突発性難聴と診断された後、「お風呂に入ると悪化するのでは」「サウナや温泉で体を温めれば回復しやすくなるのでは」と迷う方もいるでしょう。
体調が安定していれば、通常の入浴が一律に禁止されるわけではありません。
発症直後やめまいがあるときは、熱いお湯や長風呂を避け、無理をしないことが大切です。
サウナや水風呂は体への負担が大きいため、回復を目的に積極的に行うことは勧められません。
この記事では、お風呂・サウナ・温泉をそれぞれどう考えるか、入浴後に症状が変化した場合の対応まで説明します。
1.突発性難聴でもお風呂に入ってよいのか
突発性難聴だからといって、湯船につかること自体を一律に避ける必要はありません。
めまいやふらつきがなく、普段どおりに入浴できる体調なら、無理のない範囲で入ってよいでしょう。
一方、発症直後は聞こえ方や体調が変化することがあります。
強いめまいがある、立っているのがつらい、気分が悪いといった日は、入浴を控えるか、体調に応じて短いシャワーにするなど負担を減らしてください。
浴室での転倒にも注意が必要です。
入浴の可否は症状だけで決められない場合もあります。
主治医から入浴や活動について指示を受けている場合は、その指示を優先してください。
2.発症直後の入浴で気をつけたいこと
2-1.熱いお湯・長風呂は避ける
熱いお湯に長くつかると、体温が上がり、入浴中や浴槽から出る際に気分が悪くなったり、立ちくらみが起きたりすることがあります。
発症直後は、心地よいと感じる湯加減で短めに済ませ、のぼせるまで入り続けないようにしましょう。
突発性難聴の患者すべてに当てはまる「適切な温度・時間」が決まっているわけではありません。
その日の体調を基準にしてください。
2-2.めまい・ふらつきがあるときは無理をしない
めまいがあると、浴室への移動や浴槽の出入りで転ぶおそれがあります。
湯船につかることにこだわらず、落ち着くまで入浴を見合わせる判断も大切です。
入浴する場合も、急に立ち上がらず、足元に気をつけてください。
めまいが強いときや、ひとりで安全に入浴できないときは、無理をせず医療機関に相談しましょう。
突発性難聴に伴うめまいが続く場合については、【突発性難聴のめまいが治らない…いつまで続く?改善の可能性と対処法】でも詳しく説明しています。
2-3.脱水を避ける
入浴中は汗をかきます。入浴前後には水分をとり、のどが渇いたり気分が悪くなったりしたら、入浴を切り上げて休みましょう。
水分摂取について医師から制限を受けている方は、その指示に従ってください。
2-4.体調が悪い日はシャワーで済ませてもよい
「湯船につからないと回復に悪いのでは」と心配する必要はありません。
疲れが強い日は、短いシャワーで済ませる、あるいは入浴を見合わせるなど、体調に合わせて選んでください。
3.突発性難聴でサウナは入ってもよいのか
サウナは通常の入浴より高温にさらされ、発汗も多くなります。
心拍数や血圧なども変化するため、発症直後や、めまい・ふらつきがある時期に、突発性難聴の回復を目的として入ることは勧められません。
「汗をかいて血流を良くすれば耳も治る」と考える方もいるかもしれません。
しかし、サウナによる体の反応と、突発性難聴の聴力回復は別の話です。
症状が安定した後にサウナを再開する場合も、主治医から活動の制限を受けていないことを確認し、体調を見ながら無理をしないでください。
ふらつきや気分の悪さが出たら中止しましょう。
熱いサウナから水風呂に入ると、急な温度変化によって血圧や心拍などが変動します。
水風呂や温冷交代浴が突発性難聴の回復を早めるという根拠は確立していません。
症状が不安定な時期に、治療のつもりで試すことは避けましょう。
運動や発汗を伴う活動の再開については、【突発性難聴で運動してもいい?運動禁止・運動制限と再開の目安を解説】も参考にしてください。
4.突発性難聴で温泉は入ってもよいのか
温泉も、入るかどうかは体調を基準に考えます。
症状が安定していれば一律に禁止する必要はありませんが、熱い湯や長湯を避けるなど、自宅のお風呂と同じ注意が必要です。
温泉の泉質や成分によって突発性難聴が治るという、確立した根拠はありません。
温泉旅行を予定している場合は、入浴以外の負担にも目を向けてください。
長時間の移動、睡眠不足、疲労、飲酒後の入浴などが重なると、体調を崩すおそれがあります。
発症直後に治療の代わりとして温泉旅行を計画するより、まず耳鼻咽喉科で必要な診察と治療を受けることを優先しましょう。
5.お風呂・サウナ・温泉で突発性難聴は改善するのか
体を温めると、皮膚の血管や心拍、血圧などに変化が起こります。
しかし、体が温まることと、内耳の状態が改善して聴力が回復することを同じ意味にはできません。
お風呂、サウナ、温泉を突発性難聴の治療として勧められるだけの根拠は確立していません。
突発性難聴が疑われるときは、耳鼻咽喉科で診察と聴力検査を受け、治療について相談することが重要です。
入浴の工夫に時間をかけるために受診を遅らせないでください。
治療の選択肢は、【突発性難聴の治療|ステロイド・高気圧酸素療法・鍼治療を解説】で詳しく説明しています。
6.風呂上がりに耳鳴りやめまいが強くなったとき
風呂上がりに耳鳴りが気になったり、耳が詰まったように感じたりしても、その変化だけで「入浴によって突発性難聴が悪化した」とは判断できません。
まず入浴を切り上げ、安全な場所で座って休み、体調を確認してください。
強いめまい、立っていられないほどのふらつき、失神しそうな感覚がある場合は、安全を確保したうえで、状態に応じて速やかに医療機関へ相談してください。
聞こえ方が明らかに悪くなった、または変化が続いている場合は、耳鼻咽喉科へ連絡しましょう。
自分の感覚だけでは聴力の変化を確かめにくいため、必要に応じて聴力検査で確認することが大切です。
症状が日々変化する場合の見方は、【突発性難聴の回復過程|改善する人にみられやすい経過と変化】も参考にしてください。
7.突発性難聴の治療中は入浴より治療と休養を優先する
お風呂は体調に合わせて利用できますが、サウナや温泉を含め、入浴は突発性難聴そのものの治療ではありません。
発症早期には耳鼻咽喉科で診察・治療を受け、疲れているときは休み、無理を避けることを優先してください。
日常生活で気をつけることは、【突発性難聴でやってはいけないこと|治療中の生活と注意点】にまとめています。
なかいし鍼灸院では、広島で突発性難聴について相談を受けています。
当院が鍼治療を検討する際も、耳鼻咽喉科での診断や治療を前提としています。
鍼治療による聴力回復を保証するものではありません。
8.まとめ
突発性難聴でも、体調が安定していれば通常のお風呂まで一律に避ける必要はありません。
発症直後やめまいがあるときは、熱い湯・長風呂を避け、入浴そのものがつらければ無理をしないでください。
サウナ、水風呂、温冷交代浴は体への負担が大きく、温泉も含めて聴力回復のための治療にはなりません。
風呂上がりに聞こえ方の明らかな悪化が続く場合は、耳鼻咽喉科で相談しましょう。
最も優先したいのは、早めの診察と必要な治療です。
突発性難聴についてのご相談
耳鼻咽喉科で治療を受けていても、聞こえにくさや耳鳴り、耳の詰まり感が残り、鍼治療も検討している方は、広島のなかいし鍼灸院へご相談ください。
当院では、特に発症から3ヶ月以内のご相談を中心にお受けしています。
現在の症状や治療状況を伺ったうえで、ご案内します。
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参考文献
1.日本聴覚医学会.「急性感音難聴診療の手引き 2018年版」 https://audiology-japan.jp/guideline/
2.Chandrasekhar SS, et al. Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss (Update). Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2019. https://www.entnet.org/quality-practice/quality-products/clinical-practice-guidelines/sudden-hearing-loss-update/
3.消費者庁.「年末年始、高齢者の事故に注意しましょう!」入浴時の一般的な安全対策を参照。 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_084/
4.Laukkanen JA, et al. Cardiovascular and Other Health Benefits of Sauna Bathing: A Review of the Evidence. Mayo Clinic Proceedings. 2018. サウナによる循環器系への影響を参照。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30077204/
5.Radtke T, et al. Acute effects of Finnish sauna and cold-water immersion on haemodynamic variables and autonomic nervous system activity in patients with heart failure. European Journal of Heart Failure. 2016. 温冷刺激に伴う循環動態を参照。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26152773/
運営者情報
| 会社名 | 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」 |
| 代表者 | 代表取締役・院長 中石真人 |
| 経歴 | 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校
トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。 |
| 資格 | 鍼灸師・柔道整復師 |
| 創業 | 平成24年9月3日 |
| 所在地 | 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702 |
| 電話 | 050-1255-9166 |
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