突発性難聴は何科・どの病院へ行く?受診のタイミングと病院の選び方

突発性難聴は何科・どの病院へ行く?受診のタイミングと病院の選び方

突然、片方の耳が聞こえにくくなったり、耳が詰まったように感じたりすると、「何科へ行けばよいのか」「町の耳鼻科でよいのか」「大学病院を探した方がよいのか」と迷う方もいるでしょう。

突発性難聴が疑われる場合は、まず近くの耳鼻咽喉科をできるだけ早く受診してください。

最初から大学病院や有名な専門病院を探す必要はありません。

一般の耳鼻咽喉科で診察と聴力検査を受け、難聴の種類や程度を確認することが先です。

入院、追加検査、高気圧酸素療法などが必要と判断された場合は、対応できる総合病院や大学病院などへ紹介してもらえます。

大切なのは、病院選びに時間をかけて受診が遅れることを避けることです。

この記事では、突発性難聴が疑われるときに受診する診療科、病院へ行くタイミング、大学病院や専門病院を検討する目安、病院で行われる検査や治療について解説します。

1.突発性難聴が疑われたら、まず近くの耳鼻咽喉科へ

1.突発性難聴が疑われたら、まず近くの耳鼻咽喉科へ

突発性難聴が疑われる症状が現れたときは、まず耳鼻咽喉科を受診します。

最初の受診先は、地域の一般的な耳鼻咽喉科で構いません。

大学病院や突発性難聴を掲げる専門病院でなければ診断できない病気ではありません。

耳鼻咽喉科では、耳の中を診察するとともに、聴力検査によって難聴の有無や程度を調べます。

急に聞こえが悪くなっても、原因が必ず突発性難聴とは限りません。

耳垢、外耳炎、中耳炎などによって音が伝わりにくくなることもあれば、メニエール病など別の内耳疾患が関係している場合もあります。

そのため、症状だけで自分が突発性難聴だと判断せず、耳鼻咽喉科で確認することが重要です。

関連記事【突発性難聴の症状|聞こえ方・耳鳴り・耳のつまり・めまいを解説】

当院でも、病院で診断を受けていない方から相談があった場合は、鍼治療を始める前に耳鼻咽喉科の受診を勧めています。

鍼灸院は、突発性難聴の診断や聴力検査を行う医療機関ではありません。

まず病院で診断と必要な治療を受けることが優先です。

2.病院はいつまでに行くべきか

2.病院はいつまでに行くべきか

2-1.できるだけ早く受診する

突発性難聴が疑われる場合は、症状に気づいた時点で、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診してください。

米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会の診療ガイドラインでは、突発性難聴が疑われる患者に対して、発症から14日以内のできるだけ早い時期に聴力検査を行うことが推奨されています。

また、初期治療としてステロイドを使用する場合は、発症後2週間以内が選択肢として示されています。

ただし、「発症から何時間以内であれば必ず治る」「何日を過ぎたら治らない」という明確な境界があるわけではありません。

発症から治療開始までの期間だけでなく、難聴の程度、年齢、めまいの有無、聴力の低下している音域など、複数の要因が経過に関係します。

それでも、治療開始が遅れるほど治療の選択肢が限られやすくなるため、様子を見続けることは勧められません。

当日受診できる耳鼻咽喉科があれば、その日のうちに受診するのが望ましいでしょう。

夜間や休診日に症状が出た場合も、何日も待つのではなく、休日当番医や翌日に受診できる耳鼻咽喉科を確認してください。

2-2.軽い耳のつまりや違和感でも放置しない

突発性難聴は、必ずしも「全く聞こえない」という症状から始まるわけではありません。

次のような軽い症状だけの場合もあります。

  • 片方の耳が詰まった感じがする
  • 片方の耳だけ音が小さく聞こえる
  • 電話を片方の耳に当てると聞こえ方が違う
  • 音が響く、割れるように聞こえる
  • 急に耳鳴りが始まった
  • 特定の高さの音だけ聞き取りにくい

これらの症状は、耳垢や中耳炎などでも起こります。症状だけで突発性難聴かどうかを判断することはできません。

一方で、軽い耳閉感や違和感から始まり、その後に聞こえが悪化するケースもあります。

「軽いから大丈夫」と決めつけず、片方の耳に急な変化が現れた場合は耳鼻咽喉科で聴力を確認してもらいましょう。

関連記事【突発性難聴の初期症状|耳の違和感・つまり・耳鳴りを放置しないために】

3.大学病院や専門病院を最初から受診する必要はない

3.大学病院や専門病院を最初から受診する必要はない

3-1.まず一般の耳鼻咽喉科で診断と重症度を確認する

突発性難聴が心配になると、大学病院や有名な病院を探した方がよいと考えるかもしれません。

しかし、最初に必要なのは病院の知名度ではなく、耳鼻咽喉科で早く診察と聴力検査を受けることです。

一般の耳鼻咽喉科でも、耳の診察、純音聴力検査、症状や発症時期の確認などを行い、突発性難聴が疑われるかを評価できます。

通院で治療できる状態であれば、そのまま地域の耳鼻咽喉科で治療と経過観察を受けることもあります。

紹介状が必要な大学病院もあるため、最初から大きな病院へ行こうとすると、かえって受診まで時間がかかる可能性があります。

「どの病院が最もよいか」と探し続けるより、まず受診できる耳鼻咽喉科へ行くことを優先してください。

3-2.必要なら大学病院・総合病院へ紹介される

診察や聴力検査の結果、より専門的な検査や治療が必要と判断された場合は、一般の耳鼻咽喉科から大学病院や総合病院などへ紹介されます。

紹介先は、地域の医療体制や必要な治療によって異なります。

必ずしも大学病院とは限らず、耳鼻咽喉科の入院設備がある総合病院や、高気圧酸素療法に対応している医療機関が選ばれる場合もあります。

このように、突発性難聴の病院選びは、最初からすべてを自分で判断する必要はありません。

まず近くの耳鼻咽喉科を受診し、その後は検査結果や症状に応じて担当医に紹介先を判断してもらう流れが現実的です。

4.より専門的な病院を検討するケース

4.より専門的な病院を検討するケース

突発性難聴のすべての患者に、大学病院や専門病院での治療が必要なわけではありません。

一方、症状や検査結果によっては、設備の整った医療機関での評価や治療が検討されます。

4-1.難聴が高度・重度の場合

聴力検査で高度または重度の難聴が確認された場合は、入院治療や、より専門的な治療を検討するために総合病院などへ紹介されることがあります。

ただし、難聴が重いから必ず入院になるわけではありません。

全身状態、持病、通院の可否、医療機関の方針などを踏まえて、外来治療と入院治療のどちらが適しているか判断されます。

関連記事【突発性難聴の入院レベルは?基準、期間、費用、治療内容は? 】

4-2.強いめまいや神経症状を伴う場合

突発性難聴では、難聴や耳鳴りにめまいを伴うことがあります。

強いめまいがある場合は、転倒や脱水にも注意が必要です。

また、次のような症状を伴う場合は、突発性難聴だけでなく、脳血管障害など耳以外の病気も考える必要があります。

  • 顔や手足のしびれ、動かしにくさ
  • ろれつが回らない
  • 物が二重に見える
  • 意識がもうろうとする
  • これまでにない激しい頭痛
  • 立つことができないほどの強いふらつき

このような症状がある場合は、通常の外来受診を待たず、救急医療機関への相談が必要です。

4-3.入院や追加検査が必要な場合

重度の難聴、強いめまい、全身状態への配慮が必要な場合などには、入院設備のある病院へ紹介されることがあります。

また、症状の現れ方が典型的でない場合、難聴を繰り返している場合、左右両方の耳に難聴がある場合、神経症状を伴う場合などは、追加検査が検討されます。

大学病院や総合病院へ紹介されるかどうかは、病院の規模ではなく、必要な検査や治療を受けられるかどうかで決まります。

4-4.高気圧酸素療法や鼓室内ステロイドを検討する場合

初期治療後の聴力回復が十分でない場合には、ステロイド鼓室内投与などの追加治療が検討されることがあります。

ステロイド鼓室内投与は、鼓膜を通して中耳内へステロイド薬を投与する治療です。

米国の診療ガイドラインでは、十分な回復が得られない場合の救済治療として、発症後2~6週間に行うことが推奨されています。

高気圧酸素療法は、ステロイド治療と組み合わせて行われることがあります。

対応できる医療機関が限られているため、希望する場合は、適応や受診可能な時期について早めに担当医へ相談する必要があります。

これらの治療がすべての患者に必要なわけではなく、治療によって必ず聴力が回復するわけでもありません。

難聴の程度、発症からの期間、これまでの治療内容、持病などを踏まえて医師が判断します。

関連記事【突発性難聴の鼓室内ステロイド|効果や副作用を解説】

関連記事【突発性難聴の高気圧酸素療法|効果や回数・始める時期を解説】

5.突発性難聴の病院を選ぶときに確認したいこと

5.突発性難聴の病院を選ぶときに確認したいこと

突発性難聴の病院を選ぶときは、病院の知名度や口コミだけではなく、現在必要な診療を受けられるかどうかを確認しましょう。

5-1.耳鼻咽喉科で聴力検査を受けられる

突発性難聴の診断には、耳の診察だけでなく聴力検査が重要です。

受診前に確認できる場合は、耳鼻咽喉科を標榜しており、純音聴力検査などに対応している医療機関を選びます。

「耳が詰まるだけだから」と内科や整形外科を受診するのではなく、まず耳鼻咽喉科を選んでください。

5-2.必要時に高次医療機関へ紹介できる

一般の耳鼻咽喉科で対応できない検査や治療が必要になった場合、総合病院や大学病院などへ紹介してもらえることも重要です。

ただし、通常は個別に紹介体制を問い合わせる必要はありません。

診察した医師が必要と判断すれば、地域の医療機関との連携に基づいて紹介先を検討します。

高気圧酸素療法など特定の治療を希望する場合は、自分がその治療の対象になるかを含め、まず担当医に相談しましょう。

5-3.通院・再検査を続けやすい

突発性難聴の診療では、初回の治療だけでなく、聴力がどのように変化しているかを再検査で確認することが大切です。

そのため、初診時の設備だけでなく、必要な期間に通院しやすいかも病院選びの基準になります。

遠方の有名病院へ1回だけ受診するよりも、近くの耳鼻咽喉科で治療と聴力検査を継続し、必要な段階で専門病院へ紹介してもらう方が適している場合があります。

6.病院ではどのような検査・治療をするのか

6.病院ではどのような検査・治療をするのか

6-1.聴力検査と診察

病院では、まず耳の中を観察し、耳垢、鼓膜の異常、中耳炎などがないかを確認します。

そのうえで純音聴力検査を行い、音の高さごとの聴力を調べます。

これにより、音が外耳や中耳を伝わりにくい「伝音難聴」なのか、内耳や聴神経に関係する「感音難聴」なのかを判断する手がかりが得られます。

発症した時期、症状の現れ方、耳鳴りやめまいの有無、過去の難聴、服用中の薬、持病なども診断に必要な情報です。

6-2.必要に応じてMRIなどの検査

突発性難聴は、明らかな原因を特定できない急性感音難聴の1つです。

一方、似た症状を起こす病気を除外するため、症状や経過に応じてMRIなどの画像検査が行われることがあります。

特に、聴神経腫瘍など内耳から脳へ音を伝える経路の病変を確認する目的でMRIが検討されます。

すべての患者が初診当日にMRIを受けるわけではありません。

必要性や検査時期は医師が判断します。

6-3.ステロイドを中心とした治療

突発性難聴では、ステロイド薬による治療が広く行われています。

内服または点滴で投与され、難聴の程度や全身状態などによって治療方法が選ばれます。

ただし、ステロイド治療を受ければ必ず聴力が回復するわけではありません。

糖尿病、高血圧、胃潰瘍、感染症などがある方は、ステロイドの使用方法に配慮が必要です。

持病や服用中の薬がある場合は、診察時に医師へ伝えてください。

治療方法を自己判断で変更したり、処方されたステロイドを途中で中止したりせず、担当医の指示に従いましょう。

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7.病院の治療で改善が十分でない場合

7.病院の治療で改善が十分でない場合

病院で治療を受けても聴力の改善が十分でない場合は、まず担当の耳鼻咽喉科で再評価を受けてください。

聴力検査で経過を確認し、診断に見直す点がないか、鼓室内ステロイドや高気圧酸素療法などの追加治療を検討できるかを相談します。

治療を受けた直後に変化がないからといって、自己判断で通院をやめるのは適切ではありません。

追加治療には検討される時期があるため、担当医へ早めに相談することが重要です。

病院で必要な評価や治療を受けたうえで、補完的な選択肢として鍼治療を検討する方もいます。

ここからは、一般的な医学情報ではなく、なかいし鍼灸院の診療方針と来院状況です。

広島のなかいし鍼灸院には、ステロイドの内服や点滴など、耳鼻咽喉科で治療を受けても聴力や耳鳴り、耳のつまりなどの改善が十分でなかった方が来院しています。

当院では、特に発症から3ヶ月以内の方を中心に相談を受けています。

ただし、鍼治療による改善を保証するものではなく、病院での治療に代わるものでもありません。

耳鼻咽喉科で診断と治療を受けていることを前提として、発症からの期間、聴力検査の結果、これまでの治療内容、現在残っている症状を確認したうえで対応を検討します。

病院での治療後も症状が残っている場合は、まず担当医に今後の検査や追加治療について確認し、そのうえで鍼治療を併用するか判断してください。

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8.まとめ

突発性難聴が疑われる場合に最初に受診する診療科は、耳鼻咽喉科です。

最初から大学病院や有名な専門病院を探す必要はありません。

まず近くの耳鼻咽喉科で診察と聴力検査を受け、難聴の種類や程度を確認してください。

高度・重度の難聴、強いめまい、神経症状、入院や追加検査の必要性がある場合は、一般の耳鼻咽喉科から総合病院や大学病院などへ紹介されます。

高気圧酸素療法など、限られた医療機関で行われる治療についても、担当医と相談しながら紹介先を検討できます。

「何時間以内なら必ず治る」という境界はありませんが、突発性難聴は早期の診断と治療が重要です。

軽い耳のつまりや違和感であっても、片方の耳に急な変化が現れた場合は放置せず、病院選びに時間をかけるより、受診できる耳鼻咽喉科へ早めに行きましょう。

突発性難聴でお悩みの方へ

突発性難聴でお悩みの方へ

広島のなかいし鍼灸院では、耳鼻咽喉科で突発性難聴と診断され、病院で治療を受けても聴力や耳鳴り、耳のつまりなどの改善が十分でない方から相談を受けています。

特に発症から3ヶ月以内で、耳鼻咽喉科で診断と治療を受けた方を中心に対応しています。

鍼治療は病院での診断や治療に代わるものではありません。まだ耳鼻咽喉科を受診していない方は、まず病院を受診してください。

これまでの聴力検査の結果や治療内容が分かる資料をお持ちの場合は、相談時にご用意ください。

参考文献

1.日本聴覚医学会編.急性感音難聴診療の手引き 2018年版.金原出版.

2.一般社団法人日本聴覚医学会.関連ガイドライン.

https://audiology-japan.jp/guideline/

3.Chandrasekhar SS, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss (Update). Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2019;161(1_suppl):S1-S45.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31369359/

https://doi.org/10.1177/0194599819859885

4.Chandrasekhar SS, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss (Update) Executive Summary. Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2019;161(2):195-210.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31369349/

https://doi.org/10.1177/0194599819859883

5.National Institute on Deafness and Other Communication Disorders. Sudden Sensorineural Hearing Loss.

https://www.nidcd.nih.gov/health/sudden-deafness

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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