突発性難聴で飛行機に乗っても大丈夫?旅行・新幹線・気圧の影響を解説

突発性難聴で飛行機に乗っても大丈夫?旅行・新幹線・気圧の影響を解説

突発性難聴と診断された後に飛行機や旅行の予定があると、「乗っても大丈夫なのか」「気圧で聞こえが悪くならないか」と心配になるでしょう。

突発性難聴だからという理由だけで、すべての人が飛行機に乗れないわけではありません。

一方、発症直後は耳鼻咽喉科での診断と治療を優先したい時期です。

搭乗できるかどうかを「発症から何日」と一律に決めることはできません。

現在の聞こえ方、めまいの有無、耳の状態、治療予定を主治医に伝えて判断してください。

この記事では、突発性難聴で飛行機に乗っても大丈夫なのか、旅行・新幹線・気圧の影響を解説しています。

1.突発性難聴でも飛行機に乗れる場合はある

1.突発性難聴でも飛行機に乗れる場合はある

突発性難聴と診断されたことだけを理由に、飛行機への搭乗が一律に禁止されるわけではありません。

これから検査を受ける方や治療を始めたばかりの方は、旅行のために受診や治療を遅らせないことが大切です。

突発性難聴の診療ガイドラインでは、発症後できるだけ早く評価することが重視されています。

聴力検査は発症から14日以内に行い、初期治療としてのステロイドは発症から2週間以内に検討できるとされています。

これは「2週間なら受診を待ってよい」という意味ではありません。

急に聞こえが悪くなった場合は、速やかに耳鼻咽喉科を受診してください。

受診先に迷う場合は、【突発性難聴は何科・どの病院へ行く?受診のタイミングと病院の選び方】、検査内容を知りたい場合は【突発性難聴ではどんな検査をする?検査方法と診断までの流れを解説】もご覧ください。

2.飛行機の気圧変化は耳にどう影響するのか

2.飛行機の気圧変化は耳にどう影響するのか

2-1.飛行機で起こりやすいのは耳の圧迫感や耳痛

飛行機の上昇・下降時には、客室内の気圧が変わります。

鼓膜の奥にある「中耳」の圧力は、鼻の奥につながる「耳管」という通り道を介して調整されます。

圧力をうまく調整できないと、耳が詰まった感じや耳痛が起こります。

強い場合には、耳の気圧外傷を起こすこともあります。

風邪や鼻づまりがあると、耳管が働きにくくなります。

2-2.気圧変化で突発性難聴が必ず悪化するとはいえない

突発性難聴は、主に内耳に関わる感音難聴です。

一方、飛行機でよく経験する耳の詰まりや痛みは、主に中耳の圧力調整に関わります。

この2つを同じものとして扱うことはできません。

搭乗中に耳が詰まったとしても、それだけで突発性難聴そのものが悪化したとは判断できません。

搭乗後に聞こえが明らかに悪くなった、強い耳痛やめまいが生じた場合は、気圧による症状だと決めつけず、耳鼻咽喉科で確認してください。

3.発症直後・治療中に飛行機へ乗る前に確認したいこと

3.発症直後・治療中に飛行機へ乗る前に確認したいこと

3-1.まだ耳鼻咽喉科を受診していない

急に聞こえが悪くなった原因は、症状だけでは判断できません。

旅行前に耳鼻咽喉科を受診し、耳の診察と聴力検査を受けてください。

【突発性難聴の聴力検査|グラフの見方と検査結果からわかること】については別の記事で説明しています。

3-2.治療の途中である

薬の服用や通院の予定がある場合は、移動によって治療が途切れないか確認しましょう。

搭乗日、滞在期間、現地での受診のしやすさも主治医に伝えると、予定を相談しやすくなります。

治療の選択肢については、【突発性難聴の治療|ステロイド・高気圧酸素療法・鍼治療を解説】、【突発性難聴のステロイド治療|効果や副作用を解説】、【突発性難聴の鼓室内ステロイド|効果や副作用を解説】で詳しく説明しています。

3-3.聞こえの変動や強いめまいがある

聞こえ方が変動している、めまいが強く移動に支障があるといった場合は、自己判断で出発せず主治医に相談してください。

めまいの経過については【突発性難聴のめまいが治らない…いつまで続く?改善の可能性と対処法】も参考にしてください。

3-4.鼻風邪・鼻づまり・耳の処置後である

鼻風邪や鼻づまりがあると、飛行機で耳の圧力を調整しにくくなる場合があります。

耳の処置を受けた後も、処置の内容によって注意点が異なります。

該当する方は、搭乗前に診察を受けた医師へ確認してください。

4.飛行機に乗る場合の注意点

4.飛行機に乗る場合の注意点

4-1.離着陸時は飲み込む・あくびをする

離着陸時に耳が詰まる場合は、水を少しずつ飲む、唾を飲み込む、あくびをするなどの方法が、中耳の圧力調整に役立つことがあります。

耳が抜けないからといって、強く何度も耳抜きをすることは避けましょう。

4-2.気圧調整用耳栓は補助的な選択肢

気圧調整用の耳栓を使う方もいます。

耳栓で突発性難聴の悪化を防げるとはいえません。

また、気圧調整用耳栓による耳の気圧外傷の予防効果も、十分に確認されていません。

耳栓を使う場合も、搭乗可否についての医師の判断や、離着陸時の圧力調整に代わるものとは考えないでください。

4-3.体調が悪いときは無理をしない

長時間の移動や予定の詰まった旅行は、体調を崩す原因になります。

治療中は睡眠や休息を確保し、つらい症状がある場合は予定の変更も含めて検討しましょう。

これは突発性難聴への特別な治療ではなく、治療を受けながら移動する際の体調管理です。

5.新幹線に乗る場合

5.新幹線に乗る場合

突発性難聴だからという理由だけで、新幹線に乗れないわけではありません。

トンネルを通るときなどに耳の違和感を覚える場合はあります。

耳の違和感だけで突発性難聴が悪化したとは判断できません。

聞こえ方が明らかに変わった場合は、耳鼻咽喉科に相談してください。

新幹線に変更すれば必ず安心、という判断もできません。

発症直後で未受診の場合や治療中の場合は、移動手段にかかわらず、受診・治療予定を優先して主治医に相談してください。

6.突発性難聴の治療中に旅行する場合

6.突発性難聴の治療中に旅行する場合

旅行そのものの可否よりも、診断や治療の開始が遅れないか、予定している治療を続けられるかが重要です。

特に発症直後は、予約済みの旅行であっても、まず耳鼻咽喉科で病状を確認してください。

海外旅行では、滞在先で症状が変わった際に受診できるかも判断材料になります。

当院では、発症直後の方には旅行や鍼治療の予定よりも、耳鼻咽喉科での診断・治療を優先していただく方針です。

仕事の予定をどう調整するか迷う方は、【突発性難聴で仕事は休むべき?休めない場合の対処法】もご覧ください。

7.低気圧や台風で症状が変わる場合

7.低気圧や台風で症状が変わる場合

低気圧や台風の日に、耳鳴りや耳の詰まり、聞こえ方の変化を感じる方もいるでしょう。

その日の症状の感じ方が変わることと、低気圧によって突発性難聴そのものが悪化したことは同じではありません。

天候だけを原因と決めつけず、聞こえが明らかに低下した場合や新しい症状が出た場合は耳鼻咽喉科に相談してください。

なお、治療法として行われる【突発性難聴の高気圧酸素療法|効果や回数・始める時期を解説】は、天候や飛行機の気圧変化とは別の話題です。

治療の適応や時期は、担当医と確認してください。

9.まとめ

突発性難聴だからという理由だけで、飛行機や新幹線への乗車が一律に禁止されるわけではありません。

飛行機で感じる耳の詰まりや耳痛は、主に中耳の圧力調整に関係する症状であり、それだけで突発性難聴が悪化したとは判断できません。

一方、発症直後や治療中は、旅行の予定よりも耳鼻咽喉科での診断と治療を優先することが大切です。

飛行機に乗れる時期を「発症から何日」と一律に決めることはできないため、現在の聴力、めまいの有無、治療予定などを主治医に伝えて確認してください。

搭乗後や旅行中に聞こえ方が明らかに悪くなった場合や、強い耳痛・めまいなどが現れた場合は、気圧の影響だけと決めつけず耳鼻咽喉科へ相談しましょう。

低気圧や台風による症状の変化についても、天候だけを原因と考えず、聴力の変化を必要に応じて確認することが重要です。

突発性難聴でお悩みの方へ

突発性難聴でお悩みの方へ

耳鼻咽喉科で突発性難聴の診断・治療を受けても、聞こえにくさ、耳鳴り、耳の詰まり感などが残ることがあります。

なかいし鍼灸院では、病院での診断・治療を受けたうえで、鍼治療も選択肢として検討したい方からご相談を受けています。

特に発症から3ヶ月以内の方は、現在の聴力検査の結果、これまでに受けた治療、残っている症状を確認したうえでご案内します。

旅行や飛行機の予定がある場合も、まず耳鼻咽喉科での診断・治療を優先し、主治医の指示に従ってください。

病院での治療や経過観察を継続しながらご相談いただけます。

参考文献

1.Chandrasekhar SS, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss (Update). Otolaryngol Head Neck Surg. 2019;161(1_suppl):S1–S45. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31369359/

2.Centers for Disease Control and Prevention. CDC Yellow Book: Air Travel. https://www.cdc.gov/yellow-book/hcp/travel-air-sea/air-travel.html

3.MSD Manual Consumer Version. Barotrauma of the Ear. https://www.msdmanuals.com/home/ear-nose-and-throat-disorders/middle-ear-disorders/barotrauma-of-the-ear

4.Klokker M, et al. Pressure-equalizing earplugs do not prevent barotrauma on descent from 8000 ft cabin altitude. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16313146/

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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