【症例】鼻をかみすぎて音が聞こえなくなった突発性難聴 70代女性

主訴

  • 1ヵ月前に黄砂の影響で鼻をかみすぎて、突然音が聞こえなくなった。
  • ちょうど夜遅いバイトを始めた頃で精神的にもしんどく、家に帰ってからそのまま寝たりしていて生活が乱れていたのが根本的な原因と考えている
  • 発症3日後にかかりつけ医で薬を処方、他の耳鼻科で中耳炎の一歩手前と診断され、抗生物質を処方されるも変化がない。
  • そのため他の耳鼻科にも行き、突発性難聴と診断され空気を通す治療を2回と漢方を服用している。
  • テレビでツボをテーマにした番組をしていて、鍼治療で治るのでは?と思い、当院へ来院。

症状

日常での会話において相手の話し声が聞こえない。

テレビの音が聞こえない。

水の中にいるような感じ。

耳鳴りもひどく、頭を叩く、噛む音も響く。

低い音は全く聞こえていない。

聴力検査でもほとんど聞こえていない状態。

問診時も大きな声でゆっくり話さないと聞き取りにくい。

トリガーポイント鍼療法

トリガーポイント鍼療法

施術部位

僧帽筋、肩甲挙筋、頭半棘筋、頚板状筋、胸鎖乳突筋、顎二腹筋、耳周囲など。

耳鼻科の先生によると1ヵ月経過しているので厳しいとの見解のようでした。

問診の中で自然治癒力が低下している可能性が高かったので、鍼治療で治癒力を上げ、耳鼻科との治療を並行して行うと良くなる可能性があることを説明し、納得して鍼治療を受けていただきました。

まずは週2回のトリガーポイント鍼療法を行いました。

症状経過

1回目:しっかり響かせる。

2回目:鍼治療翌日耳鳴りの種類が変わった。音が小さくなった。不眠ぎみで眠りが浅い日が続いているが、鍼治療中は眠っていた。

3回目:鍼治療中はリラックスできる。

4回目:電話や対面での会話は遠くで聞こえているような感覚。

5回目:50歳の頃から体温調節がうまくできなくなった。膜が張っているような感覚。耳鼻科で鼓膜に穴をあけて水を抜いた。

6回目:少しずつ良くなっている実感がある。活動的になると聞こえやすい気がする。

7回目:フィルターがかかっているような聞こえ方。テレビの音量は少し下がっているので多少改善している。

8回目:少しずつ聞こえるようになってきた。初回はテレビの音量は50だったが今は30くらい。

9回目:週1回の鍼治療とする。ジムへ行き意外と動けた。症状とは違うストレスがあり不眠ぎみ。テレビの音量は28くらい。

10回目:聴力検査で回復していたがまだ完全ではないよう。

11回目:テレビの音量は正常時と同じ値で聞こえている。日常生活ではほとんど苦ではなくなった。

12回目:2週間に1回の鍼治療とする。調子が良くなった。しばらくこのペースで続けて月1回へと移行する予定。

まとめ

重度の突発性難聴でした。

日々のストレスや睡眠不足、黄砂による鼻水などが体調不良を引き起こし、突発性難聴を発症したと考えられました。

突発性難聴の発症には睡眠不足や仕事の忙しさなど体が休めていない状態が続いている場合がほとんどです。

そのため自然治癒力が著しく低下しているので、耳鼻科での治療と並行して鍼治療を行うと良いです。

必ず改善するものではありませんが、症状が固定されると一生治らないので、発症後はすぐに治療を開始するべきです。

同じような症状でお悩みの方は、ご連絡ください。

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