突発性難聴で障害者手帳は取れる?何級になるのか・片耳の場合も解説

突発性難聴で障害者手帳は取れる?何級になるのか・片耳の場合も解説

突発性難聴の治療を受けても聞こえにくさが続くと、「障害者手帳の対象になるのだろうか」「片耳がほとんど聞こえなくても申請できるのだろうか」「何級になるのだろうか」と、今後の生活が気になる方もいるでしょう。

身体障害者手帳は、突発性難聴と診断されたことだけで交付されるものではありません。

判断の対象になるのは、治療後に残った聴覚障害の程度です。

片耳の聴力が大きく低下していても、反対側の耳の聴力によっては聴覚障害の認定基準に該当しない場合があります。

また、発症直後に聞こえが大きく低下していても、その時点で障害者手帳の対象になるかを急いで判断する必要はありません。

まずは耳鼻咽喉科で必要な治療を受け、聴力がどのように変化するかを確認することが大切です。

そのうえで聞こえにくさが残った場合に、補聴器や身体障害者手帳など、今後の生活を支える方法を検討していきます。

この記事では、突発性難聴で身体障害者手帳の対象になる条件、聴覚障害の等級、片耳の場合の考え方、申請を検討する時期や手続きの流れについて分かりやすく解説します。

1.突発性難聴でも障害者手帳の対象になる場合がある

1.突発性難聴でも障害者手帳の対象になる場合がある

突発性難聴によって聴覚障害が残り、身体障害者手帳の認定基準を満たす場合は、手帳の対象になります。

「突発性難聴」という診断名だけで交付が決まるわけではありません。

認定では、現在の聴力や言葉の聞き取りに関する検査結果などが確認されます。

また、発症直後の聴力が大きく低下していても、その時点で後遺症や手帳の等級が決まったわけではありません。

発症して間もない方は、まず耳鼻咽喉科で治療を受け、聴力の経過を確認することが大切です。

治療や経過観察を経ても聞こえにくさが残った場合に、必要に応じて手帳などの生活支援を検討します。

2.突発性難聴で障害者手帳は何級になるのか

2.突発性難聴で障害者手帳は何級になるのか

2-1.聴覚障害2級・3級・4級・6級の基準

身体障害者手帳の聴覚障害には、2級・3級・4級・6級があります。

聴覚障害単独の等級に5級はありません。

主な基準は次のとおりです。

等級

聴覚障害の基準

2級

両耳の聴力レベルがそれぞれ100dB以上

3級

両耳の聴力レベルがそれぞれ90dB以上

4級

両耳の聴力レベルがそれぞれ80dB以上、または両耳による普通話声の最良語音明瞭度が50%以下

6級

両耳の聴力レベルがそれぞれ70dB以上、または片耳が90dB以上で、もう片方の耳が50dB以上

ここでいうdBは、聴力検査で測る「どのくらいの大きさの音なら聞こえるか」を示す値です。

数値が大きいほど、聞こえるまでに大きな音が必要になります。

検査表に書かれた1つの数字を上の表に当てはめるだけで、等級を決めることはできません。

認定に用いる聴力レベルの確認が必要です。

2-2.聴力レベルだけでなく語音明瞭度で判断される場合もある

音が聞こえることと、話し言葉を聞き取れることは同じではありません。

音には気づいても、言葉としては分かりにくい場合があります。

4級には、両耳による普通話声の最良語音明瞭度が50%以下という基準もあります。

語音明瞭度は、聞こえた言葉をどの程度正しく答えられるかを調べる検査です。

そのため、聴覚障害の認定を「聴力が何dBか」だけで判断することはできません。

最終的な認定は、指定医が作成する診断書・意見書などをもとに行政が判断します。

3.片耳の突発性難聴でも障害者手帳は取れるのか

3.片耳の突発性難聴でも障害者手帳は取れるのか

片耳の聴力が大きく低下すると、「ほとんど聞こえないのだから、手帳の対象になるはず」と感じるかもしれません。

しかし、片耳の聴力だけでは、聴覚障害単独の等級を判断できません。

例えば、片耳が90dB以上の重度の難聴でも、もう片方の耳の聴力が保たれている場合は、上の表にある6級の基準には該当しません。

6級の片耳が重度である場合の基準は、片耳が90dB以上であることに加え、もう片方の耳も50dB以上であることが必要です。

反対耳の状態も確認する理由はここにあります。

これは「片耳の突発性難聴なら、絶対に手帳を取れない」という意味ではありません。

反対耳にも聴力低下がある場合など、両耳の検査結果によって判断が変わります。

一方で、片耳だけの聞こえにくさが日常生活で大きな負担になっていても、聴覚障害単独の手帳基準には該当しない場合があります。

自分の状態を確かめるには、患側だけでなく反対耳の聴力検査結果も耳鼻咽喉科で確認してください。

4.突発性難聴が治らない場合、いつ障害者手帳を考えるのか

4.突発性難聴が治らない場合、いつ障害者手帳を考えるのか

発症してすぐに聞こえが戻らないと、「もう手帳の申請を考えた方がよいのでは」と不安になることがあります。

ただ、発症直後と、治療後に聴覚障害が残った段階は分けて考える必要があります。

発症直後は、耳鼻咽喉科での治療と聴力の経過確認を優先してください。

その後も聞こえにくさが続く場合は、主治医に現在の聴力、今後の経過、生活上の困りごとを伝えます。

聴覚障害が残り、認定基準に該当する可能性があれば、指定医や自治体の窓口へ申請について相談する流れです。

「発症から6ヶ月経たないと手帳を申請できない」と、一律に決めることはできません。

いつ相談するかは、聴力の経過や障害の状態を踏まえて、医師と自治体に確認してください。

手帳の検討時期と、治療や補聴器を考える時期も同じではありません。

当院では、重度の難聴が続く中で「半年したら補聴器を検討する」と話されていた方がいました。

当院の臨床上、半年程度を、補聴器など今後の聞こえへの対応を現実的に考える1つの区切りと感じることはあります。

これは手帳申請の公的な期限や医学的な基準ではありません。

5.障害者手帳の申請方法

5.障害者手帳の申請方法

手帳の対象になる可能性が気になる場合は、まず耳鼻咽喉科の主治医に聴力の状態と申請について相談してください。

申請には、身体障害者福祉法第15条第1項の指定医が作成する身体障害者診断書・意見書が必要です。

現在の主治医が指定医か分からない場合は、医療機関または自治体の窓口に確認できます。

申請の流れは、次のとおりです。

  1. 耳鼻咽喉科で聴力と経過を確認し、手帳申請について相談する
  2. 指定医を確認し、必要な診断書・意見書を作成してもらう
  3. 住所地の自治体窓口に必要書類を提出する
  4. 審査を経て、認定された場合に手帳が交付される

広島市の場合、申請先は各区の厚生部福祉課です。

窓口申請では、指定医の診断書、申請前1年以内に撮影した縦4cm×横3cmの写真2枚、本人確認書類、個人番号が分かる書類、身体障害者手帳交付申請書が案内されています。

代理人による申請や郵送申請では、追加の書類が必要です。

書類や手続きの詳細は、申請前にお住まいの自治体へ確認してください。

6.障害者手帳と補聴器は別に考える

6.障害者手帳と補聴器は別に考える

「手帳の対象にならないなら、補聴器も使えないのでは」と心配する必要はありません。

手帳の認定基準と、補聴器を検討するかどうかは別の話です。

手帳の基準に該当しなくても、聞こえにくさによって会話や仕事に困っている場合は、補聴器などについて相談できます。

反対に、手帳の基準に該当しそうだからといって、補聴器が自分に合うかを検査せずに決めることもできません。

聞こえ方や生活上の困りごとを耳鼻咽喉科で伝え、必要な検査を受けて検討してください。

7.身体障害者手帳と障害年金は別の制度

身体障害者手帳と障害年金は、名前が似ていても別の制度です。

それぞれ目的や認定基準が異なり、手帳の等級と障害年金の等級は同じ意味ではありません。

そのため、身体障害者手帳が交付されれば障害年金も自動的に受けられる、あるいは手帳の対象外なら障害年金も対象外になる、と判断することはできません。

障害年金について知りたい場合は、手帳とは分けて制度と相談先を確認してください。

8.まずは耳鼻咽喉科で現在の聴力を確認する

8.まずは耳鼻咽喉科で現在の聴力を確認する

自分が手帳の対象になるか知りたいときは、まず現在の検査結果を確認することから始めましょう。

片耳の聞こえが大きく低下している方も、両耳それぞれの聴力を確かめる必要があります。

必要に応じて、言葉の聞き取りに関する検査についても医師に尋ねてください。

治療中であれば、検査表から手帳の等級を自己判定するより、治療と経過確認を優先します。

治療後も聴覚障害が残り、認定基準に該当する可能性がある場合は、指定医による診断と自治体への相談へ進みます。

9.まとめ

突発性難聴による身体障害者手帳は、病名ではなく、残った聴覚障害が認定基準を満たすかで判断されます。

片耳の聴力が大きく低下していても、反対耳の状態によっては聴覚障害単独の基準に該当しません。

発症して間もない方は、まず耳鼻咽喉科で治療を受け、両耳の聴力の経過を確認してください。

聞こえにくさが残った場合は、主治医に生活上の困りごとも伝え、補聴器などの対応とあわせて、必要なら指定医や自治体に手帳申請を相談しましょう。

突発性難聴の鍼治療についてご相談ください

突発性難聴の鍼治療についてご相談ください

耳鼻咽喉科で突発性難聴の診断・治療を受けても、聞こえにくさや耳鳴り、耳の詰まり感などが残ることがあります。

なかいし鍼灸院では、病院での診断・治療を受けたうえで、鍼治療も選択肢として検討したい方からご相談を受けています。

特に発症から3ヶ月以内の方は、現在の聴力検査の結果、これまでに受けた治療、症状の変化を確認したうえでご案内します。

身体障害者手帳の対象になるかどうかにかかわらず、まずは耳鼻咽喉科での治療と聴力の経過確認を優先してください。

病院での治療や経過観察を継続しながらご相談いただけます。

鍼治療による聴力回復を保証するものではありません。

参考文献

1.厚生労働省「身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第五号)」https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/shougaishatechou/dl/toukyu.pdf

2.厚生労働省「身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)」https://www.mhlw.go.jp/content/000615256.pdf

3.広島市「身体障害者手帳」https://www.city.hiroshima.lg.jp/living/fukushi-kaigo/1014921/1025799/1025800/1022042.html

4.広島市「身体障害者診断書・意見書様式」https://www.city.hiroshima.lg.jp/living/fukushi-kaigo/1014921/1025795/1015746.html

運営者情報

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会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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