突発性難聴の診断書はもらえる?休職・会社提出・書いてもらえない場合を解説

突発性難聴の診断書はもらえる?休職・会社提出・書いてもらえない場合を解説

突発性難聴と診断され、治療のために仕事を休みたいとき、「会社に出す診断書はもらえるのか」「何日休むと書いてもらえるのか」と迷う方もいるでしょう。

会社から提出を求められたものの、医師にどう伝えればよいか分からない場合もあります。

診断書は、診察を受けた耳鼻咽喉科の医師に相談できます。

一方、診断書を求められることと、希望した病名や休養期間をそのまま書いてもらえることは別です。

この記事では、会社に確認すること、医師への伝え方、希望する内容を書いてもらえない場合の対応、休職から復職までの流れを説明します。

1.突発性難聴の診断書はもらえる

1.突発性難聴の診断書はもらえる

突発性難聴で会社への提出が必要になった場合は、診察を受けている耳鼻咽喉科の医師に診断書を相談できます。

医師法第19条第2項では、診察した医師は、診断書の交付を求められたとき、正当な事由がなければ拒んではならないと定めています。

一方、この規定は、患者が希望する病名、仕事を休む期間、病気の原因などを、そのまま記載してもらえるという意味ではありません。

何を記載できるかは、診察や検査で確認できたことをもとに医師が判断します。

「突発性難聴と診断されたので、必ず2週間の休職と書いてもらえる」といった一律の決まりもありません。

会社が必要としているのが病名の確認なのか、療養期間の記載なのか、勤務上の配慮についての意見なのかによって、相談の仕方は変わります。

受診前に勤務先へ必要事項を確認しておくと、主治医に目的を伝えやすくなります。

なお、聞こえにくさがあっても病名がまだ明確でない場合、希望する病名を指定して書いてもらうことはできません。

診断の考え方は、以下の関連記事でも詳しく説明しています。

【関連記事:突発性難聴の診断基準とは?30dB・3周波数・72時間の基準を解説】

2.診断書が必要になる主な場面

2.診断書が必要になる主な場面

診断書を会社へ提出する場面は、勤務先の就業規則や休暇・休職制度によって異なります。

突発性難聴になった人全員が、同じ時点で同じ書類を提出するわけではありません。

2-1.仕事を休む・休職するとき

治療や体調のために仕事を休む際、会社から療養の必要性や見込み期間を示す診断書を求められることがあります。

数日の欠勤、年次有給休暇の取得、会社の病気休暇、長期の休職では、必要な手続きが異なる場合があります。

まずは会社に休む必要があることを連絡し、診断書が必要か、いつまでに提出するかを確認してください。

書類の準備を待つ間の勤務についても、現在の症状と勤務の可否を主治医に相談しましょう。

2-2.会社から提出を求められたとき

会社が診断書を求めている場合は、「診断書を出してください」だけでなく、何を確認したいのかを聞いておくことが大切です。

たとえば、病名を確認したいのか、欠勤する期間の見込みが必要なのか、業務内容を調整するための医師の意見が必要なのかで、求められる記載は変わります。

会社指定の書式があれば、受診時に持参してください。

指定の書式がない場合も、提出先、提出期限、必要な項目をメモしておくと相談が進めやすくなります。

2-3.復職時に求められる場合

休職後、仕事に戻る際に、会社が主治医による「復職可能」という意見や診断書を求める場合もあります。

最初に休むための診断書を提出していても、復職時には別の書類が必要になることがあります。

復職診断書がすべての会社で一律に必要なわけではありません。

休職に入る段階、または復職を考え始めた段階で、勤務先の手続きを確認しておきましょう。

3.診断書をもらうときの流れ

3.診断書をもらうときの流れ

3-1.まず耳鼻咽喉科で診察を受ける

急に聞こえにくくなった場合は、診断書の準備よりも先に耳鼻咽喉科を受診してください。

突発性難聴に似た症状を起こす病気もあるため、診察や聴力検査などによる確認が必要です。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、早期に受診し、検査と治療につなげることの大切さを説明しています。

医師法第20条では、医師が自ら診察せずに診断書を交付することを原則として禁じています。

会社から書類を求められた場合も、まず診察を受け、現在の状態を医師に確認してもらうことが出発点です。

3-2.会社に必要な記載事項を確認する

会社には、診断書が必要か、指定書式があるか、何について医師の意見が必要かを確認します。

すでに受診している場合は、次回の診察までに確認しておくとよいでしょう。

会社へは「突発性難聴と診断され、治療中です。休む場合に必要な書類と、診断書に記載が必要な事項を教えてください」と伝えれば、確認したいことが明確になります。

書類の発行に日数がかかる場合もあるため、提出期限も併せて聞いておきましょう。

3-3.医師に仕事内容と症状を伝える

主治医には、会社から診断書を求められた目的に加え、現在の症状が仕事にどう影響しているかを具体的に伝えてください。

「めまいで通勤が難しい」「吐き気があり勤務中も座っていられない」「電話対応で聞き取りに支障がある」など、実際に困っている内容が判断の手がかりになります。

診察室では、「会社から休業に関する診断書を求められています。

現在の症状と仕事の内容を踏まえて、必要な記載について相談できますか」と尋ねるとよいでしょう。

医師が診察所見などをもとに記載内容を判断した後、発行された書類を会社の案内に従って提出します。

4.診断書には何が書かれるのか

4.診断書には何が書かれるのか

会社提出用の診断書には、病名や現在の状態、療養が必要と考えられる期間、仕事上の配慮についての意見などが記載される場合があります。

項目は提出目的、会社の指定書式、医療機関の書式によって異なります。

すべての診断書に同じ内容が書かれるわけではありません。

特に気になるのが休養期間でしょう。

「2週間休みたい」と希望を伝えることはできますが、その期間を記載するかどうかは医師の判断です。

症状の強さだけでなく、検査結果、治療の予定、仕事内容、今後の診察で状態を確認する必要性などを踏まえて検討されます。

また、突発性難聴の診断書に「仕事のストレスが原因」と書いてもらえるとは限りません。

本人が発症前に強いストレスを感じていても、それだけで発症原因を医学的に特定できるわけではないためです。

診断書には、医師が確認し判断できる内容が記載されます。

5.診断書を書いてもらえない場合

5.診断書を書いてもらえない場合

「書いてもらえない」には、診断書そのものを交付してもらえない場合と、希望した内容を書いてもらえない場合があります。

対応を考えるために、まずどちらなのかを分けて確認しましょう。

5-1.診断書そのものを交付してもらえない場合

診察を受けた医師に診断書を求めたにもかかわらず、交付してもらえない場合は、まず理由を確認してください。

医師法第19条第2項には、診察した医師は正当な事由がなければ交付の求めを拒んではならないという原則があります。

個別の事情を確認せずに、交付できない理由があるかどうかを患者側だけで決めることはできません。

会社の書式について対応が難しいのか、診察や確認がさらに必要なのか、別の書類なら発行できるのかを医療機関に尋ねてみましょう。

同時に会社へも、必要な書類や記載事項を再確認してください。

5-2.希望する内容を書いてもらえない場合

「診断書は出せるが、希望する期間の休職が必要とは書けない」と言われた場合は、診断書の交付そのものを断られた場合とは異なります。

休養の必要性や期間は、医師が診察で把握した状態に基づいて判断するため、患者の希望と一致しないことがあります。

その場合は、希望する期間を書いてもらうことだけを繰り返し求めるのではなく、仕事上の支障を具体的に伝え、医師の判断理由を確認してください。

会社が必要としているのが長期休職の記載ではなく、通院への配慮や一時的な業務調整についての意見であれば、その目的を主治医へ改めて伝えることもできます。

症状が変化した場合は、再診時に現在の状態を相談しましょう。

6.突発性難聴ではどのくらい仕事を休むのか

6.突発性難聴ではどのくらい仕事を休むのか

突発性難聴で仕事を休む期間に、全員共通の目安はありません。

聞こえにくさの程度、めまいや吐き気の有無、治療の予定、通勤方法、仕事内容によって、勤務への影響が変わるためです。

たとえば、強いめまいや吐き気があると、通勤や勤務そのものが難しい場合があります。

一方、めまいがなくても、電話応対や会議など、聞き取りが欠かせない仕事では困ることがあります。

「聴力検査の結果が軽度だから休む必要はない」「突発性難聴だから必ず休職する」と、病名や数値だけで決めることはできません。

当院に来院された方には、仕事を1週間程度、人によっては2週間程度休んでいたケースがあります。

これは当院が一律に休業を指示した結果ではなく、それぞれの方が症状や治療状況を踏まえて休んでいたという臨床上の経験です。

すべての方に当てはまる休養期間や、診断書に書かれる期間を示すものではありません。

実際に休むか、どのように仕事を調整するかは、主治医への相談と会社の制度確認を通じて考えてください。

仕事を休む判断については、以下の関連記事で詳しく説明しています。

【関連記事:突発性難聴で仕事は休むべき?休めない場合の対処法】

めまいが長引いて勤務に影響している方は、以下の関連記事も参考にしてください。

【関連記事:突発性難聴のめまいが治らない…いつまで続く?改善の可能性と対処法】

7.診断書があっても休職するかは個別に考える

7.診断書があっても休職するかは個別に考える

診断書に病名が記載されたからといって、必ず休職するわけではありません。

また、診断書を受け取った時点で、会社の休職手続きが自動的に決まるわけでもありません。

医師は症状や治療状況から医学的な意見を示し、会社は就業規則、担当業務、職場で可能な配慮などを踏まえて勤務の扱いを検討します。

本人も、今の体調で通勤や仕事を続けられるか、治療を受ける時間を確保できるかを考える必要があります。

医学的な判断と、会社の休暇・休職制度上の判断には、それぞれ役割があります。

厚生労働省の治療と就業の両立支援指針でも、長期休業後の復職について、主治医等の意見や本人の意向、職場の状況を踏まえた検討が示されています。

仕事を続けられる状態でも、通院日の調整や一部の業務変更が必要かもしれません。

反対に、症状が強い場合は、短期間の欠勤だけで対応できるかを見直す必要があります。

まずは現在の状態を主治医へ伝え、勤務先には利用できる制度と必要な手続きを確認しましょう。

8.復職するときに診断書が必要な場合

8.復職するときに診断書が必要な場合

休職から戻る際、会社が主治医による復職可能との意見を求めることがあります。

仕事を休み始めるときに提出した診断書とは、目的が異なります。

復職を考え始めたら、まず会社へ「復職時に必要な書類は何か」「指定書式があるか」「元の業務にすぐ戻るのか」を確認してください。

その内容を主治医へ伝え、現在の症状と予定している仕事について相談します。

医師から復職可能という意見が出た場合も、実際の勤務条件や業務上の配慮は、会社側が職場の状況を踏まえて判断します。

厚生労働省には、休業や職場復帰の際に主治医の診断書を用いる運用を説明した資料があります。

対象を限った手引きも含まれるため、その手順が突発性難聴の方やすべての会社に一律に義務づけられているという意味ではありません。

ご自身の勤務先の規定を確認してください。

9.会社提出用と障害者手帳・障害年金の診断書は別

この記事で扱っているのは、主に会社へ提出するための診断書です。

仕事を休む、休職する、勤務上の配慮を相談するといった目的で用いられます。

一方、身体障害者手帳や障害年金の申請に用いる診断書は、制度も書式も会社提出用とは異なります。

会社へ診断書を出したことだけで、それらの制度の対象になるわけではありません。

身体障害者手帳について知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

【関連記事:突発性難聴で障害者手帳は取れる?何級になるのか・片耳の場合も解説】

10.突発性難聴で仕事と治療の両立に迷ったとき

10.突発性難聴で仕事と治療の両立に迷ったとき

発症したばかりで仕事をどうするか迷っている場合は、まず耳鼻咽喉科で診断と治療を受けてください。

聞こえの変化を自己判断で様子見せず、仕事への影響も含めて主治医に伝えることが大切です。

診断書の発行は医師に、会社の提出手続きや休暇制度は勤務先に相談します。

なかいし鍼灸院は、会社提出用の医師の診断書を発行する立場ではありません。

当院で相談できるのは、突発性難聴の症状や、病院での治療後の経過についてです。

病院での治療を受けても聞こえにくさや耳鳴りなどが十分に改善しない場合、鍼治療を選択肢の1つとして検討する方もいます。

鍼治療による改善を保証することはできません。

当院での考え方は、以下の関連記事でも説明しています。

【関連記事:突発性難聴の治療|ステロイド・高気圧酸素療法・鍼治療を解説】

11.まとめ

突発性難聴で会社提出用の診断書が必要なときは、診察を受けた耳鼻咽喉科の医師に相談できます。

診断書の交付と、希望する休養期間・内容の記載は別の判断です。

まず勤務先に必要書類と記載事項を確認し、主治医へ症状、仕事内容、会社から求められていることを具体的に伝えてください。

仕事を休む期間や休職の必要性は一律に決められません。

復職時にも書類が必要か、勤務先の制度を確認しておくと、その後の相談を進めやすくなります。

突発性難聴でお悩みの方へ

突発性難聴でお悩みの方へ

診断書や休職の手続きは、耳鼻咽喉科と勤務先へご相談ください。

そのうえで、病院で治療を受けても症状が十分に改善せず、今後のケアに迷っている方は、広島市のなかいし鍼灸院にもご相談いただけます。

当院では、発症から3ヶ月以内の方を中心に、これまでの治療経過と現在の症状を伺っています。

参考文献

1.e-Gov法令検索「医師法」第19条・第20条。https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201

2.日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「耳の病気」。https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=20

3.厚生労働省「治療と就業の両立支援指針」。https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=75ac0780&dataType=0&pageNo=1

4.厚生労働省「職場のあんぜんサイト:職場復帰支援」。https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo84_1.html(掲載されている手引きは主に心の健康問題による休業を対象とする)

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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