【症例】乳がん手術後のホルモン剤による左肩の痛み 60代女性

主訴

  • 10ヵ月前から左肩と腕が痛く、手が上がらない。
  • 一昨年、乳がんで左全摘をし、その時は右肩が同じような症状になった。(ステロイド注射を3回して改善)
  • その後、ホルモン剤を服用していると、今度は左肩痛くなり、薬を変えたが、関節の可動域が制限された。
  • 先日まで整体に通っていたものの変化がないので、少しでも日常生活に支障がないレベルまで治したいと当院へ来院。

症状

左肩の前と後ろ、肩甲骨周りが特に痛い。

常に鈍痛がある。

夜の痛みと朝の突っ張り感が辛い。

腕を前方に上げる(肩屈曲)…100°まで

腕を横に上げる(肩外転)…90°まで

腕を後ろに上げる(肩伸展)…可動域制限なし

少し肩を動かすだけでも痛みの余韻が残る。

トリガーポイント鍼療法

  • 棘下筋トリガーポイント
  • 三角筋中部線維トリガーポイント

施術部位

棘下筋、三角筋、肩甲下筋、肩甲骨周りの筋肉など

五十肩と同様の症状を呈しており、肩関節周りの筋肉に対して、トリガーポイント鍼療法を行いました。

症状経過

1回目:鍼治療に恐怖感があるため、細い鍼で低刺激。

2回目:鍼後夕方まで調子良かったが、また痛くなった。

3回目:肩のストレッチ指導。

4回目:肩の痛みが減少。胸の方に痛みが広がる。

5回目:胸の痛みが減少。寝返りが痛い。

6回目:肩関節の前面が痛い。

7~12回目:少しずつ良くなっている。

13回目:肩甲下筋の鍼治療を追加。

14~18回目:肩の可動域が上がってきた。特に前方へ上げやすくなった。

19~20回目:両腕を一緒に上げると可動域が広がる。

21回目:今までで一番可動域が広くなった。

22~25回目:脱衣やシャンプーなど楽になった。

26~27回目:腕を横から上げると前面が痛い。

28~30回目:全体的に痛みが和らぎ、可動域も広がった。筋力が戻っていないので、腕を上げてもキープするのが難しい。

31~33回目:捻りながら上げると難しい。家でもしっかり動かしている。

34~38回目:筋力が戻り、日常生活でも支障がなくなった。終了。

まとめ

週2回の鍼治療から始め、その後週1、2週間に1回施術を行いました。

回数はかかりましたが、少しずつ可動域が広がり、日常生活でも問題がなくなりました。

同じような症状でお困りの方は、ご連絡ください。

五十肩について詳しくはこちら

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