【症例】右手根管症候群、中指と薬指の痛みと指全体のシビレ 50代女性

主訴

  • 2~3年前から症状があり、ここ1~2ヵ月で痛みが激しくなっている。
  • 病院では手根管症候群と診断され、ビタミンB12の薬を服用している。
  • 痛みがなんとか良くならないかと思い来院。

症状

・中指と薬指の痛み

・指全体~指先までのシビレ

・痛みは朝が特に痛む

・朝方が特に手に力が入りにくい

・日中は常にしびれている

・ボワーンとしたしびれとジンジンとしたしびれである

・しびれているときは、指先の感覚が鈍っている

トリガーポイント鍼療法

正中神経周囲の膜のMPSと判断し、トリガーポイント鍼治療を行いました。

【治療部位】

正中神経周囲の膜、前腕屈筋

手根管症候群トリガーポイント

真ん中を通っているのが正中神経で、掌で指に向かって分かれています。

そのため、指先がしびれます。

長年、症状が続いている方は、この正中神経ファシアに原因があります。

いわゆる正中神経の周囲の膜です。

1回目:エコーガイド下にて正中神経を確認し、その周囲の膜の癒着部分に刺鍼。2回目以降も同様の治療を行った。

2回目:痛みが軽減し、痛みで目が覚めることがなくなった。しびれは変化なくジンジンしている。

3回目:痛みがなくなった。しびれが気になるようになる。常に正座してしびれたときのようなジンジンしたシビレがある。

4回目:朝方のみ痛みがある。日中の痛みはない。しびれがはっきりしてきた。以前は指先の感覚がわからなかったが、わかるようになってきた。

5回目:痛みなし。しびれの範囲が狭くなった。以前は、指全体がしびれていたが、今は中指と薬指だけしびれている。

6回目:薬指の中指側が一番しびれが強く、中指は多少しびれている感じ。

7~8回目:朝方しびれが気になる。日中は気にならなくなった。

9回目:朝のしびれは日によってない日もある。

10回目:たまに母指がしびれる感覚があるが、全体的にはしびれがとれてきた。

11回目:しびれがなくなった。仕事など少し不安感はあるが、終了。

まとめ

2週間に1回の治療を継続して行いました。

症状は、3年ほど前から出ていたので、少し時間がかかるかなと思っていましたが、3回目の治療で劇的に痛みが減り、日常生活も苦にならなくなりました。

しびれはなかなかすんなりとれないケースが多いのですが、完全にしびれがなくなりました。

今までの鍼治療だと、2割ほどしびれが残ることが多かったのですが、エコーガイド下により正中神経を確認しながら鍼を打つことができるようになったことが、改善率を上げていると思います。

あとは、根気強く通院していただいたおかげで良い結果が出ました。

手根管症候群について詳しくはこちら

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