【症例】右手が上がらない肩の痛み 50代女性

主訴

  • 1年前から右肩が痛くなり、右手が上がらない。
  • マッサージや鍼治療をしていたが、時間がとれなくて続けられなかった。
  • 運動不足や介護などが原因と考えられるとのこと。

症状

・服の着脱衣はできるが、痛い。

・肩の外転(手を横から上げる動き)120度で痛い。

・肩の屈曲(手を前から上げる動き)170度で痛い。

・肩の外旋(肩を外に捻る動き)痛い。

・棘下筋(肩の後ろ、肩甲骨についている筋肉)収縮させると痛い。

・肩のどの動きをしても同じ部位(三角筋後部線維)が痛い。

 

トリガーポイント鍼療法

三角筋後部トリガーポイント

三角筋後部線維のMPSと判断し、トリガーポイント鍼治療を行いました。

三角筋は、前部・中部・後部線維があり、それぞれが肩の前から後ろにかけて覆っています。

今回は、肩の後ろにある三角筋後部線維のトリガーポイントが原因でした。

【治療部位】

三角筋後部線維、棘下筋など

1回目:痛みを感じている部位(三角筋後部線維)を押すと激痛がある。

2回目:鍼治療後は、少し痛みが変わったような気がする。

3~4回目:真っすぐ腕を上げにくい。腕を耳につけようとすると痛い。肩の動く範囲は広がっている。

5回目:良くなってきた。

6回目:前回の鍼治療後から、腕が上がるようになってきた。痛みは、三角筋後部線維にはっきりした痛みになった。

7回目:かなり調子が良くなった。

8回目:肩の動きも正常範囲となり日常生活で困ることがなくなった。

9回目:1ヵ月後来院。忙しくなかなか来れなかったが、調子良い。

一旦終了。

 

まとめ

治療期間は、週1回のペースで約3ヵ月間治療しました。

今回の症例は、痛みのある部分が1箇所はっきりとしていたので、治療をしていく過程で、徐々に良くなっていきました。

このような五十肩の治療は、鍼治療と運動を併用しながら治していかないとなかなか治りません。

特に肩周りの筋肉が固まってしまっている場合は、鍼で筋肉の緊張をほぐし、なおかつ動かすことで改善していきます。

五十肩は重症から軽症の症状まで多岐にわたるので、治っていく過程は、人それぞれです。

根気強く継続して治していくことが重要です。

 

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