【症例】歯科で治らなかった歯痛が鍼治療で改善した一症例 60代女性

主訴

  • 3ヵ月前から右上の歯が痛く歯医者に被せを取ったりして治したが良くならない。
  • 整形外科や内科にも行き、注射や漢方ももらったが、治らない。
  • 歯科の先生が「筋膜性の歯痛ではないか?」とのことで、紹介で当院へ来院。

症状

夜の鋭い痛みが強く眠れないのが一番辛い。

食事は問題ない。

右の咀嚼筋を押すと患部に響く。

トリガーポイント鍼療法

トリガーポイント鍼療法

施術部位

外側翼突筋、内側翼突筋、咬筋、側頭筋、顎二腹筋、胸鎖乳突筋、頭半棘筋など。

咀嚼筋である外側翼突筋を押すと右上歯の患部に響く関連痛が発生するため、咀嚼筋の筋膜性歯痛として、トリガーポイント鍼療法を行いました。

症状経過

1回目:外側翼突筋を中心に側頭部や頚部に鍼をしっかり打ち響かせる。

2回目:夜の痛みが多少減少。

3回目:昨夜が特に痛かった。

4回目:少し楽になってきた。痛みの強さが弱まり睡眠途中で目覚めること減った。

5回目:また少し楽になった。咀嚼筋を押すとまだ響く。

6回目:痛みが移動してきたように感じる。

7回目:夜間痛でまだ目が覚める。

8回目:気になる部位が変わり、ほうれい線沿いを押すと歯に繋がっているような感じがする。

9回目:今回は咬筋が気になるようになった。

10回目:現状維持。

11回目:良くなっていたのに自分でマッサージをしていたら悪化したかも。

12回目:初めは鋭い歯痛だったのがジワジワするような痛みに変化した。

13回目:外側翼突筋と頬筋の2ヵ所に痛みがある。

14回目:前回の部位は緩んだ。顎の裏が痛い。

15回目:顎の痛みは落ち着いている。夜はチリチリする痛みからチクチクする痛みに変わった。

16回目:日中は気にならない時間が増えた。朝3時に痛みで目覚める。

17回目:前回より少し良い。

18回目:鍼治療3日後から痛みが減り、微妙に違う部位が気になる。

19回目:「い」の口をすると右だけ凝りを感じる。

20回目:口を動かすと左右差がある。また痛む部位が移動した。

21回目:開口時のカクカクが減り、歯痛も減少している。

22回目:口を動かしたときの凝りが移動した。

23回目:初回は歯痛で目が覚めていたが、今は頬の鈍痛で目覚める。

24回目:日中の痛みが完全になくなった。夜間痛はまだある。

25回目:歯痛がなくなり、頬の痛みに完全に移行した。

26回目:重い痛みがあり、部位がまた移動した。

27回目:すごく楽になっている。痛みが出ない夜も少しずつ出てきた。今更だが、歯が原因ではないと確信できるようになった。

28~30回目:良い感じ。2㎝の範囲に凝りがある。

31~35回目:凝りの硬さが柔らかくなってきた。凝りが平らになってきたイメージ。

36回目:ほとんど気にならない状態。

37回目:夜も痛みなくぐっすり眠れる状態になった。完治として終了。

まとめ

初回は週2回、その後週1回の鍼治療を7ヵ月行い完治いたしました。

顎関節症ではないのですが、顎関節症で治療する部位にトリガーポイントができており、それが歯痛に繋がっていました。

そのため、歯の治療をしても効果がなく困っていました。

歯科医師の先生が筋膜性歯痛を疑っていただいたおかげで、改善に向かいました。

治っていく過程で、痛みの質や部位が目まぐるしく変化し、最終的にはトリガーポイントの部位の痛みが残るという、スタート地点に戻った感じでした。

同じような症状でお悩みの方は、ご連絡ください。

なかいし鍼灸院