治らない腱鞘炎は肩からくる!手首の痛みの治し方

  • 腱鞘炎がなかなか治らない。
  • そういえば肩こりもひどい。

このような悩みを抱えていませんか?

腱鞘炎の治療をしているけど、一向に良くならない方は、意外に多いです。

1ヵ月以上たっても治らない腱鞘炎は、肩からきている可能性があります。

この記事では、腱鞘炎が肩からくる理由、手首の痛みの治し方とストレッチについて書いています。

是非、参考にしてみてください。

1.腱鞘炎は辛い

大半が指の使い過ぎで腱鞘炎になります。

そのため、使わなければ自然と痛みが和らいでいくものです。

しかし、指を使わずに生活するなんて、ほぼ不可能です。

極力使わないように気を遣ってはいるけど、痛みがとれない方が非常に多いです。

1-1.腱鞘炎とは

腱鞘炎とは

腱鞘炎は、腱鞘に痛みや通過障害が起こります。

腱鞘とは、腱をパイプのように包んでいる部分のことをいいます。

この腱鞘があることで、指先を自由に曲げ伸ばしすることができます。

指の曲げ伸ばしをする際、この腱鞘の中を腱がスムーズに行き来するのですが、腱鞘が分厚く硬くなってしまうと「腱と腱鞘のこすれ合い」が生じます。

その結果、腱と腱鞘に炎症が起こり、痛みが現れます。

1-2.腱鞘炎の原因

一番の原因は、手首や指の使い過ぎによるものです。

パソコン作業、楽器の演奏、文字を書くなど手をよく使う仕事によって発症します。

また、年齢や糖尿病によっても腱鞘自体がむくみなどにより厚くなることで発症することがあります。

その他、更年期や出産、妊娠中の女性はホルモンバランスの影響で発症するケースもあります。

女性が腱鞘炎になることが多いのは、そのためです。

1-3.腱鞘炎の種類

1-3-1.ドケルバン病

ドケルバン病は、親指側の手首の痛みです。

親指を広げる、反らす、曲げるなどの動きで激痛があり、腫れが出ることもあります。

物を持つ、蓋を開ける、つまむ動作など痛みを感じることもあります。

1-3-2.ばね指

手のひら側で腱鞘炎が生じ、症状が進行すると、ばね現象が起こります。

ばね現象とは、腱鞘が厚く硬くなることで、腱がスムーズに腱鞘の中を通ることができなくなります。

指を曲げる際の引っかかりや曲げても元に戻すことができなくなる現象のことです。

指を強く動かそうと力を加えたときに、腱鞘部分でカクンと腱鞘を通過するので、ばね指といいます。

1-4.腱鞘炎の症状

指を動かしたときの瞬間的な痛みが一般的で、炎症がある場合は、左右を比べると腫れが確認できます。

女性の場合は、腫れがなかなか引かないケースがあります。

炎症による腫れではなく、ホルモンバランスによるむくみの可能性も考えられます。

慢性的な腱鞘炎になると、午前中症状が悪化することがあります。

それは、寝ている間に体がむくむので、生理的な変化によって悪化していると考えられます。

2.肩こり持ちは腱鞘炎になりやすい!?

腱鞘炎がなかなか治らない理由は、どうしても手なので使わないわけにはいかず、痛みがとれないことです。

しかし、治療も受け、できる限り手の使い方には気を遣って生活しているのに、治らないことがあります。

その理由は、肩にあります。

治らない人は、決まって肩こりを訴えていることが圧倒的に多いのです。

2-1.肩から手に痛みが現れる理由

慢性的な肩こり持ちの人は、肩の筋肉にトリガーポイントができています。

トリガーポイントとは、「痛みの引き金になる点」という意味です。

銃の引き金を引くと弾が遠くに飛んでいくのと同じように、トリガーポイントが引き金になり遠くの場所に痛みを飛ばします。

その遠くの場所に感じる痛みを「関連痛」といいます。

痛い場所と痛みの原因が一致しないということです。

2-2.腱鞘炎のトリガーポイント

腱鞘炎のトリガーポイント

一般的に腱鞘炎のトリガーポイントは、手の使い過ぎが原因のため、肘から指までの筋肉や腱自体にトリガーポイントができます。

通常、これらのトリガーポイントを治療すれば痛みは楽になります。

2-3.肩の筋肉のトリガーポイント

  • 肩の筋肉のトリガーポイント
  • 肩の筋肉のトリガーポイント

腱鞘炎のトリガーポイントの治療で改善がみられない場合は、肩周りの筋肉のトリガーポイントを探します。

この図を見ると、肩や首の筋肉のトリガーポイントが指先まで痛みを飛ばしているがわかると思います。

トリガーポイントの特徴は、遠くの場所に痛みを飛ばすことです。

手首や指を治療しても改善がみられない場合は、肩周りを治療すると症状が和らぐ可能性が高いです。

腱鞘炎の治療+肩こりの治療も同時に行うと効果的です。

2-4.腱鞘炎から肩に痛みが出ることも

肩から手に痛みが出る場合を説明しましたが、その逆もあります。

元々、肩こりなど感じなかった方が腱鞘炎を患ったことで、肩の痛みが現れるケースもあります。

これは、腱鞘炎の痛みをかばうことで肩周りに負担がかかったと推測されます。

両方治療を並行して行うことが望ましいです。

3.腱鞘炎の治し方

3-1.安静にしてアイシングをする

腱鞘炎になってすぐは、炎症が激しい状態です。

局所を安静にし、冷やすことが大切です。

20分ほど冷やすと良いでしょう。

3-2.発症後1ヵ月以上経過したものは、温めストレッチを行う

いつまでも動かさないままではいけません。

炎症が治まり次第、温めストレッチをすることが大切です。

ただ、ストレッチで痛みがある場合は禁止です。

3-3.ステロイド注射

痛みが強く生活に支障をきたす場合は、ステロイド注射を打つことがあります。

湿布や薬は、あまり効果が期待できませんが、ステロイド注射は痛みの緩和が期待できます。

しかし、相応の副作用もあり、頻繁に注射をすると、腱が弱くなって切れてしまうことがあります。

主治医の先生としっかり相談することが大切です。

3-4.鍼治療

腱の痛みには、鍼治療が効果的です。

ステロイド注射は、頻繁に打てませんが、鍼治療は問題ありません。

注射に消極的な方は、鍼治療を行うことが多いです。

また、鍼治療は手首だけでなく、首や肩こりなど全体的に治療することが可能なので、原因をしっかり診てくれる鍼灸院を探すといいでしょう。

3-5.手術

極力手術は避けたものです。

仕事上手術をした方がいい場合もあるかもしれません。

生活環境を考えて選択してもらいたいところです。

4.まとめ

いかがでしたか?

腱鞘炎になって、時間が経過しても痛みがとれない場合は、局所だけでなく肩周りを含めた全体を治療することが大切です。

肩こりが楽になると、手首の痛みが和らぐケースがしばしば見受けられます。

なかなか治らない腱鞘炎は、トリガーポイント専門家にご相談ください。

腱鞘炎・ばね指について詳しくはこちら

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