突発性難聴が治らない場合の補聴器|検討する時期と改善の可能性

突発性難聴が治らない場合の補聴器|検討する時期と改善の可能性

突発性難聴の治療を受けているものの、思うように聞こえが改善しない。

「このまま治らなかったら、補聴器が必要になるのだろうか」

「補聴器を勧められたら、もう改善する可能性はないのだろうか」

このような不安を感じている方もいると思います。

結論からお伝えすると、突発性難聴になった方全員が補聴器を必要とするわけではありません。

補聴器が必要かどうかは、難聴の程度や言葉の聞き取りやすさ、反対側の耳の聴力、日常生活や仕事への影響などをもとに判断されます。

また、補聴器を検討することと、聴力の改善を目指すことは両立できます。

補聴器は低下した聞こえを補う医療機器であり、装用したからといって、その後の改善可能性がなくなるわけではありません。

この記事では、突発性難聴で補聴器を検討する判断基準、治療後に聴力が変化する可能性、当院へ相談する際の考え方について解説します。

1.突発性難聴後も全員に補聴器が必要とは限らない

1.突発性難聴後も全員に補聴器が必要とは限らない

突発性難聴の治療後に聞こえにくさが残っても、すべての方が補聴器を必要とするわけではありません。

補聴器を検討するかどうかは、聴力検査の数値だけでなく、実際にどのような場面で困っているかを含めて判断します。

例えば、次のような状態が続いている場合です。

  • 会話の聞き返しが増えた
  • 電話で相手の声を聞き取りにくい
  • 会議や商談で聞き漏らすことがある
  • 騒がしい場所で会話が分かりにくい
  • 音がする方向を判断しにくい
  • 聞こえにくさによって仕事や生活に負担を感じる

一方、片耳の聴力が低下していても、反対側の耳で日常会話を聞き取ることができ、生活上の支障が小さければ、補聴器を使用しない方もいます。

年齢だけで補聴器の必要性が決まるわけでもありません。

40代や50代であっても、仕事や生活への支障が大きければ、聞こえを補う手段として検討する価値があります。

2.補聴器を検討する判断基準

2.補聴器を検討する判断基準

補聴器が適しているかどうかは、主に次の点を踏まえて判断されます。

  • 難聴の程度と左右差
  • 言葉を聞き取る力
  • 反対側の耳の聴力
  • 聞こえにくさを感じる場面
  • 仕事や日常生活への影響
  • 今後の聴力変化の見込み

突発性難聴は片耳に発症することが多く、聞こえ方によって適した補聴方法が異なります。

低下した耳に通常の補聴器を装用する方法が適している方もいれば、片耳の聞こえが大きく低下している場合には、聞こえにくい側の音を反対側の耳へ届けるCROS補聴器などが検討されることもあります。

どの方法が適しているかは、聴力検査だけでは判断できません。

言葉の聞き取りや実際の生活環境も確認したうえで、耳鼻咽喉科や補聴器相談医、言語聴覚士などに相談することが大切です。

補聴器を検討する時期についても、「発症から何ヶ月経過したら使用する」という一律の基準があるわけではありません。

急性期には突発性難聴の治療が優先されますが、生活や仕事への支障が大きければ、治療や経過観察と並行して補聴器について相談することもできます。

補聴器の相談を始めることは、治療を諦めることではありません。

実際に試聴し、聞こえ方を確認してから装用するかどうかを判断することもできます。

3.治療後にも聴力が変化する可能性

3.治療後にも聴力が変化する可能性

突発性難聴は、一般的に発症から治療開始までの期間が予後に関係すると考えられています。

病院で行われる治療には適切な時期があり、2019年に公表された米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会の診療ガイドラインでは、初期治療としてのステロイドは発症2週間以内、鼓室内ステロイドによる救済治療は発症2~6週間での検討が示されています。

そのため、発症から間もない場合や追加治療を受けていない場合は、まず耳鼻咽喉科で現在の聴力と治療歴を確認することが重要です。

一方、標準治療が終了した時点で改善が乏しくても、その後に聴力が変化する方がいることも報告されています。

ただし、治療終了後にどの程度改善するか、いつまで変化する可能性があるかを個別に予測することは困難です。

時間の経過とともに改善しにくくなる傾向もあるため、定期的に聴力検査を受け、変化を客観的に確認する必要があります。

補聴器を勧められたことだけで、「もう改善しない」と決まったわけではありません。

その一方で、改善を待つ間も聞こえによる負担が続く場合には、補聴器などを活用して生活のしやすさを確保することも大切です。

4.当院における鍼治療の考え方

4.当院における鍼治療の考え方

突発性難聴に対する鍼治療は、病院で行われる標準治療に代わるものではなく、その効果がすべての方に認められるものでもありません。

当院では、耳鼻咽喉科で必要な検査や治療を受けたうえで、聞こえにくさや耳鳴り、耳の詰まりなどの症状が残っている方から相談を受けています。

当院の臨床では、発症から3ヶ月以内に来院し、病院での治療終了後も聞こえ方に変化がみられた症例を経験しています。

そのなかには、補聴器が必要になるのではないかと不安を感じていたものの、その後、聞こえによる日常生活への支障が軽減し、補聴器を使用せずに生活できるようになった方もいます。

ただし、これは当院で経験した個別の経過であり、鍼治療だけによって改善したと断定できるものではありません。

自然経過や病院で受けた治療などの影響も考えられ、すべての方が同じように改善するわけではありません。

鍼治療を検討する場合も、耳鼻咽喉科での診察や聴力検査を継続しながら、聴力と自覚症状の両方を確認していくことが大切です。

5.まとめ

突発性難聴の治療後に聞こえにくさが残っても、すべての方が補聴器を必要とするわけではありません。

補聴器が適しているかどうかは、難聴の程度、言葉の聞き取りやすさ、反対側の耳の聴力、仕事や日常生活への影響などをもとに判断されます。

また、補聴器を検討することと、改善を目指すことは両立できます。

補聴器は聞こえを補うための医療機器であり、装用することが治療の終了を意味するわけではありません。

標準治療終了後に聴力が変化する方もいますが、改善の程度や時期を個別に予測することは困難です。

まずは耳鼻咽喉科で現在の聴力や追加治療の適応を確認し、必要に応じて補聴器などの聴覚支援について相談しましょう。

そのうえで、発症から3ヶ月以内で聞こえにくさや耳鳴りなどが残り、ほかに取り組めることがないか知りたい場合は、鍼治療も選択肢の1つとして検討できます。

発症から3ヶ月以内で改善を目指したい方へ

発症から3ヶ月以内で改善を目指したい方へ

補聴器を検討することは、聞こえの改善を諦めることではありません。

当院では、発症から3ヶ月以内で、病院の治療後も聞こえにくさや耳鳴り、耳の詰まりなどが残っている方からの相談を受け付けています。

現在の症状やこれまでの治療経過を確認したうえで、当院で対応できる可能性があるかをご説明します。

「補聴器を勧められたが、今後の選択肢についても相談したい」

「病院の治療後も症状が残っている」

「鍼治療の対象になる状態なのか知りたい」

このような方は、一度当院へご相談ください。

 

参考文献

1.日本聴覚医学会 編.急性感音難聴診療の手引き 2018年版.金原出版.2018.

2.Chandrasekhar SS, Tsai Do BS, Schwartz SR, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss(Update). Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2019;161(1_suppl):S1-S45. doi:10.1177/0194599819859885.

3.Choi HS, et al. Delayed Recovery in Idiopathic Sudden Sensorineural Hearing Loss. Journal of Clinical Medicine. 2022;11(2):378. doi:10.3390/jcm11020378.

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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