【症例】肩甲下筋損傷による野球肩 10代男性

主訴

  • 中学3年生、硬式野球で投手をしており、1ヵ月前のピッチング中に肩痛を発症した。
  • 整形外科で肩甲下筋損傷と診断され、リハビリ中である。
  • リハビリ内容はインナーマッスルを鍛える予防中心のメニューで、肩痛が緩和されるイメージが湧かない。
  • 予防ではなく、痛みを根本的に取ってほしいと当院へ来院。

症状

現在は投球を中止しているので、以前より痛みは減少気味。

投球動作時に内・外旋で音が鳴るが、痛みはない。(悪化すると痛みとなる)

トリガーポイント鍼療法

  • 肩甲下筋トリガーポイント1
  • 棘上筋トリガーポイント

施術部位

肩甲下筋、棘上筋、棘下筋。

野球肩では、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋で構成される腱板に原因がある場合が多いです。

今回のケースは、①肩甲下筋②棘上筋③棘下筋の順で悪くなっていました。

まず、エコー下で肩甲下筋の単刺、その後横向きで棘上筋と棘下筋にトリガーポイント鍼療法を行いました。

症状経過

1回目:しっかり響かせる。肩甲下筋で認知覚あり。ネットスローから投球を再開するように指導。

2回目:ネットスロー(5mの距離)で痛みはなかった。もう少し距離をあけてみるように指導。

3回目:塁間の距離で5割の力で投げてみて、痛み、違和感ともになかった。8割の力で投げてみるように指導。

4回目:50mの距離で8割の力で投げて大丈夫だった。全体練習にも加わったとのこと。次回は全力で投げてみるよう伝える。その後、LINEで全く痛みなく以前のように投球ができるようになったと連絡を頂く。一旦様子見。

まとめ

2ヵ月後に全国大会予選があるとのことで、それまでに治せるよう週1で4回鍼治療を行いました。

あのままリハビリのみを続けていたら全国大会予選に間に合わなかったと思います。

リハビリはあくまで再発予防であり、痛みを取る治療ではありません。

同じような症状でお悩みの方は、ご連絡ください。

なかいし鍼灸院