【症例】不完全型線維筋痛症による下半身の痛み 10代女性

主訴

  • 3年前に太もも、膝、ふくらはぎが安静時でも痛くなった。
  • 同時に複数箇所が痛むことはなく、日によって痛みの部位が変化する。
  • 当初は様々の病院で検査をして異常がなかったが、最近行った病院で不完全型線維筋痛症と診断された。
  • 現在、薬のみで対処しており、薬以外で治したいと思い来院。

症状

両腰、太ももの痛みが一番ひどい。

体操座りを長くすると、腰が痛くなる。

痛みの部位が毎日、あるいは短時間であちこち移動する。

痛みは激痛ではなく、一定の強さの鈍痛が続く。

頭痛が起きやすく、立ちくらみが度々ある。

生理痛がひどく、初日は学校を休む。

トリガーポイント鍼療法

  • 多裂筋トリガーポイント
  • 大腿直筋トリガーポイント

施術部位

多裂筋、大腿四頭筋、前脛骨筋、腓腹筋など

症状が日によって移動するので、今まで痛みが出たことのある部分に対してトリガーポイント鍼療法を行いました。

症状経過

1回目:鍼治療が怖いため、一番細い鍼で弱い刺激で施術。

2回目:全体的に痛い。今まで薬を毎日服用していたが、飲まない日もあった。

3回目:一昨日まで調子が良かった。

4回目:日によって痛みが移動するが、鍼治療を始めてから少しずつ痛みが軽減している。

5回目:1週間に1回、頭痛や肩こりがある。首、肩にも鍼を追加。

6回目:一昨日まで調子が良かった。

7回目:1ヵ月後に来院。ずっと調子が良かった。膝周りが少し気になる程度。

8回目:1ヵ月後に来院。腰の痛みがなくなった。

9回目:1ヵ月後に来院。以前は下半身が痛かったが、腰の痛みがとれて以来、頭痛と膝周りのみ痛い。

10回目:1ヵ月後に来院。調子が良く安定している。現在、メンテナンス中。

まとめ

6回目まで週1、または2週間に1回鍼治療を行いました。

線維筋痛症は原因のわからない厄介な病気です。

線維筋痛症にも痛みのレベルや症状の重さが人それぞれ違います。

今回の症例は、常に一定の鈍痛と同時に全身が痛くなるのではなく、日によって痛みが移動するのが特徴でした。

鍼治療をするたびに症状も改善していきましたが、線維筋痛症は、非常に難しい病気です。

良くなる方もいれば、鍼治療による悪化する方もおられます。

まずは、数回治療してみて効果が出るようなら続けていくことが重要です。

同じような症状でお困りの方は、ご連絡ください。

なかいし鍼灸院