突発性難聴で休職は必要?休む期間・仕事を続ける判断基準を解説

突発性難聴で休職は必要?休む期間・仕事を続ける判断基準を解説

突発性難聴と診断され、「仕事を休まないと治らないのだろうか」「何週間も休職が必要なら、会社にどう伝えよう」と悩んでいませんか。

聞こえにくさがあっても働ける人がいる一方、めまいや仕事内容によっては、普段どおりの勤務が難しい人もいます。

休職が必要かどうかは、病名だけでは決まりません。

この記事では、症状と仕事内容に応じた判断、休む期間の考え方、勤務調整、診断書や傷病手当金、仕事へ戻る際の確認事項まで順に説明します。

1.突発性難聴だからといって一律に休職する必要はない

1.突発性難聴だからといって一律に休職する必要はない

突発性難聴と診断されても、全員が休職する必要はありません。

聞こえ方やめまいの有無、担当する業務、通院や治療の予定によって、働ける状態は異なります。

「休めば聴力が回復する」「仕事を続けると必ず悪化する」とは言えません。

休みは、症状のために勤務が難しいときや、必要な治療を受ける時間を確保するときに検討するものです。

仕事を続けられる場合でも、受診を後回しにしてよいわけではありません。

突発性難聴は早期の診断と治療が重要なため、急な聞こえの変化に気づいたら、まず耳鼻咽喉科を受診してください。

病院で行う治療については、以下の関連記事で詳しく説明しています。

【関連記事:突発性難聴の治療|ステロイド・高気圧酸素療法・鍼治療を解説】

また、仕事上の悩み全般については、以下の関連記事も参考にしてください。

【関連記事:突発性難聴で仕事は休むべき?休めない場合の対処法】

2.休職や仕事を休むことを検討するケース

2.休職や仕事を休むことを検討するケース

休みを考える際は、最初に症状がある状態で仕事を続けられるかを確認します。

強いめまいやふらつきがあれば、移動や作業そのものが難しくなることがあります。

聞き取りにくさによって意思疎通が成立しない、耳鳴りなどで作業を続けられない場合も、通常勤務を続けられるか検討が必要です。

次に、仕事内容を確認します。

同じ程度の難聴でも、電話での聞き取りが業務の中心なのか、周囲と会話する機会が比較的少ないのかで支障は変わります。

運転や機械の操作など、安全に関わる仕事では、聞こえにくさやめまいが業務に影響しないか、特に慎重な判断が必要です。

入院する場合や、通院で点滴治療を受ける場合には、治療予定と勤務時間を両立できるかも確認します。

通常勤務が難しくても、数日の休みや業務変更で対応できることがあります。

症状、治療予定、職場で調整できる範囲を整理して、主治医と勤務先に相談しましょう。

入院の判断や期間については、以下の関連記事で詳しく説明しています。

【関連記事:突発性難聴の入院レベルは?基準、期間、費用、治療内容を解説】

当院に来院された方では、長期間の休職中という方は稀です。

一方、会話が中心の仕事、とくに電話オペレーターのように音声だけで正確に応対する仕事は、聞き取りにくさによる支障が大きいと感じます。

これは当院での臨床上の印象であり、すべての方に当てはまる基準ではありません。

3.症状と仕事内容で仕事への影響は変わる

3.症状と仕事内容で仕事への影響は変わる

3-1.軽度の難聴でめまいがない場合

めまいがなく、仕事に必要な会話もできる場合は、通院しながら働けることがあります。

当院でも、軽度の難聴でめまいのない方は、ほぼ仕事を続けながら治療を受けている印象です。

「軽度」という検査上の程度だけで支障を判断することはできません。

静かな場所では聞き取れても、会議や複数人の会話では聞き返しが増える場合があります。

働きながら治療する場合も、受診・通院の時間を確保できるか確認してください。

3-2.会話や電話が中心の仕事

接客、会議、電話応対では、相手の言葉を聞き違えないことが仕事の一部です。

片耳の難聴でも、周囲が騒がしい場所や、聞こえにくい側から話しかけられる場面では困ることがあります。

電話では相手の表情や口の動きも手がかりにできないため、負担が大きくなる場合があります。

聞き返しや確認が必要になったときは、可能であれば電話業務を一時的に減らす、対面で確認できる業務へ変更するなど、仕事内容から調整を考えます。

「片耳だから仕事に問題はない」と決めつける必要はありません。

3-3.めまいやふらつきがある場合

めまいがあると、聞こえの問題に加えて、通勤、立ち仕事、画面を見る作業などがつらくなる場合があります。

歩行や移動が安定しない状態では、勤務を続けられるかだけでなく、安全に通勤できるかも考える必要があります。

症状が強い間は休みを取り、経過に応じて仕事を再開する方法もあります。

めまいが続く、強くなるなどの場合は、自己判断で仕事を再開する前に主治医へ伝えてください。

3-4.運転・機械操作・高所作業などがある場合

車の運転、機械操作、高所作業などでは、周囲の音への気づきや体の安定が安全に関わります。

難聴やめまいがこれらの業務にどう影響するかは、作業内容と職場環境によって異なります。

症状があることを主治医に伝える際は、「運転がある」「機械の警告音を聞き取る必要がある」など、具体的な業務まで説明しましょう。

勤務先とも、作業の変更や一時的な休みが必要か確認してください。

3-5.騒音のある職場

工場や飲食店など周囲の音が大きい場所では、片耳の聞こえが変わるだけでも、会話や音の方向を把握しにくくなることがあります。

静かな診察室での聞こえ方と、実際の職場での困り方が違う場合は、その場面を主治医に伝えることが大切です。

仕事への影響は、聴力検査の数値だけでなく、職場で何が聞き取れず、どの業務に支障が出ているかで整理すると相談しやすくなります。

4.突発性難聴で休む期間の考え方

4.突発性難聴で休む期間の考え方

突発性難聴に「必ず何日休む」という一律の期間はありません。

数日休んで通院しながら復帰する人もいれば、1~2週間ほど休みを取る人、勤務時間を調整する人、入院中は仕事を離れる人もいます。

症状や治療の経過によっては、より長く休むことを検討する場合もあります。

期間を考えるときは、めまいなどで勤務できない状態がいつまで続くか、治療や通院にどのくらい時間が必要か、仕事内容を変更できるかを確認します。

まず短い休みを取り、再診時に勤務の見通しを相談する方法もあります。

当院では、制度上の「休職」をしている方は稀で、休む方も2週間までの「休み」を取っているという印象です。

これは当院の来院状況であり、標準的な休職期間を示すものではありません。

「2週間休めば治る」という意味でもありません。

有給休暇などを使った短期の休みと、会社の休職制度を利用する場合では手続きが異なります。

治療の経過については、以下の関連記事も参考にしながら、主治医と勤務先に期間の見直し時期を確認しましょう。

【関連記事:突発性難聴が治るまでの期間|いつまで改善する可能性があるのか】

5.休職ではなく勤務調整で対応できる場合もある

5.休職ではなく勤務調整で対応できる場合もある

通常どおり働くことが難しくても、すぐに長期の休職が必要とは限りません。

通院時間を確保する、勤務時間を短くする、残業を避ける、電話や接客の担当を一時的に変えるといった調整で、治療と仕事を両立できる場合があります。

たとえば、電話での聞き取りが難しい人には別の業務を担当できるか、周囲の音で会話が聞き取りにくい人には比較的静かな場所で働けるかを相談します。

仕事内容によっては在宅勤務も選択肢ですが、実施できるかどうかは勤務先の制度や業務によります。

厚生労働省の両立支援指針も、本人の症状と業務内容について情報を共有し、勤務上の措置を検討する考え方を示しています。

希望する調整を会社が必ず実施できるわけではないため、上司や人事担当者、産業医・産業保健スタッフがいる職場ではその担当者にも相談してください。

6.休職するときは診断書と会社の制度を確認する

6.休職するときは診断書と会社の制度を確認する

仕事を休むことになったら、まず就業規則や勤務先の案内で、有給休暇、病気休暇、休職制度の扱いを確認しましょう。

何日から休職として扱うか、連絡先や提出書類は何かなどは、会社によって異なります。

会社から診断書や主治医の意見書を求められる場合がありますが、すべての会社で必ず診断書が必要とは限りません。

書類が必要な場合は、会社が確認したい事項を把握してから主治医に相談すると、勤務上の支障を伝えやすくなります。

受診時には「聞こえにくい」だけでなく、「電話の相手の声を聞き取れない」「立ち仕事中にふらつく」「業務で運転する」など、実際に困っている仕事を具体的に伝えてください。

そのうえで必要な書類、休む期間の目安、再評価の時期を確認し、勤務先の手続きに沿って提出します。

診断書の詳しい内容は、以下の関連記事で説明しています。

【関連記事:突発性難聴の診断書はもらえる?休職・会社提出・書いてもらえない場合を解説】

7.休職が長引く場合は傷病手当金を確認する

7.休職が長引く場合は傷病手当金を確認する

仕事を休む期間が長くなり、収入が減ることが心配な場合は、加入している健康保険の傷病手当金を確認しましょう。

これは、被保険者が業務外の病気やけがの療養のため仕事に就けず、十分な給与を受けられない場合などに支給される制度です。

主な要件には、仕事に就けない状態であること、連続する3日間の待期を経て4日目以降も休んでいることなどがあります。

仕事に就けるかどうかは、病名だけでなく、医師の意見や実際の業務内容などを考慮して判断されます。

「突発性難聴と診断されたから自動的に支給される」という制度ではありません。

対象になるか気になる方は、勤務先と加入先の健康保険に確認してください。

8.休職中は「休むこと」より治療を優先する

8.休職中は「休むこと」より治療を優先する

休みを取れたとしても、休職そのものが突発性難聴の治療になるわけではありません。

発症間もない時期は耳鼻咽喉科での診察と治療を優先し、指定された通院や聴力検査を続けましょう。

聞こえ方に変化があった場合や、めまいなどの症状がつらい場合も主治医に伝えてください。

休職中にどう過ごすかは、症状や治療内容に応じた主治医の指示を基本にします。

「寝ていれば治る」と考えて受診を遅らせたり、少し楽になったからと自己判断で治療を中断したりしないことが大切です。

日常生活で気になることは、以下の関連記事も参考にしてください。

【関連記事:突発性難聴でやってはいけないこと|治療中の生活と注意点】

9.仕事へ戻る時期も症状と仕事内容で判断する

9.仕事へ戻る時期も症状と仕事内容で判断する

聴力が完全に戻るまで、必ず休み続けなければならないわけではありません。

治療を続けながら仕事へ戻れるかは、残っている症状と、実際に担当する業務によって考えます。

たとえば、日常会話はできても電話応対が難しい場合は、その業務だけを一時的に調整する方法があります。

一方、めまいが残っていて安全に移動・作業できない場合や、意思疎通に大きな支障がある場合には、復帰の時期や担当業務を慎重に検討する必要があります。

聴力の数値だけで一律に復職の可否を決めることはできません。

主治医には、現在の症状と復帰後の仕事内容を伝えてください。

その意見を踏まえ、本人と勤務先、必要に応じて産業医などで勤務方法を相談します。

短時間勤務や業務変更から段階的に戻すことも選択肢です。

症状が残る場合は、以下の関連記事も確認してください。

【関連記事:突発性難聴の後遺症|残る症状と改善の可能性】

10.病院の治療で改善が十分でない場合

10.病院の治療で改善が十分でない場合

治療を受けても聞こえにくさや耳鳴りが残る場合は、まず耳鼻咽喉科で聴力や症状の経過を確認し、今後の治療や対応を相談してください。

症状の変化を「仕事の疲れだけ」と判断して、再診をやめないことが大切です。

そのうえで、病院での治療を続けながら、鍼灸を補完的な選択肢として検討する方もいます。

鍼治療による改善を保証することはできず、耳鼻咽喉科での診断や治療に代わるものでもありません。

11.まとめ

突発性難聴による休職は、病名や「発症から何日」という期間だけで決めるものではありません。

まず耳鼻咽喉科を受診し、治療を受けながら、症状のためにできない業務は何か、安全に働けるか、勤務調整は可能かを具体的に整理してください。

休みが必要なら、主治医と勤務先に相談して期間や手続きを確認し、経過に合わせて見直します。

仕事へ戻るときも、聴力の完全回復だけを基準にせず、残る症状と仕事内容を踏まえて判断しましょう。

突発性難聴でお悩みの方へ

突発性難聴でお悩みの方へ

広島のなかいし鍼灸院では、耳鼻咽喉科で診断・治療を受けている方から、聞こえにくさや耳鳴りなどについてご相談を受けています。

当院では、発症から3ヶ月以内を相談の目安としてご案内しています。

病院での治療を優先したうえで、症状が十分に改善していない方は、現在の経過をお聞かせください。

参考文献

1.日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「突発性難聴」https://owned.jibika.or.jp/suddendeafness

2.厚生労働省「治療と就業の両立支援指針」https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001666819.pdf

3.全国健康保険協会「傷病手当金|給付と手続き」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/injury_and_sickness_allowance/

4.全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/faq/benefit/002/

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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