突発性難聴は1日で治る?改善しても受診が必要な理由

突発性難聴は1日で治る?改善しても受診が必要な理由

朝起きると、片耳が少し詰まっている。

いつもより聞こえにくく、耳鳴りもする。

しかし、数時間後や翌日にはほとんど元に戻った。

そのため、

「疲れていただけかもしれない」

「もう治ったのだから、病院へ行かなくてもよいのでは」

と思っているのではないでしょうか。

突発性難聴による症状が、数時間から1日程度で改善したように感じることはあります。

ただし、聴力検査を受けていなければ、その症状が突発性難聴によるものだったのか、聴力が正常に戻っているのかを自分で判断することはできません。

耳の詰まり感や軽い聞こえにくさから始まる場合もあり、自覚症状がなくなっていても、一部の音域に難聴が残っていることがあります。

また、聞こえ方が良くなったり悪くなったりする場合は、突発性難聴以外の病気も含めた確認が必要です。

現在は普通に聞こえていたとしても、一度でも片耳に突然の聞こえにくさや耳の詰まり感、耳鳴りなどが現れた場合は、自己判断せず耳鼻咽喉科を受診しましょう。

この記事では、突発性難聴の症状が1日で改善することはあるのか、聞こえが戻っても受診した方がよい理由、今できる対応について解説します。

1.1日で改善したと感じることはある

1.1日で改善したと感じることはある

突発性難聴による症状が、数時間から1日程度で改善したように感じることはあります。

しかし、それだけで「突発性難聴が治った」と判断することはできません。

実際には、

  • 昨日より聞こえるようになった
  • 耳の詰まり感がなくなった
  • 耳鳴りが小さくなった

というように、自覚症状だけが軽くなっている可能性もあります。

突発性難聴では、自分では普通に聞こえていると思っていても、聴力検査をすると一部の音域に聞こえにくさが残っていることがあります。

また、普段は左右の耳を同時に使っているため、片耳の軽い聴力低下には気付きにくいことがあります。

つまり、「聞こえるようになった」と「聴力が正常に戻った」は、必ずしも同じではありません。

症状が出ている間に聴力検査を受けていない場合は、その症状が本当に突発性難聴によるものだったかを、後から確定できないこともあります。

現在の聴力に異常がないか確認するためにも、一度耳鼻咽喉科で聴力検査を受けることが大切です。

2.軽い症状でも注意が必要

2.軽い症状でも注意が必要

突発性難聴というと、突然まったく聞こえなくなる病気をイメージする方もいるでしょう。

しかし、必ずしも強い難聴から始まるとは限りません。

初めは、

  • 耳が詰まった感じがする
  • 片耳だけ少し聞こえにくい
  • 左右で音の聞こえ方が違う
  • 耳鳴りがする
  • 音が響く、割れて聞こえる

といった軽い違和感だけの場合もあります。

このような症状では、

「疲れているだけだろう」

「寝れば治るかもしれない」

と考え、様子を見てしまいがちです。

一方、初日から強い難聴が現れた場合は異常に気付きやすいため、早い段階で耳鼻咽喉科を受診し、検査や治療を受けることにつながります。

軽い違和感が現れた後、そのまま改善することもあります。

しかし、症状が軽い段階で、そのまま改善するのか、その後悪化するのかを自分で判断することはできません。

当院では、最初は軽い違和感だったため様子を見ていたところ、その後大きく聴力が低下してから来院された患者さんを経験しています。

また、耳鼻咽喉科を受診して一度改善したものの、約1週間後に再び急激に悪化した患者さんもいます。

当院の臨床経験では、軽い症状の段階で受診せず、聴力が大きく低下してから治療を開始した患者さんは、改善までに時間を要する傾向があります。

ただし、これは当院に来院された患者さんについての臨床的な見解であり、すべての患者さんに当てはまるものではありません。

3.聞こえ方が変動する場合は別の病気も確認する

3.聞こえ方が変動する場合は別の病気も確認する

一度聞こえが戻った後、再び聞こえにくくなる場合もあります。

突発性難聴の回復過程で、聞こえ方や耳鳴りなどの自覚症状に変化を感じることはあります。

一方、はっきりした改善と悪化を繰り返す場合は、突発性難聴以外の病気も確認する必要があります。

聞こえ方の変動は、急性低音障害型感音難聴やメニエール病などでもみられることがあります。

また、耳の詰まり感や聞こえにくさは、耳垢や中耳、耳管の問題など、感音難聴以外の原因で起こることもあります。

自覚症状だけで原因を区別することはできません。

症状が改善した後に受けた聴力検査が正常であれば、少なくとも検査時点で明らかな聴力低下がないことを確認できます。

ただし、その検査だけで症状が出ていたときの状態まで確定できるとは限りません。

再び聞こえにくさや耳鳴り、耳の詰まり感などが現れた場合は、症状が軽くても早めに耳鼻咽喉科を再受診してください。

4.改善後も耳鼻咽喉科を受診する

4.改善後も耳鼻咽喉科を受診する

突発性難聴が疑われる場合は、症状が軽くても早めに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。

突発性難聴では、発症から時間を空けずに診断を受け、必要な治療を開始することが重要とされています。

早く治療を始めれば必ず治るわけではありませんが、治療を開始する時期は、その後の回復を考えるうえで重要な要素の1つです。

特に、片耳に突然、次のような症状が現れた場合は注意が必要です。

  • 聞こえにくくなった
  • 耳が詰まった感じがした
  • 耳鳴りが始まった
  • 音が響く、割れて聞こえる
  • 左右で聞こえ方が違うと感じた

現在は普通に聞こえていたとしても、耳鼻咽喉科で聴力検査を受けることをおすすめします。

聴力検査を受けることで、自分では気付いていない聴力低下が残っていないかを確認できます。

受診した結果、現在の聴力に異常がなければ安心材料になります。

一方、異常が見つかれば、その時点で必要な治療について検討できます。

「今は聞こえているから大丈夫」と自己判断せず、一度でも片耳に突然の異変があった場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

5.診断後に検討できること

5.診断後に検討できること

この記事を読んで、自分も突発性難聴かもしれないと感じている場合は、まず耳鼻咽喉科を受診してください。

聴力検査などを受けることで、実際に聴力が低下しているのか、突発性難聴や他の耳の病気が考えられるのかを確認できます。

突発性難聴と診断された場合は、患者さんの聴力や全身状態などに応じて、一般にステロイド治療などが検討されます。

まずは、耳鼻咽喉科で必要な検査と治療を受けることが重要です。

そのうえで、標準的な治療と並行して他の選択肢も検討したい方が、鍼治療を希望することがあります。

当院では、耳周辺だけでなく全身の状態も確認しながら施術を行い、耳鼻咽喉科での治療と並行して症状や聴力の改善を目指します。

当院では、発症早期から耳鼻咽喉科での治療と鍼治療を並行して受け、その後、症状や聴力に改善がみられた患者さんを経験しています。

ただし、突発性難聴は自然経過や耳鼻咽喉科での治療によって改善することもあります。そのため、鍼治療だけによる変化と判断することはできず、すべての方に同じ経過がみられるわけではありません。

また、突発性難聴に対する鍼治療の有効性や作用については、現在も十分に確立されているとはいえません。

当院では、鍼治療を病院での治療に代わるものではなく、耳鼻咽喉科での治療と並行して検討できる選択肢の1つと考えています。

突発性難聴では早期の診断と治療が重要とされており、治療開始が遅れると、その後の回復に影響する可能性があります。

一方で、回復の程度や時期には個人差があり、治療後に時間をかけて改善する場合もあります。

耳鼻咽喉科での治療と並行して鍼治療も受けたいと考えている方は、発症から時間が経過する前にご相談ください。

6.まとめ

突発性難聴による症状が、数時間から1日程度で改善したように感じることはあります。

しかし、症状がなくなったことだけで、突発性難聴が治った、聴力が正常に戻ったと判断することはできません。

聴力検査を受けていなければ、症状が突発性難聴によるものだったかを確定できない場合もあります。

また、自分では普通に聞こえていると思っていても、一部の音域に聞こえにくさが残っていることがあります。

聞こえ方が良くなったり悪くなったりする場合は、突発性難聴以外の病気も含めた確認が必要です。

一度でも片耳に突然の聞こえにくさ、耳の詰まり感、耳鳴りなどが現れた場合は、「今は聞こえているから大丈夫」と自己判断せず、早めに耳鼻咽喉科で聴力検査を受けてください。

そして、突発性難聴と診断され、耳鼻咽喉科での治療と並行して鍼治療も検討したい方は、発症から3ヶ月以内を目安に当院へご相談ください。

一度聞こえが戻ったものの、不安を感じている方へ

一度聞こえが戻ったものの、不安を感じている方へ

まだ耳鼻咽喉科を受診していない方は、現在症状が改善していても、まず耳鼻咽喉科で聴力検査を受けてください。

突発性難聴と診断され、今後の治療に不安を感じている方や、耳鼻咽喉科での治療と並行して鍼治療も検討したい方は、発症から3ヶ月以内を目安に当院へご相談ください。

現在の症状やこれまでの治療経過を確認したうえで、当院で対応できることについてご説明します。

参考文献

1.日本聴覚医学会

『急性感音難聴の診療の手引き 2018年版』

・突発性難聴の診断

・治療について

・予後について

2.Chandrasekhar SS, Tsai Do BS, Schwartz SR, et al.

Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing LossUpdate.
Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2019;1611_suppl.

・突発性難聴の診断と聴力検査

・発症2週間以内のステロイド治療

・鼓室内ステロイドによる救済治療

・高気圧酸素療法

・治療後の聴力評価

3.朝隈真一郎, 柳田則之,

突発性難聴における初期聴力改善と予後との関係.
Audiology Japan. 1988;315:485-491.

・発症初期の聴力改善と最終的な予後との関係

・初期の聴力変化について

4.Na G, Kim KW, Jung KW, et al.

Delayed Recovery in Idiopathic Sudden Sensorineural Hearing Loss.
Journal of Clinical Medicine. 2022;1110:2792.

・標準治療後の遅延回復

・治療終了後の聴力変化

・長期的な経過観察の必要性

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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