自律神経失調症のツボを症状別に鍼灸師が解説

自律神経失調症のツボを症状別に鍼灸師が解説
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  • 自律神経失調症のツボを知って、セルフケアに役立てたい!

このような悩みを抱えていませんか?

日本人の20人に1人は、自律神経の症状に悩まされているといわれています。

誰でもちょっとしたことで自律神経は乱れてしまいます。

そんなときに自律神経を整えるツボを知っておくと便利です。

この記事では、鍼灸師である私が、自律神経失調症のツボを症状別に解説しています。

自律神経失調症は様々な症状を呈しますので、その中でも代表的な症状をピックアップしています。

是非参考にしていただき、ツボを使ったセルフケア法を実践してみてください。

1.自律神経失調症の症状は多岐にわたる

1.自律神経失調症の症状は多岐にわたる

交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態を自律神経失調症といいます。

自律神経失調症の症状は、めまい、吐き気、頭痛、耳鳴り、動悸など身体的な症状だけでなく、気分の落ち込みや不安感など精神的な症状まで多岐にわたります。

また、症状は一つだけではなく複数症状が現れることもあります。

それらの症状は、体や心からの危険信号です。

生活習慣の改善やセルフケアを行って、自律神経のバランスを整えることが大切です。

2.自律神経失調症の代表的なツボ

  • 2.自律神経失調症の代表的なツボ
  • 2.自律神経失調症の代表的なツボ

全体的な不調に効く合谷(ごうこく)とストレス系に効く百会(ひゃくえ)は、自律神経を整える代表的なツボです。

合谷は、肩こり、歯痛、頭痛、便秘など体全体の症状に効果的な手にあるツボです。

症状に対して守備範囲が広く、万能のツボともいわれているので、何かあれば合谷を押すと良いです。

手の甲側を上にした状態で、親指と人差し指の指が交差した場所から、人差し指側へ押していき、痛みを感じるくぼみが合谷です。

親指での指圧やお灸をすると効果的です。

百会は、不眠、めまい、耳鳴り、精神的なストレスなどに効果的な頭にあるツボです。

頭の中心のライン上で、左右の耳を結んだ交わる部分(頭のてっぺん)が百会です。

人差し指と中指で指圧すると効果的です。

3.ツボ押しとお灸のポイント

3.ツボ押しとお灸のポイント

ツボへの刺激は、指で押す場合とお灸をする場合の2つの方法があります。

ツボの場所がわかっていても正しく刺激できなければ効果がありません。

ツボを指で押す場合は、痛気持ちいい強さで3~5秒間ゆっくり持続的に圧迫します。

これを5回程度繰り返してください。

強すぎる刺激は、筋肉が緊張して逆効果になるので、痛気持ちいい強さで指圧をすることが重要です。

お灸をする場合は、火傷の可能性が低い台座灸がおすすめです。

お灸の熱さにも種類があるので、初めは温度の低いソフトタイプから始めるのが良いです。

同じツボに3回程度続けてお灸をすると効果的ですが、熱さを我慢した状態で繰り返すと火傷をするので、そこだけご注意ください。

4.症状別の自律神経失調症のツボ

4-1.自律神経失調症のめまいのツボ

  • 4-1.自律神経失調症のめまいのツボ
  • 4-1.自律神経失調症のめまいのツボ
  • 4-1.自律神経失調症のめまいのツボ

左から耳の穴の前にある耳門(じもん)、耳たぶの後ろにある翳風(えいふう)、前頭部にある顖会(しんえ)です。

耳の穴の前にある膨らみから少し前の凹んだ所で、軽く指で押さえると拍動を感じる部分にあるのが耳門です。

左右対称に人差し指で指圧します。

翳風は、耳たぶの後ろにある窪んだ所で、後ろに乳様突起という出っ張った骨があり、その骨と耳たぶの間にあります。

左右対称に人差し指で指圧します。

顖会は、前頭部で体の中心線上にあり、前髪の生え際から指3本分進んだ所にあります。

人差し指と中指で中心線上に沿って揺らしながら指圧します。

顖会は、めまいの特効穴と呼ばれ、どんなめまいにも有効です。

めまいは、首や肩の凝りや緊張が原因となり、首、顔や耳周りの血液循環が悪くなることで起こります。

ツボ押しで血流が改善されれば、めまいの頻度が減り楽になります。

4-2.自律神経失調症の耳鳴りのツボ

4-2.自律神経失調症の耳鳴りのツボ

耳自体に原因がない耳鳴りは、内耳のリンパの流れや耳周りの血流を良くすることで改善していきます。

耳鳴りの特効穴は、耳の穴の前にある耳門(じもん)、聴宮(ちょうきゅう)、聴会(ちょうえ)の3つです。
めまいのツボで説明した耳門の下に聴宮と聴会があります。

口を開けたときに凹む場所が聴宮です。

口を開けた状態で聴宮を中指で押さえ、聴会を人差し指、耳門を薬指で押さえます。

5秒間隔で口を開けたり閉じたりしながら行います。

4-3.自律神経失調症の吐き気のツボ

  • 4-3.自律神経失調症の吐き気のツボ
  • 4-3.自律神経失調症の吐き気のツボ

手にある内関(ないかん)とお腹にある中脘(ちゅうかん)と天枢(てんすう)です。

内関は、車酔いなど吐き気を抑えるツボとして有名です。

手関節から肘に向かって指を横に3本分の場所に位置し、グッと手を握ると浮き出てくる2本の腱の間にあります。

親指を当て指圧します。

中脘は、みぞおちと臍の中間にあり、天枢は、臍から指3本分外側の左右にあります。

胃腸の働きを良くするツボで、お灸で温めると効果的です。

4-4.自律神経失調症の頭痛のツボ

4-4-1.後頭部にある風府(ふうふ)・天柱(てんちゅう)・風池(ふうち)

4-4-1.後頭部にある風府(ふうふ)・天柱(てんちゅう)・風池(ふうち)

風府は、後頭部の中心線上にあり、後頭部の骨と首の境目の太い2本の筋肉に挟まれたくぼみにあります。

後頭部の髪の生え際から指2本分後頭部へ上がった部分のくぼみです。

天柱は、後頭部の髪の生え際で、太い2本の筋肉に挟まれたくぼみから外側に親指1本分離れた部分にあります。

風池は、天柱からさらに外側に指をずらしていくと、一番くぼんでいる部分にあります。

風府は人差し指と中指で、天柱と風池は親指で指圧します。

4-4-2.頭が重いときは列缺(れっけつ)

4-4-2.頭が重いときは列缺(れっけつ)

列缺は、手関節の親指側から肘に向かって指3本分の骨の際にあります。

親指で骨に対して指圧します。

頭が重いときに効果的です。

4-4-3.ストレス系の頭痛に太衝(たいしょう)

4-4-3.ストレス系の頭痛に太衝(たいしょう)

太衝は、足の親指と人差し指の骨が交差するところの前の凹んだ部分にあります。

親指で指圧します。

イライラして頭痛がする方におすすめです。

4-5.自律神経失調症の動悸・息苦しさのツボ

4-5-1.精神を安定させる神門(しんもん)と郄門(げきもん)

  • 4-5-1.精神を安定させる神門(しんもん)と郄門(げきもん)
  • 4-5-1.精神を安定させる神門(しんもん)と郄門(げきもん)

神門と郄門は、興奮した神経を抑え、精神を安定させて気持ちを落ち着かせるツボです。

神門は、手関節にあり、小指側にたどっていくと骨がある部分です。

郄門は、手関節と肘関節の中央を結んだ線の中心点から、親指1本分手関節側にあります。

親指で指圧します。

4-5-2.指先にある少衝(しょうしょう)と手のひらにある労宮(ろうきゅう)

  • 4-5-2.指先にある少衝(しょうしょう)と手のひらにある労宮(ろうきゅう)
  • 4-5-2.指先にある少衝(しょうしょう)と手のひらにある労宮(ろうきゅう)

少衝は、小指の爪の付け根の薬指側にあります。

指で摘まんで指圧します。

労宮は、手のひらでグッと拳を作ったときに中指と薬指が当たる所にあります。

親指で指圧します。

4-6.自律神経失調症の腹痛のツボ

  • 4-6.自律神経失調症の腹痛のツボ
  • 4-6.自律神経失調症の腹痛のツボ

指にある井穴(せいけつ)とお腹にある天枢(てんすう)です。

井穴は、爪の両端、生え際2㎜下の部分にあります。

すべての指を摘まんで指圧します。

外出時などで急な腹痛に困ったときに対処できます。

吐き気のツボとして紹介した天枢は、腸を刺激して腸内に溜まったガスを出すので、便秘の解消にもなります。

お腹が張りやすい人におすすめです。

お灸で温める方が効果的です。

4-7.自律神経失調症の不眠のツボ

  • 4-7.自律神経失調症の不眠のツボ
  • 4-7.自律神経失調症の不眠のツボ
  • 4-7.自律神経失調症の不眠のツボ

失眠(しつみん)、安眠(あんみん)、労宮(ろうきゅう)の3つが代表的なツボです。

失眠は、踵の中心にあり、親指での指圧やお灸が良いです。

足の冷えやむくみがある人におすすめです。

安眠は、耳の後ろの乳様突起という骨の出っ張りから指1本後ろにあります。

親指で指圧します。

首の緊張や凝りがある人におすすめです。

労宮は、手のひらにあるツボで、動悸や息苦しさのツボで紹介しました。

精神的な緊張を落ち着かせる働きがあります。

この3つのツボをセットで刺激するとより効果的です。

就寝1時間前に行いましょう。

5.自律神経失調症の原因となるストレス緩和のツボ3選

  • 5.自律神経失調症の原因となるストレス緩和のツボ3選
  • 5.自律神経失調症の原因となるストレス緩和のツボ3選
  • 5.自律神経失調症の原因となるストレス緩和のツボ3選

自律神経失調症の一番の原因はストレスなので、そのストレスに対処できるツボを3つご紹介します。

左から太衝(たいしょう)、神門(しんもん)、内関(ないかん)です。

頭痛のツボで紹介した太衝は、足の親指と人差し指の間の凹んだ部分にあり、イライラしたときに緊張を抑える働きがあります。

太衝を押して痛みが強い方は、普段からイライラしやすいタイプといえます。

動悸や息苦しさで紹介した神門です。

手関節の小指側の骨にあります。

神門は、自律神経の興奮を抑えリラックスさせる働きがあります。

気分が落ち込んだときにおすすめです。

指圧やお灸でも効果的です。

吐き気のツボとして有名な内関です。

手関節から肘に向かって指3本分肘側に進んだ部分にあります。

急に心臓がドキドキしたり、パニック時に効果的です。

そんなときは内関を親指で押しましょう。

心を落ち着かせ、精神的を安定させることができます。

6.まとめ

いかがでしたか?

自律神経失調症のツボを症状別にご紹介いたしました。

あなたの症状に合うツボをみつけて、コツコツと実践してみてください。

自律神経を整えるためには、焦らず継続的に行うことができるセルフケアが大切です。

その一つとして、ツボを使った東洋医学を生活の一部に取り入れてみてください。

自律神経失調症について詳しくはこちら

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