突発性難聴の回復過程は?いつ治る?

突発性難聴の回復過程は?いつ治る?
  • 突発性難聴はいつ治る?
  • どんな感じで治っていくの?
  • 突発性難聴の回復していく過程を知りたい!

このような悩みを抱えていませんか?

突発性難聴は、突然の片耳の聴力低下で発症し、その原因がはっきりしない感音難聴です。

突発性難聴の1/3は完治し、1/3は難聴や耳鳴りが残るものの日常生活に支障がない程度まで回復し、その他の1/3は残念ながら症状固定で治らないと言われています。

発症直後からの早急な治療が予後を大きく左右するのはわかっていますが、早期に治療開始しても完治するとは限らず、回復過程には症状の重症度など個人差があるのも事実です。

この記事では、過去の論文や臨床経験から、突発性難聴の重症度に応じた回復過程を解説しています。

是非、参考にしてみてください。

1.突発性難聴の重症度分類

1.突発性難聴の重症度分類

聴力検査によってどの程度の状態なのか把握することができます。

125Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hzの5周波の平均の値を算出し、重症分類を判定します。

Grade1は軽度、Grade4は失聴になり、大きい数字ほど聞こえていないということです。

重症度が上がるにつれ予後が悪くなります。

  • Grade1(軽度)…平均40dB未満
  • Grade2(中等度)…平均40dB~60dB
  • Grade3(重度)…平均60dB~90dB
  • Grade4(失聴)…平均90dB以上

2.突発性難聴の回復過程

2.突発性難聴の回復過程

2-1.発症後1週間以内の改善が重要

いくつかの論文や参考資料を基に、突発性難聴の回復過程を考察してみました。

突発性難聴の回復過程は、発症初期の治療介入タイミングと重症度に大きく依存します。

研究によれば、発症から1週間以内に治療を開始した患者では、聴力の回復率が高いことが確認されています。

特に初診時の聴力レベルやめまいの有無が予後に影響します。

聴力レベルと回復率の傾向は以下の通りです。

  • Grade 2 (40-60dB未満)…めまいがない場合は治癒率約60%、聴力改善率は平均80%以上。
  • Grade 3 (60-90dB未満)…めまいがある場合でも治癒率約40%、聴力改善率は60%程度。
  • Grade 4 (90dB以上)…聴力回復が困難で、特にめまいが伴う場合は予後が悪化。

どの論文でも共通していたのは、発症後すぐ治療を開始し、1週間経過したとき改善がみられたものがその後の聴力回復の可能性が大きく向上すると示されています。

一方で、1週間以内に改善がみられない場合は回復の見込みは低下しますが、治療継続により一部ではありますが、聴力が改善することがあります。

Grade 4以上の重症例では、100dBを超える聴力損失の場合でも治療による回復が期待できるケースがあります。

ただし、予後は一般に悪く、特にめまいを伴う症例では治癒の可能性が低いとされます。

2-2.発症から1ヵ月を過ぎた場合の回復率

複数の研究では、発症から1ヵ月を過ぎた時点で聴力が改善していない場合は、回復の可能性が低下することが報告されています。

下記のような臨床データがあります。

  • 軽症〜中等症…1ヵ月以内に50〜70%の患者が回復。
  • 重症例…回復率は30%程度と低下するが、完全な聴力喪失とは限らない。

完全に改善が見られなくても、部分的な回復や生活の質の向上が見込まれるため、医師と相談しながら治療を続けることが重要です。(3~6ヵ月程度)

症状の固定については、1~3ヵ月ほどで固定となります。

一番重症であるGrade4の6割は、1ヵ月で症状固定となりますが、中には6ヵ月で症状固定となった報告もあります。

つまり、発症から半年間は改善の可能性があるということです。

2-3.回復過程に影響を与える要因

  1. 重症度…聴力低下が軽度であるほど回復の可能性が高い。重度難聴の場合でも治療を早期に始めれば改善するケースもある。
  2. 治療開始のタイミング…ステロイド治療などを発症から早期に始めることで、回復率が向上する。
  3. 付随する症状…めまいや耳鳴りが重症である場合は、回復までの時間が長くなる傾向がある。
  4. 患者の体質や生活習慣…血流改善が回復に寄与するため、禁煙や適度な運動が必要。

3.まとめ

いかがでしたか?

複数の論文から共通点を抜粋して、当院の臨床経験から考察してみました。

論文によっては内容が微妙に違う部分もありましたが、発症1週間の改善次第で予後が左右されることがわかりました。

また重症であっても発症から3~6ヵ月は完治しなくても改善する可能性は残っていますので、諦めず治療することが大切です。

参考文献・論文

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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