過敏性腸症候群の低FODMAP(フォドマップ)食事法

過敏性腸症候群の低FODMAP(フォドマップ)食事法

FODMAP(フォドマップ)とは、小腸で吸収されにくい4つの糖質のことです。

通常の糖質は、ブドウ糖に分解吸収されて、全身に運ばれてエネルギーとして働きます。

しかし、FODMAP(オリゴ糖、乳糖、果糖、ポリオール)は、小腸で吸収されにくく、過敏性腸症候群の人にとっては、腹痛、下痢、便秘、ガスなどお腹の不調を引き起こしてしまいます。

過敏性腸症候群を治すために、吸収されにくい糖質を含む食べ物を避ける食事、つまり低FODMAP食事法が効果的です。

この記事では、過敏性腸症候群の低FODMAP(フォドマップ)食事法を解説しています。

是非、参考にしていただき、過敏性腸症候群の改善にお役立てください。

1.低FODMAP(フォドマップ)食事法の進め方

1.低FODMAP(フォドマップ)食事法の進め方

低FODMAP食事法とは、自分にどの高FODMAP食品が合うのか、または合わないのかを探すための食事法のことです。

まずは、高FODMAP食品(吸収されにくい糖質)をやめて、今ある症状を落ち着かせます。

その後、再び高FODMAP食品を摂ることで、合わない糖質とそれを含む食べ物を見つけます。

  1. すべての高FODMAP食品を避ける(3週間)
  2. 糖質ごとに高FODMAP食品を試す
  3. お腹の反応をチェックする

このような流れで進めていきます。

最終目標は、自分のお腹に合わない高FODMAP食品を見つけることです。

とても時間のかかる方法ではありますが、地道に続けることが大切です。

2.3週間すべての高FODMAP食品を避ける

2.3週間すべての高FODMAP食品を避ける

すべての高FODMAP食品を避けた食事を3週間続けます。

FODMAP食品の種類については「過敏性腸症候群の人のためのFODMAP(フォドマップ)一覧」で解説していますので、参考にしていただき、高FODMAP食品は食べないようにしてください。

食べて良いものは、低FODMAP食品です。

パンや玉ねぎ、りんごなどは高FODMAP食品なので食べることはできません。

これまでの食事内容とはかなり違うものになるでしょう。

しかし、そこに含まれている糖質こそが腸が不調に陥る元凶になっています。

3週間も経てばお腹の調子が今までとは違うものになっているはずです。

自分のお腹に耳を傾け、よく観察してみましょう。

3週間の間に気を付けるポイントとして、

  1. 玉ねぎとにんにくは食べない
  2. フルーツを食べ過ぎない
  3. 飲み物は水が一番
  4. 牛乳は飲まない

この4つは必ず守るようにしましょう。

3.3週間後から高FODMAP食品を試す

3.3週間後から高FODMAP食品を試す

ここからが重要です。

3週間、高FODMAP食品を避けた食事をした後、高FODMAP食品を糖質ごとに試してお腹の調子を確認していきます。

オリゴ糖のフルクタン(1週目)→ガラクトオリゴ糖(2週目)→乳糖(3週目)→果糖(4週目)→ポリオール(5週目)の5つの糖質を順番に試していきます。

例えば初めの1週間はフルクタン、次の1週間はガラクトオリゴ糖を試すといった感じです。

その1週間で症状が悪化するかどうかを見極めて、自分に合わない糖質と食べ物を探し当てます。

3-1.フルクタン

一番初めに試すのは、糖質の中で一番食べられているフルクタンです。

試す食べ物は、

  • パンまたはにんにく
  • 玉ねぎ

です。

パン2切れ、またはにんにく1片を1週間毎日食べます。

それ以外の食べ物は低FODMAP食品とします。

1週間の最後の日に玉ねぎ1/4個を食べます。

もし症状が悪化するようなら、フルクタンが合わないと判断します。

フルクタンが多く含まれている食べ物

パン、パスタ、ラーメン、うどん、シリアル、クラッカー、クスクス、小麦ブラン、玉ねぎ、にんにく、ポロネギ、エシャロット、アーティチョーク、ひよこ豆、レンズ豆、柿、スイカ、桃、ネクタリン、ピスタチオ、カシューナッツ、スナック菓子、焼き菓子

3-2.ガラクトオリゴ糖

2週目は、ガラクトオリゴ糖を試します。

試す食べ物は、

  • レンズ豆
  • いんげん豆
  • ひよこ豆

です。

3つの豆のうち1つを1/2カップ1週間毎日食べます。

豆は普段からよく食べる人と食べない人で分かれます。

納豆も豆でできているので、今まで納豆を食べてきた人は納豆で試してみても良いかもしれません。

もし症状が悪化するようなら、ガラクトオリゴ糖が合わないと判断します。

ガラクトオリゴ糖が多く含まれている食べ物

大豆、いんげん豆、ひよこ豆、レンズ豆、豆類全般、納豆、絹ごし豆腐

3-3.乳糖

3週目は、乳糖を試します。

試す食べ物は、

  • 牛乳
  • ヨーグルト

です。

牛乳(全脂肪乳)100~200ml、またはヨーグルト(全乳ヨーグルトか低脂肪ヨーグルト)170gを1週間毎日食べます。

もし症状が出たら、症状が落ち着くまで中止し、半量でもう1回試してみます。

それでも症状が現れるようであれば、乳糖が合わないと判断します。

乳糖が多く含まれている食べ物

すべての動物の乳など乳糖を含む乳全般、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、コンデンスミルク、生クリームなどクリーム類、チーズ全般

3-4.果糖

4週目は果糖を試します。

試す食べ物は、

  • はちみつ
  • マンゴー

です。

はちみつ小さじ1、またはマンゴー半分を1週間毎日食べます。

もし症状が出たら、症状が落ち着くまで中止し、半量でもう1回試してみます。

それでも症状が現れるようであれば、果糖が合わないと判断します。

果糖が多く含まれている食べ物

はちみつ、マンゴー、りんご、梨、洋梨、さくらんぼ、いちじく、スイカ、アスパラガス、スナップエンドウ、アーティチョーク、コーンシロップ

3-5.ポリオール

5週目はポリオールを試します。

試す食べ物は、

  • 生のアプリコット
  • きのこ類

です。

桃2切れ、または生のアプリコット2個、きのこ類1/2カップを1週間毎日食べます。

もし症状が出たら、症状が落ち着くまで中止し、半量でもう1回試してみます。

それでも症状が現れるようであれば、ポリオールが合わないと判断します。

ポリオールが多く含まれている食べ物

きのこ類、カリフラワー、さやえんどう、桃、アプリコット、りんご、梨、洋梨、ブラックベリー、ネクタリン、プルーン、すいか、ガム、ミント菓子、キャンディ

3週間やめていた高FODMAP食品が急に体内に入ってくると、お腹がびっくりした状態になります。

すると、いつもより腹痛や下痢、ガスなど症状がはっきりわかるので、どんな様子かメモにとるようにしましょう。

4.まとめ

いかがでしたか?

過敏性腸症候群の低FODMAP(フォドマップ)食事法を解説しました。

手がかかる方法ですが、自分に合わない糖質を見つけてみてください。

運営者情報

運営者情報
会社名 株式会社HARI51「なかいし鍼灸院」
代表者 代表取締役・院長 中石真人
経歴 高陽東高校→明治鍼灸大学→朝日医療専門学校

トリガーポイント・ファシアリリース専門鍼灸院として、症状の改善はもちろん、自分の健康を自分の力でコントロールできる人を一人でも多く増やすことを理念に掲げ、日々施術にあたっている。

資格 鍼灸師・柔道整復師
創業 平成24年9月3日
所在地 広島市中区上八丁堀4-28松田ハイツ702
電話 050-1255-9166

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