【症例】腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛 30代男性

主訴

  • 平成23年10月、腰痛発症。レントゲンでは「骨に異常なし。ヘルニアではない。」と診断され、痛み止めとして湿布を処方される。経過観察。日によって腰のだるさの波はあるが、痛みは軽減。
  • 平成27年11月、右殿部の付け根(お尻のくぼみ)に痛みを感じる。テニスボールを殿部に圧迫すると一時的にだるさがなくなるが、すぐ戻る。椅子に座って背もたれに寄りかかりながら、足を前に出す体勢をとると、もも裏~膝裏にかけて軽い痛みが走る。体が硬くなって筋肉が硬くなっていると思い、ストレッチなどをしてみるが、あまり効果がない。
  • 平成28年1月、右足の痛みがひどくなる。立っているだけで右殿部~膝裏にかけて痛み。気温の低い場所にいると、痛みがふくらはぎまで広がる。温かい場所では痛みは軽減される。
  • 平成28年2月、痛みが強く、歩行に支障をきたすようになったので、整形外科を受診。MRI検査の結果、第4.5腰椎椎間板ヘルニアと診断される。ヘルニアが坐骨神経の出発点を圧迫しているため、足に症状が出ていると言われる。また、股関節の隙間が少ないため足の付け根に痛みが出ていると言われる。腰部と股関節に注射を行い、湿布を処方されるが、特に変化はなし。その後、整体にいくが、改善した実感はない。
  • その後、気温が上がったこともあり、以前ほどの痛みではないが、相変わらず常に痛みがあり、長時間立つことも辛い。痛みの範囲は、右殿部~膝裏、ふくらはぎである。

症状

・筋肉を伸ばしたようなピリッとした痛みがある。

・座っていると痛みはない。歩くと痛みがあるが、同じ姿勢で立っているときが一番痛い。

・冷えや天候により症状が悪化する。

トリガーポイント鍼療法

大殿筋トリガーポイント

大殿筋トリガーポイントを中心に鍼治療をしました。

まずは、今の痛みを半分にすることと長時間立位での痛みをなくすことを目標に、週一で治療しました。

1~2回目:エコーガイド下(大殿筋)をメインに治療。殿部の痛みの範囲が狭くなっている。ハムスト~下腿の痛みはまだ変化なし。

3~6回目:鍼後は楽だが、2.3日で戻る。しかし、最初の状態に比べれば、部分的な痛みに変わった。

7回目:最初の痛みを10とすれば3になる。痛む場所がころころ変わる。日常生活に支障なし。

8回目:今日は左足の感覚が鈍っている。鍼の響きはよくわかるが、触られる感覚がない。左をメインに治療。

9~11回目:治療するごとに左足は良くなった。

12回目:少し痛みがあるものの良くなった。

まとめ

治療をしていく過程で痛みの部位が変わることがあります。

それは鍼により、効果が出ている証拠です。

ヘルニアによる坐骨神経痛は、構造上の問題であって今起きている痛みの症状とは違いますので、継続して治療することで効果が出ます。

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