- 突発性難聴の薬は、どんなものがある?
- 一般的にはステロイドが使われるけど、効果や副作用は?
- 市販薬は効くの?
このような悩みを抱えていませんか?
突発性難聴は、突然発症する高度な聴力低下で、原因は不明とされることが多い病気です。
その治療には早期対応が非常に重要で、特に発症から1~2週間以内に適切な治療を開始することで、回復の可能性が高まるとされています。
一般的にはステロイドが使われますが、その他の治療薬もあります。
この記事では、突発性難聴の治療に使われる薬剤について、効果や副作用、使用感、市販薬は効くのかについて解説しています。
是非、参考にしてみてください。
1.突発性難聴の薬の効果と副作用
突発性難聴の治療に用いられる薬剤は主に以下の4つに分けられます。
- ステロイド薬…突発性難聴の第一選択薬として広く使用される。
- 血流改善薬・循環改善薬…内耳の血流を促進する目的で処方される。
- 抗ウイルス薬…ウイルス感染が疑われる場合に使用されることがある。
- 市販薬やサプリメント…補助的な役割を期待して利用されることがある。
基本的にはステロイド薬が使われ、症状に応じて血流改善薬や循環改善薬が使われことがほとんどです。
1-1.ステロイド薬
突発性難聴の治療に最も効果があるとされるのはステロイド薬です。
これらは内耳の炎症を抑える効果があり、聴力の回復を促進します。
プレドニゾロンやデキサメタゾンが一般的に使用されます。
投与方法としては錠剤が主流で、1日20~60mg程度が処方されることが多いです。
ステロイド錠剤は、基本的に無味またはわずかに苦味があります。
病院での入院治療が必要な場合は、ステロイドを点滴で投与します。
また鼓室内注入という鼓膜に直接ステロイドを注入する方法で、副作用を軽減しつつ高濃度の薬剤を内耳に届ける方法もあります。
ステロイド治療は、発症後早期に行うほど聴力回復の可能性が高まり効果がある薬です。
ただし、全ての人に効果があるわけではなく、発症から時間が経過すると回復率が低下します。
また、ステロイドが使えない方もいるので、違う方法を探す必要があります。
問題となる副作用は、一般的には胃腸障害(胃痛、吐き気)、不眠、むくみなどが挙げられます。
長期使用時のリスクとして免疫抑制、骨粗鬆症、糖尿病の悪化などがあり、1週間服用が一般的です。
長くても2週間でしょう。
注意点として、アルコールやカフェインの摂取は避けます。
これらは薬の代謝に影響を与え、副作用のリスクを高める可能性があります。
1-2.血流改善薬・循環改善薬
主な種類は、イソソルビド(内耳の浮腫を軽減)とプロスタグランジン製剤(血管拡張作用による内耳の血流を改善)です。
経口薬は錠剤や液体で処方され、イソソルビドは液体薬で提供されることが多く、甘みのあるシロップ状の味です。
プロスタグランジン製剤は点滴で投与されることが一般的です。
血流改善薬は内耳の血流を増加させる効果が期待されますが、副作用として、頭痛やほてり感が挙げられます。
2.市販薬は効果があるのか?
次のような市販のサプリメントが補助的に使用されることがあります。
- ビタミンB群…神経の再生を促す効果が期待される。
- イチョウ葉エキス…血流改善作用がある。
突発性難聴そのものを治療する市販薬はありませんが、耳鳴りや耳の不快感に対処する市販薬やサプリメントがいくつか販売されています。
これらはあくまで補助的な役割を果たすもので、根本的な治療になるものではありません。
以下に市販薬を表にまとめてみました。
市販薬 | 主成分 | 効果 | 副作用 |
キョーレオピン | ニンニク抽出成分(アリシン誘導体)
ビタミンB1 |
血流促進作用により、耳鳴りや頭重感の軽減。
ストレス軽減や疲労回復も補助的にサポート。 |
胃の不快感や吐き気。
稀にアレルギー反応(発疹など)。 |
アデホスコーワ顆粒 | アデノシン三リン酸二ナトリウム(ATP) | 血流を改善し、耳鳴りや内耳の循環障害に効果がある。
めまいや疲れに対する補助的な改善。 |
軽度の胃腸障害(吐き気、腹部不快感)。
アレルギー反応(発疹、かゆみ)。 |
メチコバール(ビタミンB12補助薬) | メコバラミン(ビタミンB12) | 神経修復をサポートし、耳鳴りや感覚障害の緩和。
耳の不快感や軽度の痺れ感を改善する補助効果。 |
比較的安全。
過剰摂取で軽い胃腸障害や頭痛が起こることがある。 |
イチョウ葉エキス配合サプリメント | イチョウ葉エキス | 血流改善効果があり、耳鳴りや軽度の難聴症状に効果。
集中力や記憶力の向上をサポート。 |
頭痛、胃腸の不快感。
血液をサラサラにする効果があるため、抗凝固薬を服用している人は注意が必要。 |
ナボリンS | ビタミンB1誘導体(フルスルチアミン)
ビタミンB6 ビタミンB12 |
末梢神経の働きをサポートし、耳鳴りや神経の疲労に対処。
内耳の神経再生を助ける可能性。 |
吐き気や胃の不快感。
稀にアレルギー反応。 |
エーザイ チョコラBBシリーズ | ビタミンB群(特にB2、B6) | 神経の疲労を回復し、耳鳴りや耳周辺のだるさを軽減するサポート。
肌や疲労改善にも効果が期待される。 |
軽度の胃腸症状。 |
市販薬は、耳鳴りや耳の違和感が軽度である場合に生活の質を向上させるための補助的な選択肢として利用できます。
特に、ストレスや疲労が原因の耳鳴りに対しては、ビタミン剤や血流改善作用のあるサプリメントが効果を発揮する場合があります。
ただこれらの市販薬やサプリメントは、医療機関で処方される薬剤と比べて効果が限定的です。
突発性難聴には効果が科学的に証明されたステロイド治療や血流改善薬などがまずは使われます。
市販薬はこれらの薬剤と同等の効果を持たず、補助的な役割に留まります。
市販薬は突発性難聴の治療としては不十分であり、効果がないのが現実です。
つまり、ステロイド薬や血流改善薬で改善しない場合に市販薬を試したところで変わらないということです。
3.薬の効果がない場合は薬以外の選択
一般的には、3つ方法があります。
- 鼓室内注射療法…ステロイド薬を直接鼓室(中耳)に注入し、内耳に作用させる治療法。特に難治性の突発性難聴に対して有効とされる。複数回(1~3回程度)の治療が必要で鼓膜に小さな穴を開けるため、わずかに不快を感じることがある。
- 高気圧酸素療法…専用のチャンバー内で純酸素を吸入し、血中酸素濃度を高める治療法。内耳への血流と酸素供給を改善し、損傷した細胞の回復をサポート。ステロイド治療と併用されることが多い。
- 鍼治療…耳周りの血流改善や自律神経の調整を目的に行う。
薬の効果がない場合は、病院で一通りの治療はしていると思いますので、ここでは鍼治療をおすすめします。
当院は鍼灸院ですので、突発性難聴の鍼治療を行っています。
病院と並行して行うことができるので、症状緩和のために鍼治療を選択してみてください。
4.まとめ
いかがでしたか?
突発性難聴の治療には、ステロイド薬を中心とした適切な薬剤の選択が重要です。
特に発症初期には迅速な対応が求められ、市販薬に頼るべきではありません。
また、治療薬にはそれぞれ効果と副作用があるため、医師の指導に従って使用することが大切です。
残念ながら薬の効果が見られない場合は、薬以外の選択肢もありますので、後悔のない選択をしてください。
運営者情報
会社名 | 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」 |
代表者 | 代表取締役・院長 中石真人 |
経歴 | 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校
トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。 |
資格 | 鍼灸師・柔道整復師 |
創業 | 平成24年9月3日 |
所在地 | 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702 |
電話 | 050-1255-9166 |
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