突発性難聴の回復の兆しとは?治りかけにみられる症状と聴力の変化

突発性難聴の回復の兆しとは?治りかけにみられる症状と聴力の変化

「昨日より会話が聞き取りやすい」「耳鳴りの音が変わった」

突発性難聴の治療中にこうした変化があると、回復の兆しなのか気になると思います。

反対に、何も変わらないように感じて不安になる方もいるでしょう。

聞こえ方や耳鳴りなどが変化することはあります。

特定の症状が現れれば回復が確定する、という「治る前兆」はありません。

自分で感じる変化を大切にしながら、耳鼻咽喉科で聴力検査の結果を比較することが必要です。

この記事では、治りかけに感じることがある変化、それぞれの受け止め方、回復を確認する方法を説明します。

1.突発性難聴の回復の兆しとして感じることがある変化

1.突発性難聴の回復の兆しとして感じることがある変化

回復途中の変化は、単に「音が聞こえるようになった」という形だけで現れるとは限りません。

一方、以下の変化があっても、それだけで聴力が回復したとは判断できません。

1-1.聞こえる音が増える・聞こえ方が良くなる

これまで気づかなかった生活音が入ってくる、患側から話しかけられても言葉を拾いやすい、といった変化は、聞こえ方を振り返るうえで大切です。

音には高さの違いがあります。

会話は以前より聞き取りやすくなっても、一部の高い音や低い音は聞こえにくいままということもあります。

どの音域がどの程度変化したかは、聴力検査で確かめましょう。

短期間で聞こえが変わる場合と、徐々に変わる場合については、【突発性難聴が治る瞬間はある?当院でみられる2つの回復パターン】でも説明しています。

1-2.耳鳴りの音質や大きさが変わる

「キーンという音が低くなった」「以前より小さく感じる」など、耳鳴りの変化に気づく方もいます。

耳鳴りが気になりにくくなれば、日常生活では大きな変化でしょう。

しかし、耳鳴りの音が変わったことだけで、聴力が改善したとは言えません。

聴力が改善しても耳鳴りが残る場合があります。

耳鳴りが続くときの考え方は、【突発性難聴で耳鳴りが治らない…改善する可能性はある?】をご覧ください。

1-3.耳の詰まり感が軽くなる

耳をふさがれているような感覚が和らぎ、「耳が開いた」と感じることがあります。

発症時から耳の詰まり感が強かった方にとっては、気づきやすい変化です。

耳の詰まり感と聴力検査の数値は同じものではありません。

詰まり感が軽くなっても聞こえにくさが残ることがありますし、逆に詰まり感が残っていても聴力が変化している可能性があります。

1-4.音が響く・うるさく感じる

以前は聞こえにくかった音が、急に響いたり、食器の音などをうるさく感じたりする場合があります。

当院でも、聞こえ方が変化する時期にこうした訴えを聞くことがあります。

音が響くことを回復の証拠とは扱いません。

聴力がどのように変わったかを確認するとともに、響きが強くなった、普段の音がつらいなどの変化も診察時に伝えてください。

1-5.聞こえ方に日差・日内変動が出る

朝と夕方で聞こえ方が違う、昨日は聞き取りやすかったのに今日はそうでもない、という変動を当院で聞くことがあります。

日々の状態を振り返る際には参考になりますが、「変動があるほど治りやすい」という医学的な判断基準ではありません。

1日の変化だけで結論を出さず、いつ、どのような場面で違いを感じたかを記録し、再診時に伝えると経過を説明しやすくなります。

症状が時間とともにどう変わり得るかは、【突発性難聴の回復過程|改善する人にみられやすい経過と変化】で詳しく扱っています。

2.耳鳴り・めまいの改善だけで聴力回復とは判断できない

2.耳鳴り・めまいの改善だけで聴力回復とは判断できない

耳鳴りが小さくなれば、「聴力も戻っているはず」と思うかもしれません。

しかし、耳鳴りのつらさと、検査で測る聴力は完全には一致しません。

耳鳴りが先に和らぐ場合も、聴力が改善した後に耳鳴りが残る場合もあります。

めまいについても同様です。

当院では、めまいが先に改善した方と、聞こえ方が変化してもめまいが別に残った方の両方を経験しています。

これは当院での臨床経験であり、「めまいが治れば聴力も戻る」と予測できるという意味ではありません。

めまいやふらつきが続く、強くなるなどの場合は、聴力の経過とは分けて耳鼻咽喉科に相談してください。

長引く症状については【突発性難聴のめまいが治らない…いつまで続く?改善の可能性と対処法】でも説明しています。

3.本当に回復しているかは聴力検査の変化で確認する

3.本当に回復しているかは聴力検査の変化で確認する

「前より聞こえる」という実感は、生活上の改善を知るために大切です。

その一方で、自覚だけでは、どの高さの音がどれほど聞こえるようになったかを正確に把握できません。

耳鼻咽喉科の純音聴力検査では、低い音から高い音まで、音の高さごとに聞こえる程度を調べます。

発症時、治療中、治療後の結果を比べることで、改善した音域や、まだ聞こえにくい音域を確認できます。

1回の数値だけでなく、検査結果の推移を見ることが重要です。

症状の記録と検査結果を合わせて医師に確認しましょう。

改善を感じても、自己判断で薬をやめたり、予定されている再診を取りやめたりしないでください。

4.回復の兆しを感じやすい時期

4.回復の兆しを感じやすい時期

突発性難聴では、発症後の早い時期に聴力の改善がみられることが多く、治療にも時期が関係します。

米国の診療ガイドラインでは、突然の感音難聴を確認する聴力検査を発症から14日以内のできるだけ早い時期に行い、初期治療としてのステロイドは発症から2週間以内に検討できる選択肢とされています。

また、回復が不十分な場合の鼓室内ステロイド治療は発症から2~6週間の時期に提示することが推奨されています。

これらは診断・治療を検討する時期の目安であり、「2週間を過ぎたら回復しない」という意味ではありません。

当院の臨床上の印象では、ご本人が「回復の兆しが出た」とはっきり感じるほどの変化は、発症から2週間以内に聞くことが多いです。

小さな違いに早く気づく方もいますが、ある程度まとまって聞こえ方が変わってから、初めて「良くなっている」と感じる方もいます。

これは当院での経験に基づく印象であり、全員に当てはまる経過ではありません。

発症から1ヶ月ほど経つと、当院では「兆しがあるか」よりも「ここからさらに改善するか」という相談が増える印象です。

1ヶ月を回復の期限として区切ることはできません。

初期治療後に回復が不十分だった患者を追跡し、治療終了から2ヶ月後の検査でさらに聴力改善が確認された研究もあります。

この研究の対象者や治療内容は限られるため、誰もが同じ経過をたどるわけではありません。

個々の見通しは検査の推移を踏まえて判断します。

改善までの時間の考え方は【突発性難聴が治るまでの期間|いつまで改善する可能性があるのか】で詳しく説明しています。

5.回復の兆しがない・変化が乏しいとき

5.回復の兆しがない・変化が乏しいとき

「治りかけの症状」が何もないように感じても、聴力が全く変わっていないとは限りません。

日常で聞く音だけでは、一部の音域の変化に気づきにくいためです。

まずは予定された再診で聴力を測り、以前の結果と比較しましょう。

発症後の早い時期には、治療の選択肢を検討するうえで時間が関係します。

治療中なのに聞こえ方が悪くなった、急に別の症状が出た場合も、次の予約日を待つべきか耳鼻咽喉科に確認してください。

検査でも改善が十分でない場合は、発症からの時期やこれまでの治療を踏まえ、鼓室内ステロイドなどの追加治療を検討できるか医師に相談します。

選択肢やその後の考え方は、【突発性難聴が治らない場合|改善の可能性と今できること】にまとめています。

変化が乏しいという理由だけで、今後の経過を一律に決めつける必要はありません。

6.当院で患者さんから聞くことがある回復途中の変化

6.当院で患者さんから聞くことがある回復途中の変化

なかいし鍼灸院では、回復途中の様子として、耳鳴りの音質や大きさが変わった、聞こえ方が日によって違う、音が響いたりうるさく感じたりする、といった話を聞くことがあります。

検査で変化が確認される前後に聞こえ方の違いを自覚する方もいます。

また、めまいが先に軽くなる方もいれば、聞こえ方が変化した後もめまいが残る方もいます。

当院では、こうした訴えを経過を把握するための情報として伺っています。

いずれも回復を保証する「前兆」や、予後を判定する基準として扱っているわけではありません。

いつから、どの場面で、どの程度変わったかを整理し、耳鼻咽喉科での聴力検査の結果と合わせて確認することが大切です。

7.回復の兆しがあっても聴力検査で経過を確認する

7.回復の兆しがあっても聴力検査で経過を確認する

聞こえ方や耳鳴りの変化は、ご自身の経過を知る手がかりになります。

治りかけかどうかを症状だけで決めず、聴力検査で以前の結果と比べてください。

改善を感じても治療や再診を自己判断で終えず、変化を感じなくても、それだけで今後の可能性を決めつけないことが重要です。

まだ耳鼻咽喉科を受診していない方は、早めに診察と聴力検査を受けてください。

治療中の方は、感じた変化を医師に伝え、現在の聴力と今後の方針を確認しましょう。

8.まとめ

突発性難聴の回復途中では、聞こえる音が増える、耳鳴りの音質や大きさが変わる、耳の詰まり感が軽くなる、音が響くように感じるなどの変化がみられることがあります。

こうした変化は経過を知る手がかりになりますが、特定の症状が出たことだけで「回復している」「もう治る」と判断することはできません。

耳鳴りやめまいなどの自覚症状と、聴力検査の結果が同じように変化するとは限らないためです。

回復の兆しを感じた場合も、変化が乏しい場合も、耳鼻咽喉科で聴力検査を受け、発症時や前回の結果と比較しながら経過を確認してください。

治療中に聞こえ方が悪化した場合や新しい症状が現れた場合は、次回の予約を待たず担当医へ相談しましょう。

突発性難聴でお悩みの方へ

突発性難聴でお悩みの方へ

耳鼻咽喉科で治療を受けても、聞こえにくさ、耳鳴り、耳の詰まり感、音の響きなどが残ることがあります。

なかいし鍼灸院では、病院での診断・治療を受けたうえで、鍼治療も選択肢として検討したい方からご相談を受けています。

特に発症から3ヶ月以内の方は、現在の聴力検査の結果、これまでに受けた治療、症状の変化を確認したうえでご案内します。

病院での治療や経過観察を中止する必要はありません。

耳鼻咽喉科での治療を優先・継続しながらご相談ください。

鍼治療による聴力回復を保証するものではありませんが、現在の状態を整理し、鍼治療を行える状態かを確認したうえで対応します。

参考文献

1.Chandrasekhar SS, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss (Update). Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2019;161(1_suppl):S1–S45. https://doi.org/10.1177/0194599819859885

2.Na G, et al. Delayed Recovery in Idiopathic Sudden Sensorineural Hearing Loss. Journal of Clinical Medicine. 2022;11(10):2792. https://doi.org/10.3390/jcm11102792

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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