため、急な聞こえの変化に気づいたら、できるだけ早く耳鼻科を受診してください。

【関連記事:突発性難聴でやってはいけないこと|治療中の生活と注意点】

6.急な違和感があれば耳鼻科で聴力を確認する

6.急な違和感があれば耳鼻科で聴力を確認する

次のような症状が急に現れた場合は、耳鼻科で聴力を確認することをおすすめします。

  • 片方の耳が急に詰まったように感じる
  • 左右で聞こえ方が違う
  • 電話の音が片側だけ小さく感じる
  • 突然耳鳴りが始まった
  • 音がこもる、響く、二重に聞こえる
  • 耳の違和感と同時にめまいやふらつきがある
  • 耳の症状が時間とともに悪化している

夜間や休日に症状が現れ、すぐに耳鼻科を受診できない場合でも、次の診療日まで何日も放置せず、受診できる医療機関を確認してください。

耳鼻科では、耳垢や中耳炎など外耳・中耳の問題がないかを確認し、聴力検査によって感音難聴の有無や程度を調べます。

必要に応じて、原因を調べるための追加検査が行われます。

突発性難聴と診断された場合は、医師の説明を受け、できるだけ早く病院での治療を開始することが基本です。

鍼治療を検討する場合も、耳鼻科の診断や治療を受けずに鍼灸院だけで経過を見ることはおすすめできません。

【関連記事:突発性難聴の治療|ステロイド・高気圧酸素療法・鍼治療を解説】

【関連記事:突発性難聴のステロイド治療|効果や副作用を解説】

7.まとめ

突発性難聴は、明確な前触れが続いたあとに起こるとは限りません。

前日まで問題がなかったにもかかわらず、突然、片方の耳の聞こえが悪くなるケースが多くみられます。

一方で、最初は耳の違和感、軽い閉塞感、耳鳴り、聞こえ方の変化などから始まることもあります。

ただし、これらの症状は突発性難聴以外でも起こるため、症状だけで診断することはできません。

「疲れや自律神経の影響だろう」と自己判断せず、耳鼻科で聴力を確認することが大切です。

完全に聞こえなくなるまで待つ必要はありません。

急に片耳の聞こえ方が変わった場合や、違和感が続く場合は、症状が軽いうちに耳鼻科を受診してください。

突発性難聴と診断された方へ

突発性難聴と診断された方へ

急な耳の違和感や聞こえ方の変化があるものの、まだ耳鼻科を受診していない方は、まず耳鼻科で診察と聴力検査を受けてください。

なかいし鍼灸院は、広島市中区で突発性難聴や耳鳴りに対する鍼治療を行っている鍼灸院です。

耳鼻科で突発性難聴と診断され、病院で治療を受けているものの改善が乏しい方や、今後の対応に悩んでいる方からの相談を受け付けています。

特に発症から3ヶ月以内の方は、現在の聴力検査結果や治療経過を確認したうえで、鍼治療を受ける時期や通院方針をご説明します。

鍼治療による変化には個人差があり、聴力の回復を保証するものではありません。

また、病院での治療に代わるものではないため、主治医の指示に従って治療を継続してください。

参考文献

1.National Institute on Deafness and Other Communication Disorders. Sudden Sensorineural Hearing Loss.

URL:https://www.nidcd.nih.gov/health/sudden-deafness

2.Chandrasekhar SS, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss (Update). Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2019;161(1_suppl):S1-S45.

URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31369359/

3.日本聴覚医学会編『急性感音難聴診療の手引き 2018年版』金原出版。

URL:https://www.kanehara-shuppan.co.jp/books/

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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