過敏性腸症候群に良い食べ物とお腹に良い食事は違う

過敏性腸症候群に良い食べ物とお腹に良い食事は違う
  • 食物繊維
  • 発酵食品
  • 善玉菌
  • 腸内細菌

これらのキーワードは、お腹に良い食事と位置付けられています。

しかし、一般的に良いとされているお腹の調子を整える食べ物は、必ずしも過敏性腸症候群の人にとって良いとは限りません。

実は、過敏性腸症候群の症状を悪化させてしまう可能性があります。

この記事では、過敏性腸症候群に良い食べ物とお腹に良い食事は違うことを解説しています。

是非、参考にしていただき、過敏性腸症候群の改善にお役立てください。

1.一般的なお腹に良い食事とは

1.一般的なお腹に良い食事とは
  • 食物繊維…野菜、きのこ、フルーツ、豆類、いも類、海藻など。善玉菌を増やし、腸内環境を整える。
  • 発酵食品…納豆、ヨーグルト、チーズなど。腸内細菌を増やし、腸内環境を整える。

一般的なお腹に良い食事とは、食物繊維発酵食品を食べることです。

食物繊維は、腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やすことで、腸内環境を整えます。

発酵食品は、乳酸菌やビフィズス菌を摂取して腸内細菌を増やし、腸内環境を整えます。

このような腸内細菌関係の本などは多くありますが、あくまで健康体の人の腸にとっては良いということです。

過敏性腸症候群のような腸が弱い人が体質を改善しようと食物繊維や発酵食品を意識的に摂ると、余計悪化してしまう可能性があります。

2.過敏性腸症候群の人にとって食物繊維と発酵食品はNG

2.過敏性腸症候群の人にとって食物繊維と発酵食品はNG

2-1.食物繊維がNGな理由

食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。

野菜やフルーツに多く含まれる水溶性食物繊維は、腸内細菌により発酵させられ、ガスの発生や腹痛や下痢の原因となります。

また、食物繊維が多い食べ物の中にあるオリゴ糖は、善玉菌のエサになるため、健康体には良い食べ物ですが、過敏性腸症候群の人にとっては、過剰に発酵してガスが発生します。

その結果、下痢や腹痛を引き起こします。

特に過敏性腸症候群のガス型の人は、食物繊維を避けた方良いと言えるでしょう。

2-2.発酵食品がNGな理由

発酵食品の中には、糖質(オリゴ糖や乳糖など)を多く含むものがあります。

過敏性腸症候群の中でもストレスや緊張で下痢や腹痛を引き起こす場合は、発酵食品に含まれる乳酸菌などの善玉菌そのものは有効な成分です。

ただ、問題はこれらの発酵食品に糖質が含まれている点です。

発酵食品を摂取すれば善玉菌が摂れても同時に糖質も摂れてしまいます。

この糖質が腸の働きに悪影響を与えてしまいます。

善玉菌は発酵食品から摂るのではなく、サプリメントでビフィズス菌などの善玉菌を選択的に摂ることがおすすめです。

3.腸内細菌を増やすこともNG

腸内細菌は、乳酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸という短鎖脂肪酸を腸内で作ります。

これらは、感染症予防、血糖値の低下、悪玉コレステロールの低下などの働きをするため、腸内細菌を増やすことが健康にとっては大切です。

しかし、過敏性腸症候群の人は、すでに短鎖脂肪酸を作りやすい腸内細菌を持っていて、意識的に良い食事を摂ると過剰に短鎖脂肪酸が作られてしまい、腸内が酸性になります。

その結果、ガスが溜まりやすくなり、下痢や腹痛の症状がひどくなります。

4.まとめ

いかがでしたか?

実は体に良いと思っていた食事方法は、健康体だからこその食事であることがわかったと思います。

過敏性腸症候群や元々と腸が弱い人は、食物繊維と発酵食品をできるだけ避ける必要があります。

もし、今の食事方法で悪化しているなら、これらが原因の可能性がありますので、参考にしていただければ幸いです。

なかいし鍼灸院