腰痛は危険な病気のサイン!?内臓症状の特徴から痛む場所まで完全網羅

「生まれて初めて腰痛になった」「今までの腰痛とは痛みが違う」「腰痛になった原因に心当たりがない」など初めて経験する腰痛は、「もしかして内臓が原因で症状が出ているのかも…」と不安に思いますよね。

ほとんど腰痛が筋肉や関節周りの腰自体に痛みの原因がありますが、中には命に関わる病気が隠れていることもまれにあります。

たかが腰痛だと思って放置していると、危険な病気のサインを見逃してしまいます。

このブログでは、内臓が原因で出る症状の特徴や痛みが出る場所などを詳しく解説していきます。

今のあなたの症状と比べて、参考にしてみてください。

1.整形外科系の腰痛と内臓の病気による腰痛の違い

整形外科系の腰痛と内臓の病気による腰痛の違い

普通の腰痛は、姿勢や動きによって痛みに変化が出ますが、内臓の病気による腰痛は、安静にしていても痛みに変化がなく、持続的に痛みます。次第に痛みが増すこともあります。

また、食事や排尿、生理などによって、痛みが強くなる場合は、内臓の病気を疑いましょう。

2.腰痛の原因による分類

まずは、腰痛全体として内臓が原因で起こる腰痛がどれくらいの割合を占めているのでしょうか。

腰痛の原因による分類は、簡単に非特異的腰痛と特異的腰痛の2つにわかれます。

2-1.非特異的腰痛とは

腰痛全体の85%以上を占めます。

病院で原因を特定することが難しい(レントゲンやMRIなどの画像診断で異常が見つからない)腰痛ではありますが、姿勢の悪さや運動不足による腰の筋肉の血行不良や肥満や加齢による疲労の蓄積などが原因となります。

また、精神的なストレスなど心理的な要因も非特異的腰痛に分類されます。

2-2.特異的腰痛とは

腰痛全体の15%以下を占めます。

特異的腰痛は、腰痛の原因を特定できる腰痛です。

代表的なものとして、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症がこれにあたります。

そして、内臓の病気も特異的腰痛に分類されます。

内臓の病気による腰痛は、腰痛全体の15%以下(特異的腰痛)に分類され、その特異的腰痛の中にはヘルニアなどその他の病気も含まれるため、腰痛全体の数%にすぎないということです。

確率としては低いことがわかったかと思います。

3.内臓が原因で出る症状の特徴と痛む場所

内臓とは、体の中にある臓器であり、消化器系をはじめ婦人科系の病気でも腰痛を感じることがあります。

特に、背骨に近い臓器(十二指腸、膵臓、腎臓など)ほど、背中~腰にかけて痛みを出す場合が多いです。

3-1.内臓の病気①消化器系が原因の腰痛

3-1-1.胃潰瘍

胃潰瘍

みぞおちから左わき腹、背中にかけて痛みが出る。

食事後に痛みが出ることが多い。

3-1-2.十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍

みぞおちから右わき腹、背中にかけて痛みが出る。(胃潰瘍とは逆)

食前や空腹時に痛みが出ることが多く、食事によって痛みが治まる。(胃潰瘍とは逆)

胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、痛みの場所や食事による症状の出方が逆になります。

元々は、みぞおちの痛みから感じることが多く、潰瘍が悪化することで、背中の方まで痛みが広がる特徴がありますので、背中が単独で痛いということはあまりありません。

3-1-3.胆のう炎、胆石症

胆のう炎、胆石症

みぞおち、お腹の右上方や背中、右肩にかけて痛みが出る。

脂肪分の多い食事を摂った後に症状が出ることが多い。

3-1-4.急性膵炎

急性膵炎

みぞおち、お腹の左上方、左背中にかけて痛みが出る。

多量のアルコールを摂取した後や脂っぽい食事をした後に症状が出ることが多い。

3-2.内臓の病気②泌尿器系が原因の腰痛

3-2-1.尿路結石

尿路結石

一般的な腰痛とは比べものにならないくらいの激痛になる。

片側だけ痛いことが多い。

腰だけでなく、背中、わき腹、お腹の下方まで広がる痛みになることもある。

安静にしていても痛い。

3-2-2.腎盂腎炎

腎盂腎炎

背中、わき腹、腰の鈍痛が出る。

特に腰や腎臓周りに痛みが出ることが多い。

発熱、吐き気、全身の倦怠感も症状の特徴。

3-3.内臓の病気③血管系が原因の腰痛

3-3-1.腹部大動脈瘤

腹部大動脈瘤

背中から腰にかけて鈍痛が出る。

瘤が大きくなると、持続的な腰痛や腹痛が現れ、破裂すると突然引き裂かれるような激痛が出る。

3-4.内臓の病気④婦人科系が原因の腰痛

3-4-1.子宮筋腫

子宮筋腫

下腹部の痛みがメインで場合によっては、腰痛も出ることがある。

鈍痛や鋭い痛みなど痛みの種類が違うことが多い。

3-4-2.卵巣嚢腫

卵巣嚢腫

下腹部の痛み、下腹部が腫れた感じになる膨満感、圧迫感などがメインで腰痛も出ることがある。

3-4-3.月経困難症

月経困難症

生理痛のことである。

生理時に下腹部の痛みや腰痛がひどく、頭痛や吐き気などが出ることもある。

婦人科系の病気は、下腹部の痛みがベースとなり、腰にも痛みが出ることが多いので、腰痛だけ単独で起こることは比較的少ないです。

4.お腹に痛みが出る内臓の病気と痛む場所

4-1.みぞおち(胃・十二指腸の病気)

みぞおち(胃・十二指腸の病気)
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 胃炎
  • 胃がん
  • 急性膵炎
  • 胆のう炎
  • 胆石症

4-2.右上の腹部(肝臓、胆のうの病気)

右上の腹部(肝臓、胆のうの病気)
  • 肝臓がん
  • 肝硬変
  • 胆のう炎
  • 胆石症
  • 胆のうがん

4-3.左上の腹部(膵臓の病気)

左上の腹部(膵臓の病気)
  • 膵炎
  • 膵がん

4-4.中央(へそ)の腹部

中央(へそ)の腹部
  • 腹部大動脈瘤

4-5.横腹(腎臓の病気)

横腹(腎臓の病気)
  • 腎盂炎
  • 腎結石
  • 腎がん
  • 水腎症

4-6.下腹部(膀胱、婦人科系の病気)

下腹部(膀胱、婦人科系の病気)
  • 膀胱炎
  • 子宮がん
  • 子宮筋腫
  • 月経困難症
  • 慢性前立腺炎

5.まとめ

いかがでしたか?

整形外科系の腰痛と内臓の病気による腰痛には、大きな違いがありました。

  • 動作によって痛みに変化があるか?
  • 腰痛以外の症状が出ていないか?
  • 内臓の病気による腰痛は、全体の腰痛の数%にすぎない。

ほとんどの腰痛が整形外科系の腰痛なのです。

持続的に腰が痛み、安静にしていても楽にならない腰痛なら、早めに検査を受けた方がいいかもしれません。

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