突発性難聴は自然に治る?様子を見る前に知っておきたいこと

突発性難聴は自然に治る?様子を見る前に知っておきたいこと

「耳が少し詰まる。」

「聞こえにくい気がするけれど、そのうち治るかもしれない。」

そのように感じながら、このページをご覧になっているのではないでしょうか。

すでに耳鼻咽喉科で突発性難聴と診断され、

「薬を飲んでいれば、そのうち治るのだろうか。」

「少し良くなってきたので、このまま様子を見ても大丈夫だろうか。」

と考えている方もいらっしゃると思います。

インターネットには「何もしなくても自然に治った」という体験談がある一方で、「すぐに治療しないと治らない」という情報もあり、何を信じればよいのか分からなくなることもあるでしょう。

結論から言えば、突発性難聴が自然に改善することはあります。

しかし、発症した時点で、そのまま回復するか、聴力低下が残るかを確実に予測することはできません。

また、耳の詰まりや耳鳴りが軽くなっても、聴力まで回復しているとは限りません。

そのため、自然回復を期待して自己判断で様子を見るのではなく、早めに耳鼻咽喉科を受診し、聴力検査を受けることが重要です。

この記事では、突発性難聴が自然に治る可能性、自然に治ったように見えるケース、様子を見るリスク、改善のために今できることについて、診療ガイドラインや研究報告、当院の臨床経験をもとに解説します。

1.突発性難聴が自然に治る可能性

1.突発性難聴が自然に治る可能性

突発性難聴は、治療を受けなくても聴力が改善することがあります。

過去の研究では、突発性難聴の32~65%程度に自然回復がみられたと報告されています。

ただし、この数字には注意が必要です。

研究によって対象となる患者、難聴の程度、回復の判定基準が異なります。

また、症状が軽く自然に改善した方は医療機関を受診していない可能性があり、正確な自然回復率を出すことは困難です。

そのため、この数字だけを見て「自分も待っていれば治る」と判断することはできません。

自然回復の多くは、発症後の比較的早い時期にみられるとされています。

しかし、実際の経過には個人差があり、回復する時期や程度も一人ひとり異なります。

予後には、初診時の聴力、難聴の程度や聴力型、めまいの有無、年齢、発症から受診までの期間など、複数の要因が関係します。

これらを確認することで今後の経過をある程度予測できる場合はありますが、自然に回復するか、難聴が残るかを発症時点で確実に判断することはできません。

突発性難聴は自然に治る可能性がある一方で、回復せずに難聴や耳鳴りなどが残る可能性もある病気です。

そのため、自然回復を期待して待つのではなく、まずは耳鼻咽喉科で診断を受け、治療について相談することが大切です。

2.軽い症状でも耳鼻咽喉科の受診が必要

2.軽い症状でも耳鼻咽喉科の受診が必要

突発性難聴というと、片耳が急に全く聞こえなくなる病気を想像するかもしれません。

しかし、実際には、

  • 耳が詰まっている
  • 音が響いて聞こえる
  • いつもより聞こえにくい
  • 電話の声が片耳だけ聞き取りにくい
  • 耳鳴りが突然始まった

など、比較的軽い症状から始まることもあります。

症状が軽いと、「疲れているだけだろう」「耳垢がたまっているのかもしれない」と考え、受診を先延ばしにしてしまうことがあります。

しかし、症状の強さだけで難聴の種類や程度を判断することはできません。

耳の詰まりや聞こえにくさは、耳垢や中耳炎などでも起こります。

また、急性低音障害型感音難聴やメニエール病など、突発性難聴以外の病気との区別が必要になることもあります。

耳鼻咽喉科では、耳の中を確認し、聴力検査によって聞こえの低下があるか、どの周波数が聞こえにくくなっているかを調べます。

軽い症状であっても、片耳の聞こえ方が急に変わった場合は、自己判断で様子を見ず、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

3.自然に治ったように見えるケース

3.自然に治ったように見えるケース

突発性難聴では、耳の詰まりや耳鳴りなどの自覚症状が一時的に軽くなることがあります。

例えば、

  • 朝は耳が詰まっていたのに、夕方には気にならなくなった
  • 昨日より聞こえやすくなった気がする
  • 耳鳴りが小さくなった
  • 音の響きが少し軽くなった

といった変化です。

このような変化があると、「もう治ったのかもしれない」と思うかもしれません。

しかし、耳の詰まりや耳鳴りが軽くなったことと、聴力が回復したことは同じではありません。

自分では聞こえが戻ったように感じていても、聴力検査をすると特定の周波数に難聴が残っていることがあります。

反対に、自覚的には変化を感じにくくても、聴力検査では改善している場合もあります。

また、聞こえが再び悪くなったり、良い日と悪い日を繰り返したりする場合は、突発性難聴以外の病気を含めた確認が必要になることもあります。

症状の変化だけで治ったと判断せず、耳鼻咽喉科で聴力検査を受け、客観的に確認することが大切です。

4.自然回復を待つリスク

4.自然回復を待つリスク

自然に改善する方がいるなら、しばらく様子を見てもよいのではないかと思うかもしれません。

しかし、問題となるのは、誰が自然に回復するのかを事前に確実に判断できないことです。

自然回復を待っている間に時間が経過すると、治療による回復を期待しにくくなる可能性があります。

海外の診療ガイドラインでは、発症後できるだけ早く聴力検査を行い、遅くとも発症から14日以内に突発性難聴かどうかを確認することが勧められています。

ステロイドによる初期治療は発症から2週間以内、高気圧酸素療法を行う場合はステロイド治療と組み合わせて発症から2週間以内に開始することが選択肢とされています。

初期治療で十分な回復が得られない場合には、発症から2~6週間の間に鼓室内ステロイド注射が検討されることもあります。

ただし、どの治療を行うかは、聴力低下の程度、発症からの期間、持病、治療による利益とリスクなどを踏まえて決められます。

すべての方に同じ治療が必要になるわけではありません。また、治療を受ければ必ず聴力が回復するわけでもありません。

大切なのは、自然に治るかどうかを自己判断するのではなく、治療を検討できる時期に耳鼻咽喉科を受診し、現在の状態に合った方針を相談することです。

5.改善のために今できること

5.改善のために今できること

突発性難聴が疑われる場合は、自然に治るのを待つのではなく、現在の状況に合わせて行動することが大切です。

5-1.早めに耳鼻咽喉科を受診する

まだ医療機関を受診していない場合は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診してください。

特に、片耳の聞こえ方が突然変わった場合や、耳鳴り、耳の詰まり、めまいなどを伴う場合は、聴力検査による確認が必要です。

5-2.自己判断で治療を中断しない

耳鼻咽喉科で治療を受けている場合は、少し症状が軽くなったからといって自己判断で薬を中止せず、医師の指示に従ってください。

治療後には再度聴力検査を受け、どの程度回復しているかを確認することも重要です。

5-3.改善が乏しい場合は次の治療を確認する

初期治療を受けても改善が乏しい場合は、現在の聴力や発症からの期間を踏まえ、追加治療の選択肢があるか耳鼻咽喉科で確認しましょう。

高気圧酸素療法や鼓室内ステロイド注射などが検討される場合もありますが、実施できる医療機関や適応となる時期が限られることがあります。

5-4.病院の治療と並行する選択肢を検討する

耳鼻咽喉科での治療を続けながら、ほかにできることを探し、鍼治療を選択される方もいます。

当院では、耳鼻咽喉科での診断と治療を優先したうえで、首や肩を含めた身体の状態を確認し、一人ひとりの症状や経過に合わせて鍼治療を行います。

鍼治療は、病院の治療に代わるものではありません。

また、鍼治療による聴力や症状の改善を保証することもできません。

耳鼻咽喉科と鍼灸院では役割が異なります。

どちらか一方を選ぶのではなく、病院で現在の聴力と治療方針を確認しながら、必要に応じて併用を検討することが大切です。

6.まとめ

突発性難聴は、治療を受けなくても自然に改善することがあります。

しかし、発症した時点で、そのまま回復するか、聴力低下が残るかを確実に予測することはできません。

また、耳の詰まりや耳鳴りが軽くなっても、聴力まで回復しているとは限りません。

突発性難聴以外の病気でも似た症状が現れるため、片耳の聞こえ方が突然変わった場合は、自己判断で様子を見ず、早めに耳鼻咽喉科を受診することが重要です。

すでに治療を受けている場合も、症状の変化だけで判断せず、聴力検査で回復の程度を確認しましょう。

自然に治ることを期待して待つのではなく、治療を検討できる時期に現在の状態を確認し、自分に必要な選択肢を考えることが大切です。

発症から3ヶ月以内で改善を目指している方へ

発症から3ヶ月以内で改善を目指している方へ

耳鼻咽喉科で治療を受けているものの改善が思うように進まず、

「このまま治療が終わってしまうのが不安。」

「改善のために、ほかにもできることを探している。」

とお考えではないでしょうか。

当院では、病院での診断と治療を優先しながら、突発性難聴に対する鍼治療を行っています。

特に発症から3ヶ月以内で、病院の治療と並行して改善を目指したい方は、一度当院へご相談ください。

現在の症状やこれまでの治療経過を確認したうえで、当院で対応できることをご説明します。

参考文献

1.日本聴覚医学会編.『急性感音難聴診療の手引き 2018年版』金原出版;2018.

2.Chandrasekhar SS, Tsai Do BS, Schwartz SR, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss(Update). Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2019;161(1_suppl):S1-S45. doi:10.1177/0194599819859885.

3.Singh A, Kumar Irugu DV. Sudden sensorineural hearing loss – A contemporary review of management issues. Journal of Otology. 2020;15(2):67-73. doi:10.1016/j.joto.2019.07.001.

4.Na G, Jung KW, Cheong TY, et al. Delayed Recovery in Idiopathic Sudden Sensorineural Hearing Loss. Journal of Clinical Medicine. 2022;11(10):2792. doi:10.3390/jcm11102792.

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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