突発性難聴のめまいが治らない…いつまで続く?改善の可能性と対処法

突発性難聴のめまいが治らない…いつまで続く?改善の可能性と対処法

突発性難聴の治療を受けているのに、めまいやふらつきがなかなか治らない。

聞こえは少しずつ戻ってきたのに、体が浮いているような感覚や歩くときの不安定さが続くと、

「めまいだけが残ることはあるのだろうか」

「いつまで続くのだろう」

「このまま治らないのではないか」

と不安になると思います。

突発性難聴では、聴力とめまいが同じように回復するとは限りません。

聞こえが改善しても、ふらつきや頭を動かしたときの違和感がしばらく残ることがあります。

また、めまいが残っていることと、改善が止まったことは同じではありません。

回復に時間がかかり、数週間から数ヶ月かけて少しずつ軽くなる場合もあります。

ただし、めまいが長引くときは、突発性難聴による前庭機能の低下だけでなく、別のめまいの病気が重なっていないか確認することも大切です。

この記事では、突発性難聴でめまいが残る理由、続く期間、改善のためにできること、医療機関へ相談する目安について解説します。

1.突発性難聴でめまいが残る理由

1.突発性難聴でめまいが残る理由

突発性難聴では、聞こえが改善してきた後も、めまいやふらつきだけが残ることがあります。

内耳には、音を感じ取る「蝸牛」と、体のバランスを保つ「前庭」という器官があります。

突発性難聴では、聞こえに関係する蝸牛だけでなく、バランスに関係する前庭にも影響が及ぶことがあります。

そのため、聴力が改善しても、

  • 体がふわふわする
  • 歩くとふらつく
  • 頭を動かすと違和感がある
  • 暗い場所で不安定になる
  • 体が浮いているように感じる

といった症状が残る場合があります。

めまいが遅れて回復する理由の1つが、前庭機能の回復や「前庭代償」に時間がかかることです。

前庭代償とは、内耳から伝わる左右のバランス情報に差が生じたときに、脳がその状態に適応し、体のバランスを保てるように調整する働きです。

この調整が進むにつれて、ふらつきや頭を動かしたときの違和感が少しずつ軽くなることがあります。

したがって、聞こえが改善しているのにめまいが残っているからといって、それだけで回復が止まったとは判断できません。

2.突発性難聴のめまいが続く期間

2.突発性難聴のめまいが続く期間

突発性難聴に伴うめまいが続く期間には個人差があります。

発症直後の激しい回転性めまいは、比較的短い期間で軽くなることがあります。

一方で、周囲が回るような感覚が落ち着いた後も、

  • ふわふわする
  • 真っすぐ歩きにくい
  • 人混みやスーパーで気分が悪くなる
  • 頭を動かすと不安定になる
  • 疲れるとふらつきが強くなる

といった症状が数週間から数ヶ月続く場合があります。

これは、前庭機能の回復や前庭代償に時間が必要になるためです。

そのため、聴力が先に改善し、めまいやふらつきが遅れて軽くなることもあります。

めまいの改善は、昨日と今日の変化だけでは判断しにくいことがあります。

1週間前や1ヶ月前と比べて、

  • 外出できる時間が長くなった
  • 歩くときの不安が減った
  • 買い物に行けるようになった
  • 頭を動かしたときのふらつきが軽くなった
  • 横になって休む回数が減った

など、日常生活の変化から改善に気づくこともあります。

めまいが続いている期間だけで「もう治らない」と判断せず、症状の強さや生活への支障が以前と比べて変化しているかを確認することが大切です。

ただし、数ヶ月経過しても症状がほとんど変わらない場合や、以前より強くなっている場合は、回復に時間がかかっているだけとは限りません。

突発性難聴以外の原因が重なっていないか、耳鼻咽喉科などで再評価を受けましょう。

3.めまいが治らないときにできること

3.めまいが治らないときにできること

めまいが続いていても、何もできることがないわけではありません。

症状が残っている時期や原因によって、必要な対応は異なります。

3-1.病院の治療を自己判断で中断しない

突発性難聴では、発症後できるだけ早く診断を受け、必要な治療を開始することが重要です。

ステロイドの内服や点滴、鼓室内ステロイド、高気圧酸素療法などは、治療ごとに検討される時期が異なります。

処方されている薬や治療を自己判断で中断したり変更したりせず、治療の効果や副作用、今後の方針を主治医に確認しましょう。

めまいが続いている場合も、現在の症状が突発性難聴の経過として考えられるのか、ほかの原因を調べる必要があるのか相談することが大切です。

3-2.前庭リハビリを検討する

急性期を過ぎてもふらつきが続く場合には、前庭リハビリテーションが検討されることがあります。

前庭リハビリテーションとは、目や頭、体を少しずつ動かしながら、前庭代償を促してバランス機能の回復を目指すリハビリです。

適切に行うことで、頭を動かしたときのふらつきや、歩行時の不安定さなどの軽減が期待できます。

ただし、めまいの原因や症状によって適切な方法は異なります。

自己流で無理に行うのではなく、医師や理学療法士などに相談し、自分の状態に合った方法で行いましょう。

3-3.必要以上の安静を続けない

めまいが強い急性期には、無理をせず安静にすることが必要です。

一方で、急性期を過ぎた後も、めまいが怖いからとほとんど体を動かさない状態を続けると、前庭代償が進みにくくなる場合があります。

転倒に注意しながら、症状や原因に応じて、安全な範囲で少しずつ日常生活に戻していくことが大切です。

ただし、強いめまいがあるときや、立つことも難しいときに無理をする必要はありません。どの程度動いてよいか分からない場合は、主治医に確認してください。

3-4.睡眠と日常生活を整える

睡眠不足や強い疲労が続くと、めまいやふらつきを強く感じることがあります。

  • 睡眠時間を確保する
  • 急に立ち上がらない
  • 症状が強いときは車の運転を控える
  • 転倒しやすい場所では手すりを使う
  • 疲労が強くなる前に休憩する

といった対策も大切です。

生活を整えれば必ずめまいが治るわけではありませんが、症状による負担や転倒の危険を減らすことにつながります。

4.長引くめまいでは別の原因も確認する

4.長引くめまいでは別の原因も確認する

突発性難聴の後にめまいが続いている場合でも、すべての症状が突発性難聴によるものとは限りません。

例えば、

  • 良性発作性頭位めまい症(BPPV)
  • 前庭性片頭痛
  • メニエール病
  • 持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)

など、別のめまいの病気が重なっている可能性があります。

寝返りや起き上がりで短い回転性めまいを繰り返す、頭痛や光・音への過敏を伴う、聴力の変動とともにめまいを繰り返す、人混みや複雑な模様を見るとふらつきが強くなるなど、症状の現れ方によって考えられる原因は異なります。

数ヶ月たっても症状がほとんど変わらない場合や、めまいの出方が以前と変わった場合は、「突発性難聴だから仕方ない」と決めつけず、現在の症状について改めて評価を受けましょう。

5.医療機関へ相談する目安

5.医療機関へ相談する目安

めまいが続いているときは、症状の強さや変化によって受診の緊急性が異なります。

5-1.耳鼻咽喉科へ再度相談した方がよい場合

次のような場合は、耳鼻咽喉科へ相談しましょう。

  • めまいやふらつきが以前より強くなっている
  • 数ヶ月経過しても症状がほとんど変わらない
  • 日常生活や仕事への大きな支障が続いている
  • 一度改善した聴力が再び低下した
  • 耳鳴りや耳の詰まり、聴力の変動とともにめまいを繰り返す
  • 寝返りや起き上がりで回転性めまいを繰り返す
  • これまでとは異なるめまいが現れた

再評価を受けることで、必要な検査や前庭リハビリなど、現在の状態に合った対応につながる可能性があります。

5-2.速やかな救急受診が必要な場合

次のような症状が突然現れた場合は、脳卒中など内耳以外の病気も考えられます。

  • 片側の手足や顔の麻痺、しびれ
  • ろれつが回らない
  • 言葉が出にくい、会話を理解しにくい
  • 物が二重に見える
  • 突然の激しい頭痛
  • 支えがあっても立てない、歩けない
  • 意識がもうろうとする

このような場合は様子を見ず、救急車を呼ぶか、速やかに救急医療機関を受診してください。

6.当院におけるめまいへの考え方

6.当院におけるめまいへの考え方

ここからは、一般的な医学情報ではなく、当院の臨床的な見解です。

当院には、突発性難聴の病院治療を受けた後も、めまいやふらつきが残っている患者さんが来院されています。

そのなかには、めまいに加えて、

  • 首や肩の緊張
  • 睡眠不足
  • 強い疲労
  • 体調による症状の変動

などがみられる方もいます。

ただし、首や肩の緊張、疲労などだけで、長引くめまいの原因を説明できるわけではありません。

当院では、まず耳鼻咽喉科などで必要な検査や治療を受けることを前提としています。

そのうえで、現在の症状、発症からの経過、日常生活で困っていること、首や肩を含めた全身の状態を確認します。

突発性難聴に対する鍼治療による変化には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。

病院での治療を否定したり中断したりするのではなく、病院での治療と並行しながら、めまいやふらつきの改善を目指す選択肢の1つとして鍼治療を検討することが大切です。

7.まとめ

突発性難聴では、聞こえが改善しても、めまいやふらつきが遅れて残ることがあります。

内耳の前庭機能が影響を受けた場合、前庭機能の回復や脳の前庭代償に時間が必要になるためです。

この記事のポイントは次のとおりです。

  • 聞こえとめまいは同じように回復するとは限らない
  • 強い回転性めまいが治まった後も、ふらつきが残ることがある
  • めまいやふらつきは数週間から数ヶ月かけて変化する場合がある
  • 日ごとの症状だけでなく、以前より日常生活を送りやすくなっているかも確認する
  • 急性期を過ぎた後は、前庭リハビリや安全な範囲での活動が検討される
  • 長引く場合は、突発性難聴以外のめまいが重なっていないか再評価を受ける
  • 神経症状を伴う場合は、速やかな救急受診が必要になる

めまいが続いているからといって、それだけで改善の可能性がなくなったとは判断できません。

一方で、長引くめまいをすべて突発性難聴の影響と決めつけることも適切ではありません。

病院での治療は自己判断で中断せず、主治医と今後の方針を確認しましょう。

そのうえで、現在の状態に応じて、前庭リハビリや鍼治療を含む選択肢を検討することが大切です。

突発性難聴でめまいが治らない方へ

突発性難聴でめまいが治らない方へ

聞こえは戻ってきたのに、めまいやふらつきだけが治らない。

そのような患者さんが当院にも来院されています。

当院では、発症から3ヶ月以内で、病院での治療と並行しながら、めまいやふらつきの改善を目指したい方からの相談を受けています。

鍼治療による変化には個人差があり、改善を保証するものではありません。

突発性難聴によるめまいやふらつきでお悩みの方は、ご相談ください。

参考文献

1. 日本聴覚医学会. 急性感音難聴診療の手引き 2018年版. 金原出版, 2018.

2. Chandrasekhar SS, Tsai Do BS, Schwartz SR, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss(Update). Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2019;161(1_suppl):S1-S45. doi:10.1177/0194599819859885.

3. Hall CD, Herdman SJ, Whitney SL, et al. Vestibular Rehabilitation for Peripheral Vestibular Hypofunction: An Updated Clinical Practice Guideline From the Academy of Neurologic Physical Therapy of the American Physical Therapy Association. Journal of Neurologic Physical Therapy. 2022;46(2):118-177. doi:10.1097/NPT.0000000000000382.

4. Nakashima T, Sato H, Gyo K, et al. Idiopathic sudden sensorineural hearing loss in Japan. Acta Otolaryngologica. 2014;134(11):1158-1163. doi:10.3109/00016489.2014.919406.

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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