【自律神経失調症の治し方】病院や薬が嫌な方向け

【自律神経失調症の治し方】病院や薬が嫌な方向け
  • 自律神経失調症を自力で治す方法を知りたい!
  • できるだけ病院や薬に頼りたくない!
  • どうやったら自律神経失調症は治るの?

このような悩みを抱えていませんか?

薬はあくまで対症療法であり、今ある症状を抑えているに過ぎません。

根本的に改善するためには、生活習慣、食生活、運動、ツボ療法など自力で自律神経を整えることが大切です。

自律神経失調症の原因は、ストレスによるセロトニン不足です。

この記事では、セロトニンに着目した自律神経失調症の治し方を解説しています。

是非、参考にしてみてください。

1.自律神経失調症の症状は様々

1.自律神経失調症の症状は様々

自律神経は、生きるために必要な体の働きを無意識にコントロールしている神経です。

  • 交感神経…体を緊張、興奮させる。
  • 副交感神経…リラックスさせる。

自律神経は、脊髄を起点に全身の内臓の働きをコントロールしています。

ホルモン分泌、体温血圧調節、腸の消化吸収など体中の調整をしています。

交感神経と副交感神経は、互いに正反対の役割があり、シーソーのようにバランスが取れている状態が正常です。

しかし、ストレスが原因となり自律神経のバランスが乱れると、実に様々な症状が現れます。

一つの症状の場合もあれば、複数の症状が同時に現れることもあります。

また、身体的な症状だけでなく、不安感など精神的な症状も現れるケースもあります。

症状

現れる部位

疲労感・倦怠感・脱力感 全身
睡眠障害・眠気 全身
微熱 全身
食欲不振・腹部膨満感 全身
ほてり・冷え 全身
めまい 頭部
立ちくらみ・ふらつき・失神 頭部
頭痛・偏頭痛 頭部
肩こり
吐き気
便秘・下痢
頻尿・残尿感・尿意切迫 膀胱
皮膚の乾燥・痒み 皮膚
多汗・汗をかかない 皮膚
息苦しい 気管
筋肉痛 関節・筋肉
脱毛 頭部
目の疲れ・乾き・涙目
耳鳴り・難聴
口の乾き・不快感
喉の不快感・つまり
動悸・息切れ・胸部の圧迫感・胸痛
手足のしびれ 手足
手足の冷え・のぼせ 手足・頭部
生理不順・勃起障害 生殖器
意識低下・無気力感 精神
集中力・記憶力低下 精神
情緒不安定 精神
不安感・憂鬱感 精神

2.自律神経失調症を治すにはセロトニンが重要

2.自律神経失調症を治すにはセロトニンが重要

セロトニンは、自律神経を整える働きをするホルモンです。

自律神経失調症の最大の原因は、ストレスです。

そのストレスに関与するホルモンは、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンです。

  • ノルアドレナリン…緊張や不安、ストレスがかかったときに分泌される。
  • ドーパミン…喜びや快楽、多幸感、意欲や向上心をもたらす。
  • セロトニン…ノルアドレナリンとドーパミンの分泌を調節する。

ストレスがかかるとノルアドレナリンの分泌が過剰になり、心拍数を上げたり交感神経が活発になります。

その一方で、ストレスを乗り越えたときに達成感や喜び、多幸感を感じるのがドーパミンです。

この2つのホルモンをコントロールしているのがセロトニンで、ストレスによるダメージを最小限にキープするためには、3つのホルモンのバランスが重要です。

特にセロトニンは、ストレスに関係するノルアドレナリンと快楽に関係するドーパミンをコントロールして、精神状態を安定させています。

もしセロトニンが不足してホルモンのコントロールができなくなると、不安感やうつ、パニック状態を引き起こす可能性があります。

自律神経失調症の症状の中に不安感やうつっぽいなど精神的な症状が現れる理由は、このセロトニンが不足しているためです。

自律神経失調症を治すためには、セロトニンを増やすことが大切です。

3.セロトニンを増やして自律神経失調症を治す方法

3-1.生活習慣を改善してセロトニンを増やす方法

3-1.生活習慣を改善してセロトニンを増やす方法

まずは、毎朝太陽の光を浴びるようにしましょう。

朝日をしっかり浴びることでセロトニンの分泌が増えると同時に、体内時計が整い副交感神経から交感神経が優位になっていくように調節することができます。

昼夜逆転の生活をしていると、この自律神経の切り替えがスムーズにいかず、乱れる原因となります。

自律神経のバランスの乱れは、体調を崩すだけでなく、やる気の低下などメンタル面にも影響を及ぼします。

朝日を浴びてセロトニンの分泌が増えると、夜には睡眠ホルモンであるメラトニンがしっかり分泌されます。

セロトニンはメラトニンの原料になるので、セロトニンが活性化されることで、夜のメラトニンの分泌が増えて質の高い睡眠が得られます。

まずは朝しっかり太陽の光を浴びることから始め、夜更かしや昼夜逆転の生活習慣を改善しましょう。

3-2.食生活からセロトニンを増やす方法

セロトニンは約95%が腸壁で作られていて、残りの数%は脳内で作られています。

腸と脳は自律神経を経由して密接に繋がっているため、腸内環境が悪化すると脳内でのセロトニンの分泌が減ります。

つまり、腸内環境を良くすることがセロトニンを分泌させ、自律神経を整えるために重要となります。

腸内環境を整えるためには、善玉菌の数を増やすことが大切です。

善玉菌は、発酵食品とエサとなる食物繊維を食べることで増やすことができます。

また、セロトニンを増やす食べ物は、必須アミノ酸であるトリプトファンが豊富な食材がおすすめです。

トリプトファンは、豆腐、納豆、味噌、醤油などの大豆食品、チーズ、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品、米、トウモロコシなどの穀類などに多く含まれています。

肉や魚にもトリプトファンが多く含まれていますが、動物性たんぱく質は吸収が悪いため、炭水化物(穀類、芋類、果物)とビタミンB6(鮭、サバ、さんま、鶏むね肉)を一緒に摂りましょう。

そして、食事中は意識してよく噛んで食べる咀嚼リズムがセロトニン分泌には大切です。

食べ物から摂ったトリプトファンは、日中はセロトニンとなり夜はメラトニンに変化します。

このサイクルは体内時計と大きく関わるので、生活習慣と食生活はセットで改善することが重要です。

3-3.運動でセロトニンを増やす方法

3-3.運動でセロトニンを増やす方法

歩行や呼吸などのリズム性運動を行うとセロトニンの分泌が増えます。

1日30分でも続けて歩く時間を作ってみましょう。

ウォーキングは、メリハリをつけ少し息が上がるくらいのスピードで、一歩ずつ踏みしめて歩くことがポイントです。

ダラダラ歩くのでは意味がないので、リズムよく小刻みに歩くイメージです。

また呼吸運動では、座禅やヨガなどのゆっくりとした深呼吸を意識して行うことが大切です。

3-3.運動でセロトニンを増やす方法

では、毎日簡単にできる腹式呼吸をご紹介します。

まず、鼻からゆっくり空気を吸い込み、このとき臍の下に空気をためるイメージで行います。

お腹を凹ませるように口からゆっくり息を吐き出します。

肺の中の空気を全部出し切るイメージで、吸うときよりもゆっくり時間をかけて吐き切ります。

それを5分ほど繰り返します。

腹式呼吸は、セロトニンの分泌が増えるので、気持ちが安定し筋肉の緊張が緩和してリラックスできます。

不安や緊張、ストレスがかかっているときは呼吸が浅く短くなので、気持ちを落ち着かせたいときは、呼吸に意識を向けてみてください。

3-4.ツボを使ってセロトニンを増やす方法

鍼灸刺激を皮膚や筋肉に行うことで、その刺激が脳へ伝わりセロトニンやドーパミンの分泌が増加することが確認されています。

自分でできるツボを使った方法を2つご紹介します。

3-4-1.全体的な不調に効く合谷(ごうこく)

3-4-1.全体的な不調に効く合谷(ごうこく)

合谷は、肩こり、歯痛、頭痛、便秘など体全体の症状に効果的な手にあるツボです。

症状に対して守備範囲が広く、万能のツボともいわれているので、何かあれば合谷を押すと間違いないです。

手の甲側を上にした状態で、親指と人差し指の指が交差した場所から、人差し指側へ押していき、痛みを感じるくぼみが合谷です。

親指での指圧やお灸をすると効果的です。

3-4-2.ストレス系に効く百会(ひゃくえ)

3-4-2.ストレス系に効く百会(ひゃくえ)

百会は、不眠、めまい、耳鳴り、精神的なストレスなどに効果的な頭にあるツボです。

頭の中心のライン上で、左右の耳を結んだ交わる部分(頭のてっぺん)が百会です。

人差し指と中指で指圧すると効果的です。

ツボ押しのポイント

ツボ押しとお灸のポイント

ツボへの刺激は、指で押す場合とお灸をする場合の2つの方法があります。

ツボの場所がわかっていても正しく刺激できなければ効果がありません。

ツボを指で押す場合は、痛気持ちいい強さで3~5秒間ゆっくり持続的に圧迫します。

これを5回程度繰り返してください。

強すぎる刺激は、筋肉が緊張して逆効果になるので、痛気持ちいい強さで指圧をすることが重要です。

お灸をする場合は、火傷の可能性が低い台座灸がおすすめです。

お灸の熱さにも種類があるので、初めは温度の低いソフトタイプから始めるのが良いです。

同じツボに3回程度続けてお灸をすると効果的ですが、熱さを我慢した状態で繰り返すと火傷をするので、そこだけご注意ください。

症状別の詳しいツボが知りたい方は、「自律神経失調症のツボを症状別に鍼灸師が解説」をご参照ください。

4.2週間続けて効果がない場合は?

4.2週間続けて効果がない場合は?

ここまで紹介した方法を2週間継続してみてください。

もし効果がみられない場合は、自分の力で改善できないレベルにあるということになります。

そのような場合は、心療内科に行くのが一般的ですが、病院や薬で治したくない方が多いのも事実です。

そんな方におすすめなのが「鍼治療」です。

鍼治療は、本来持っている自然治癒力を活性化し免疫力を高めることができます。

鍼治療の刺激が脳内でのセロトニンの分泌を促し、自律神経を整えることが実証されています。(論文:鍼灸の作用機序から神経内科領域の可能性を探る

以下、当院の鍼治療で自律神経失調症が改善した症例です。

5.まとめ

いかがでしたか?

自分でできる自律神経失調症の治し方をご紹介しました。

まずは、生活習慣、食生活の改善から始めて、余裕があれば運動やツボ刺激を生活の中に取り入れてみましょう。

自ら治す努力をしてみてそれでもダメな場合は、心療内科や鍼治療といった選択肢があります。

あなたが正しい選択をして自律神経失調症を改善していただけたら幸いです。

参考論文:セロトニン分泌に影響を及ぼす生活習慣と環境

自律神経失調症について詳しくはこちら

この記事に関する関連記事

なかいし鍼灸院