突発性難聴の治療を受けているのに、めまいだけがなかなか治らない。
そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
聞こえは少しずつ戻ってきたのに、ふらつきや体が浮いているような感覚が続くと、「このまま一生治らないのではないか」と心配になりますよね。
しかし、めまいは聴力とは異なる経過をたどることがあり、聞こえが改善しても、めまいだけがしばらく続くことは決して珍しいことではありません。
また、めまいが残っていることと改善が止まったことは必ずしも同じではありません。
回復には時間がかかる場合もあり、少しずつ良くなっていく方もいます。
この記事では、突発性難聴でめまいが治らない理由やどのくらいの期間続くことがあるのか、改善する可能性、そして今できることについて、さらに長年突発性難聴の患者さんを診てきた臨床経験をもとに詳しく解説します。
この記事を読み終える頃には、今の症状はどのような状態なのか、これから何をすべきなのかが整理でき、不安を少しでも軽くできるはずです。
1.突発性難聴でめまいだけが治らないことはある?
突発性難聴では、治療によって聞こえが改善してきたにもかかわらず、めまいやふらつきだけが残ることがあります。
このような経過は決して珍しくありませんが、「何か悪くなっているのではないか」「治療が効いていないのではないか」と不安になる方も多くいます。
しかし、聞こえとめまいは必ずしも同じように回復するわけではありません。
内耳には、聞こえをつかさどる蝸牛(かぎゅう)と、体のバランスを保つ前庭という器官があります。
突発性難聴では、この両方に障害が及ぶことがあり、それぞれ回復するスピードが異なるためです。
その結果、聞こえは改善しても、ふらつきや体が浮いているような感覚、頭を動かしたときの違和感などが残ることがあります。
また、めまいが残っていることと改善が止まったことは必ずしも同じではありません。
めまいは聴力よりも回復に時間がかかることがあり、少しずつ改善していくケースもあります。
まずは、「めまいだけが治らない」という経過は決して珍しいことではなく、それだけで回復が止まったとは判断できないことを知っておきましょう。
2.突発性難聴のめまいはいつまで続く?
突発性難聴に伴うめまいが続く期間には個人差があります。
発症直後の激しい回転性めまいは、数日から1週間程度で落ち着くことが多いとされています。
しかし、回転性めまいが治まった後も、「ふわふわする」「体が浮いているように感じる」「歩くとふらつく」といった症状が数週間から数ヶ月続くことは珍しくありません。
このような経過をたどるのは、内耳の状態が回復していくことに加え、体のバランス機能を回復させるために、脳が左右のバランスの違いに適応する前庭代償という働きが必要になるためです。
そのため、聞こえが改善していても、めまいだけが遅れて回復することがあるのです。
また、めまいは昨日と今日で大きく変わる症状ではありません。
あまり良くなっていないと感じてしまう方も少なくありませんが、1週間前、1ヶ月前と比べると、「以前より外出しやすくなった」「歩くときの不安が減った」「スーパーで買い物ができるようになった」など、日常生活の変化として改善を実感する方もいます。
一方で、数ヶ月経過しても症状がほとんど変わらない場合は、改善のスピードが緩やかになっている可能性も考えられます。
そのため、めまいが続いている期間だけで「もう治らない」と判断するのではなく、症状が少しでも軽くなっているか、日常生活が以前より送りやすくなっているかという視点で経過をみることも大切です。
3.めまいが治らないときにできること
めまいが続いているからといって、何もできることがないわけではありません。
まず大切なのは、耳鼻咽喉科で受けている治療を自己判断で中断しないことです。
突発性難聴では、発症からできるだけ早く適切な治療を行うことが重要とされていますが、症状の経過をみながら治療内容を見直したり、必要に応じて追加治療を検討したりすることもあります。
また、急性期を過ぎてもふらつきが続く場合には、前庭リハビリテーションが勧められることがあります。
前庭リハビリテーションとは、頭や体を少しずつ動かしながら脳の前庭代償を促し、バランス機能の回復を目指すリハビリです。
症状に合わせて行うことで、日常生活で感じるふらつきの軽減が期待されます。
日常生活では、十分な睡眠をとり、疲労やストレスをため込まないことも大切です。
一方で、めまいが怖いからといって、必要以上に安静を続けることが必ずしも回復につながるとは限りません。
もちろん無理をする必要はありませんが、医師の指示のもと、少しずつ日常生活に戻ることが前庭代償を促す助けになります。
発症から数週間〜3ヶ月程度経過していても、改善の可能性が残されているケースもあります。
また、めまいが長引く背景には、突発性難聴による内耳の障害だけでなく、首や肩の筋肉の緊張や自律神経の影響が関係していると考えられる方もいます。
実際に当院でも、このような状態を併せ持つ患者さんが多く来院されています。
内耳だけでなく、全身の状態も含めて評価することが大切です。
自己判断で諦めるのではなく、その時期に適した治療を受けながら経過をみていくことが改善につながります。
4.このような場合は早めに再度相談しましょう
突発性難聴によるめまいは、時間の経過とともに少しずつ改善していくこともあります。
しかし、すべてのケースが同じ経過をたどるわけではありません。
そのため、症状が長引いている場合や次のような変化がみられる場合には、自己判断せず耳鼻咽喉科へ相談することが大切です。
- めまいが以前より強くなっている
- 数ヶ月経過しても症状がほとんど変わらない
- 日常生活や仕事に大きな支障が続いている
- 手足のしびれやろれつが回らないなど、めまい以外の神経症状が現れた
また、突発性難聴以外にも、良性発作性頭位めまい症(BPPV)や前庭性片頭痛など、別の病気が重なっていることもあります。
症状が改善しない場合は、「突発性難聴だから仕方ない」と決めつけるのではなく、現在の症状について改めて評価を受けることも大切です。
適切な診断を受けることで、その時期に合った治療や対応につながる可能性があります。
5.まとめ
突発性難聴でめまいが治らないと、「このまま一生治らないのではないか」と不安になるのは当然です。
しかし、めまいは聴力とは異なる経過をたどることがあり、聞こえが改善しても、めまいだけがしばらく続くことは決して珍しいことではありません。
また、めまいが残っていることと改善が止まったことは必ずしも同じではなく、前庭代償によって時間をかけて少しずつ改善していく方もいます。
この記事のポイントは次のとおりです。
- 聞こえが改善しても、めまいだけが残ることは珍しくない
- めまいは聴力よりも回復に時間がかかることがある
- 改善は昨日と今日ではなく、1週間前、1ヶ月前と比べて判断することが大切
- 前庭リハビリや生活習慣の見直しなど、今できることもある
- 自己判断で諦めず、その時期に適した治療を受けることが大切
めまいが続いているからといって、改善する可能性がなくなったとは限りません。
病院で受けられる治療は最後まで受ける。
そして、改善する可能性が残されているのであれば、その可能性に挑戦できる環境を整えることも大切です。
一人で悩み続けるのではなく、主治医と相談しながら、ご自身が納得できる治療を選択してください。
突発性難聴でめまいだけが治らない方へ
聞こえは戻ってきたのに、めまいだけが治らない。
そのような患者さんは当院にも多く来院されています。
発症から3ヶ月以内であれば、改善の可能性が残されていることもあります。
突発性難聴によるめまいやふらつきでお悩みの方は、ご相談ください。
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参考文献
1.日本聴覚医学会. 急性感音難聴診療の手引き 2018年版. 金原出版, 2018.
2.Clinical Practice Guideline: Sudden Hearing Loss (Update)
3.Clinical Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Acute Sensorineural Hearing Loss
4.Vestibular Rehabilitation
5.Dizziness and Vertigo: Practical Approach
6.Nationwide epidemiological survey of idiopathic sudden sensorineural hearing loss in Japan
7.御任一光, 神崎晶, ほか. 突発性難聴の予後予測因子に関する検討
運営者情報
| 会社名 | 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」 |
| 代表者 | 代表取締役・院長 中石真人 |
| 経歴 | 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校
トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。 |
| 資格 | 鍼灸師・柔道整復師 |
| 創業 | 平成24年9月3日 |
| 所在地 | 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702 |
| 電話 | 050-1255-9166 |
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