突発性難聴をセルフチェック|症状と音の聞こえ方を確認

突発性難聴をセルフチェック|症状と音の聞こえ方を確認

「朝起きたら片方の耳が詰まっている」「電話の声がいつもより聞き取りにくい」。突然の変化があると、突発性難聴なのか、耳鼻咽喉科へ行くべきなのか迷う方もいるでしょう。

突発性難聴では、急な聞こえにくさのほか、耳鳴りや耳の詰まり、めまいを伴うことがあります。

似た症状はほかの耳の病気でも起こります。

自宅で確認する目的は病名を決めることではなく、聞こえ方の変化に気づき、受診につなげることです。

この記事では、症状のチェック項目と音の聞こえ方を確認する方法、耳鼻咽喉科を受診する目安を説明します。

1.突発性難聴のセルフチェック

1.突発性難聴のセルフチェック

今の症状を、以前の聞こえ方と比べながら確認してください。

  • 片方の耳が急に聞こえにくくなった
  • 朝起きたときなど、ある時点から聞こえ方が変わった
  • 耳が詰まった、ふさがったように感じる
  • 突然、耳鳴りが始まった、または強くなった
  • 音がこもる、響く、割れる、二重に聞こえるなどの変化がある
  • 左右の耳で聞こえ方に差を感じる
  • 聞こえ方の変化とともに、めまいやふらつきがある
  • 会話はできるが、小さな音や一部の高さの音が聞き取りにくい

このリストに「何個以上なら突発性難聴」という判定基準はありません。

急に聞こえにくくなった場合は、当てはまる項目が1つでも耳鼻咽喉科に相談してください。

反対に、複数当てはまっても、症状だけで突発性難聴とは診断できません。

「耳が詰まっているだけ」と感じる場合も、同じ時期から音が小さく聞こえる、響き方が違うといった変化がないか振り返ってみましょう。

本人には耳の詰まりが主な症状に思えても、聴力検査が必要な場合があります。

2.特に確認したい「突然の変化」と「左右差」

2.特に確認したい「突然の変化」と「左右差」

2-1.いつから聞こえ方が変わったか

聞こえ方の変化に気づいた時期は、受診時に伝えたい情報です。

「昨日の夜までは普段どおりだったが、今朝起きたら違った」「数日前から片側だけ聞き取りにくい」など、分かる範囲で確認してください。

突発性難聴は、朝起きて気づくような突然の難聴が典型的ですが、数日かけて悪化する場合もあります。

はっきりした発症時刻が分からなくても、受診をためらう必要はありません。

2-2.片耳だけ違って聞こえるか

片方の耳に起こることが多いため、左右差は異変に気づく手がかりになります。

電話を当てる耳を変えたときに声の聞き取りやすさが違う、片側だけ音がこもるといった変化です。

左右差を自覚しないから難聴がないとは言えません。

反対側の耳で会話を聞き取れていると、片側の変化に気づきにくい場合もあります。

「会話はできるから大丈夫」と決めつけないことが大切です。

ここからは、当院に来院された方の経過です。

当院では、聞こえが一気に悪くなった方が多い一方、まれに軽い違和感や耳の詰まりから始まり、その後に聞こえが悪化した方もいます。

これは一般的な診断基準ではなく、違和感だけで突発性難聴と判断できるという意味でもありません。

発症初期の症状については、【突発性難聴の初期症状|耳の違和感・つまり・耳鳴りを放置しないために】で詳しく説明しています。

3.音を使った自宅での確認

3.音を使った自宅での確認

3-1.普段の音で気づけること

普段聞き慣れた声や生活音は、「いつもと違う」と気づく手がかりになります。

例えば、電話の声が片側だけ遠く感じる、テレビの音は聞こえるのに人の声が聞き取りにくい、音の響き方が左右で違うといった変化です。

気づいた場面を覚えておき、受診時に「いつから、どちらの耳で、どのように違ったか」を伝えてください。

家庭で左右を聞き比べても、聴力が正常かどうかまでは分かりません。

3-2.スマートフォンやイヤホンの限界

インターネット上のチェック音やスマートフォンのアプリで、突発性難聴を診断することはできません。

端末やイヤホンの性能、音量、装着の仕方、周囲の騒音によって結果が変わるためです。

また、ある音が聞こえても、別の高さの音は聞き取りにくくなっている場合があります。

「チェック音が聞こえたから受診しなくてよい」とは判断できません。

聞こえない音を探そうとして、音量を上げて繰り返し試す必要もありません。

聴力を客観的に確かめるには、耳鼻咽喉科で音の高さごとに調べる聴力検査が必要です。

検査結果の見方は、突発性難聴の聴力検査についても下記の記事で説明しています。

【関連記事:突発性難聴ではどんな検査をする?検査方法と診断までの流れを解説】  

4.セルフチェックだけでは診断できない

4.セルフチェックだけでは診断できない

耳の詰まりや聞こえにくさには、さまざまな原因があります。

耳垢や中耳の病気のほか、急性低音障害型感音難聴、メニエール病などでも、突発性難聴と似た症状が現れる場合があります。

自分では「耳の入口が詰まっている」と感じても、実際にどこに原因があるかは症状だけでは分かりません。

耳の診察と聴力検査を受け、音が伝わりにくい状態なのか、内耳などに関わる難聴なのかを確認する必要があります。

このチェックリストの結果は、医師に症状を伝えるための手がかりとして使ってください。

5.チェック後の受診の目安

5.チェック後の受診の目安

5-1.聞こえ方が急に変わった場合

片方の耳が急に聞こえにくくなった、昨日までと明らかに聞こえ方が違う場合は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診してください。

程度が軽いと感じても、自宅の音チェックを繰り返して受診を先延ばしにしないことが大切です。

米国の診療ガイドラインは、急な難聴について、感音難聴を確認する聴力検査を可能な限り早く、発症後14日以内に行うよう推奨しています。

これは「14日間は様子を見てよい」という意味ではありません。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、発症早期に受診し、検査と治療につなげることの重要性を説明しています。

まずは近くの耳鼻咽喉科に相談できます。

何科へ行くか、どの病院を選ぶか迷う方は、突発性難聴の病院選びについても【突発性難聴は何科・どの病院へ行く?受診のタイミングと病院の選び方】で説明しています。

当院でも、急な聞こえ方の変化がある方には、症状の程度にかかわらず、まず耳鼻咽喉科で評価を受けていただく方針です。

5-2.耳鳴りや耳の詰まりが目立つ場合

耳鳴りや耳の詰まりだけが気になり、聞こえにくさは分からない場合もあるでしょう。

その症状だけで突発性難聴とは言えませんが、急に始まった、片側だけにある、聞こえ方も以前と違うといった場合は、耳鼻咽喉科で相談してください。

「完全に聞こえなくなったら受診する」と待つ必要はありません。診察と聴力検査で、現在の聞こえ方を確認することが大切です。

5-3.強いめまいや神経症状がある場合

歩けないほどの強いめまい、顔や手足の麻痺・脱力、ろれつが回らない、激しい頭痛などを伴う場合は、突発性難聴だけと考えず、速やかに救急医療へ相談してください。

耳以外の病気も含めた評価が必要です。

6.病院ではどのように確認するか

6.病院ではどのように確認するか

耳鼻咽喉科では、いつ症状に気づいたか、どのように変化したかを聞き、耳垢や鼓膜など耳の状態を診察します。

そのうえで純音聴力検査を行い、音の高さごとに聴力を調べます。

検査では、耳から入る音と、骨を通じて伝わる音を調べることで、聞こえにくさの性質を確認します。

診察や検査の結果によっては、ほかの原因を調べるために追加の検査が検討されます。

受診時には、正確な発症時刻が分からなくても構いません。

「今朝から」「3日前に電話を使ったときに気づいた」など、分かる範囲で伝えてください。

耳鳴りやめまい、以前にも似た症状があったかどうかも、診察の手がかりになります。

詳しい検査内容についても【突発性難聴の聴力検査|グラフの見方と検査結果からわかること】で説明しています。

7.病院で突発性難聴と診断された後

7.病院で突発性難聴と診断された後

突発性難聴と診断された場合は、担当医から治療について説明を受け、必要な治療と経過観察を進めてください。

治療中も聞こえ方や耳鳴りなどの変化があれば、担当医に伝えましょう。

当院には、病院での診断・治療後も聞こえにくさ、耳鳴り、耳の詰まり感が残り、鍼治療について相談される方がいます。

当院では病院での治療を優先し、その経過を確認したうえで相談をお受けしています。

鍼治療による聴力回復を保証するものではありません。

8.まとめ

突発性難聴のセルフチェックでは、当てはまる項目の数よりも、急に聞こえ方が変わったか、いつ気づいたか、左右で違いがあるかを確認してください。

耳鳴りや耳の詰まりが目立ち、聞こえにくさに気づきにくい場合もあります。

普段の音を聞き比べることは変化に気づく参考になりますが、スマートフォンのチェック音で突発性難聴の有無は判断できません。

急な聞こえ方の変化があれば、耳鼻咽喉科で診察と聴力検査を受けましょう。

突発性難聴と診断された方へ

突発性難聴と診断された方へ

まだ耳鼻咽喉科を受診していない方は、まず診察と聴力検査を受けてください。

広島市中区のなかいし鍼灸院では、病院で突発性難聴と診断され、治療を受けても聞こえにくさや耳鳴り、耳の詰まり感が残る方から相談を受けています。

特に発症から3ヶ月以内の方は、現在の症状や聴力検査の結果、病院での治療経過を伺ったうえでご案内します。

参考文献

1.日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「耳の病気:突発性難聴」

URL:https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=20

2.厚生労働省 e-ヘルスネット「突発性難聴について」

URL:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/sensory-organ/s-001

3.Chandrasekhar SS, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss (Update). Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2019.

URL:https://doi.org/10.1177/0194599819859885

4.National Institute on Deafness and Other Communication Disorders. Sudden Sensorineural Hearing Loss.

URL:https://www.nidcd.nih.gov/health/sudden-deafness

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

耳鳴り・突発性難聴について詳しくはこちら

この記事に関する関連記事

なかいし鍼灸院