【症例】ぎっくり腰の痛みが1ヵ月続く症状 40代女性

主訴

  • 健康診断で胃カメラ(鼻から)をして喉がイガイガし、そこからしばらく咳き込むようになった。その後咳が続き、徐々にぎっくり腰のような痛みになった。
  • 痛いときは運転中など腰痛ベルトを使用している。シップは常用。
  • その後、花粉シーズン到来でくしゃみがひどくなり、痛みも続く。
  • 週2回整骨院で施術すると、楽になる。
  • 朝起きて、体がほぐれていない状態でくしゃみをすると、激痛。
  • 腰の痛みが楽なときは、足のしびれが気になったり、日によって症状の出方が違う。
  • 自分でもストレッチやテニスボールを当てて寝転んだりすると、楽になるが、翌日は痛くなることが多く、逆戻りのよう。
  • 仕事は、事務員で1日座り仕事であり、運動不足の自覚あり。
  • とにかく、右腰殿部の痛みとしびれを取りたいということで、ネットでいろいろ調べて、「MPSではないか?」と当院に来院。

症状

・主な痛みは、右腰と右殿部で、そこからしびれが少しある。

・腰を後ろに反らす動作、ラジオ体操のように体を回すことができない。

・重い物が持てない。(会社で段ボールが持ち上がらない)

・左足をかかえると、右腰と背中が痛い。(右足をかかえるより、左足をかかえた方が痛みが強い)

・整骨院で施術してもらうと、太ももや膝周りも痛い。全体的に体が硬い感じ。

・幼少期から足首も硬く、体操座りで腰を浮かすのに、両足をつけてできない。

・股関節もポキポキ鳴り、旅行などで疲れるとカクンとなることがある。

・右股関節の方が鳴りやすく、2年前にすごく痛くなり水が溜まっていたことがある。

・運動検査で腰を後ろに反らすと右PSISに痛み、左に腰を反らすと右腰につっぱり感あり。

トリガーポイント鍼療法

多裂筋トリガーポイント

仙骨部の多裂筋のMPSと判断し、トリガーポイント鍼治療を行いました。

なかなか痛みがとれない症状は、体の奥にある筋肉に問題がある場合がほとんどです。

特に今回のような症状は、腰の深いところにある多裂筋トリガーポイントが原因でした。

くしゃみや咳の振動で痛みが出るときは、この多裂筋トリガーポイントを治療すると、有効なことが多いです。

【治療部位】

多裂筋、大殿筋、中殿筋

1回目:初めての鍼治療だが、特に抵抗なく受けられた。次回、1週間後に来院するよう予約を取っていただいた。

2回目:前回鍼治療後、次の日に痛みが強くなったが、その後痛みが徐々に減っていき、今では、ほとんど痛みを感じない。咳やくしゃみをしても腰に響かない。前かがみになると少し気になる程度まで改善。今日は、首~肩までがよく凝っており、そちらを治療してほしい。治療後、肩を治療したのに、腰がすっとして良かったとのこと。

一旦、治療を終了し、様子見としました。

まとめ

通常、このような症状は、5回程度治療が必要ですが、今回は1回で劇的な効果が出ました。

腰に痛みがあったので、腰を中心に診ていきましたが、2回目の治療で肩の治療をしたときに、腰もすっと楽になったと言われていたので、腰の筋肉の緊張が肩にも影響を与えていたと推測されます。

また、逆に肩の緊張が腰の痛みを治りにくくしていたとも考えられます。

両方治療できたことが完治につながったと思います。

今回治療した腰の多裂筋は、腰だけでなく首までつながっている筋肉なので、日常生活で同じ姿勢でいることが多い方は、腰や首、肩などが悪くなる傾向があります。

特に運動不足の方は、なおさらです。

デスクワークの人は、15分に1回は、背伸びをしたり、体を動かしてみてください。

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