【症例】右肘外側の骨の出っ張りの痛み 50代女性

主訴

  • 5ヵ月前から右肘外側の骨の出っ張りが痛い。
  • 週4でテニスをしている。
  • 3ヵ月前に病院で「テニス肘」と診断され、リハビリ、電気治療、マッサージなどを受けていた。
  • 現在は、週1で整体や整骨院へ通院中である。
  • それぞれの治療により、肘の動きは良くなったが、肝心の痛みだけが残っている状態で、テニスをしながら治したいとのことで来院。

症状

・日常生活では、重い物を持つと痛い。

・手首を上に反らすと痛い。

・中指を上に反らすと痛い。

・肘の外側の骨の出っ張りを押すと激痛が走る。

トリガーポイント鍼療法

橈側手根伸筋トリガーポイント

これは、長橈側手根伸筋という筋肉で、上腕骨外側上顆に付いています。

上腕骨外側上顆に付いている筋肉は、他に総指伸筋や腕橈骨筋などがありますが、テニス肘の痛みは、これらの筋肉にもトリガーポイントができています。

また、筋肉のトリガーポイントが良くなっても痛みが残る場合は、上腕骨外側上顆の骨膜にトリガーポイントが形成されていることが多いです。

そのため、骨膜と筋肉の両方を同時に治療していきました。

【治療部位】

上腕骨外側上顆の骨膜、腕橈骨筋、橈側手根伸筋、総指伸筋

1回目:治療の効果が出始めるまでは、テニスを中断する。少し痛みが減った。

2回目:上腕骨外側上顆よりも上方の方が気になる。

3回目:上腕骨外側上顆の裏が痛い。

4回目:上腕骨外側上顆の裏を集中的に治療する。何かの拍子に痛みが出ることがある。

5回目:良くなっている実感がある。テニスを再開。

6回目:痛みの範囲が狭くなってきている。

7回目:テニスをして痛みはあるが、悪化することはない。バックハンドで思い切り打ちたい。

8回目:良くなっている。今は痛いとこを探すような感じ。明日試合に出る。

9回目:調子良い。

10回目:ピンポイントで痛いということは、なくなった。

11回目:全体的に張っている感じ。

12回目:今日は上腕骨内側上顆や内側の筋肉が張っている。

13回目:痛みが上腕骨外側上顆から肘頭に広がる感じがある。

14~16回目:骨の出っ張りの痛みはなくなり、筋肉が張る感じはあるが、調子良い。

現在、メンテナンス中。

まとめ

テニスによる繰り返し動作で痛みが出ている症例でした。

初めは、土日の2日間連続で治療し、その後5回目から週1での治療に切り替えました。

通常、9回目の治療で治療を卒業してもいい状態でしたが、週4でテニスをしているため、どうしても筋肉が張りやすくなったり、痛みが再発する可能性も考えて、現在は月1で治療を継続しています。(本人の希望)

メンテナンスにより、痛みの再発がなく、楽しくテニスができているようです。

テニスをやりながら治していくことは難しいです。

通常は、肘に負担のかかる動作はやめて、治療に専念した方が治りは早いです。

今回は、本人が「テニスをしながら治したい」ということで、その人の気持ちを大切にしました。

治療は人それぞれです。

その人の気持ちに寄り添った治療をしていきたいと思います。

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