TFCC損傷に対するトリガーポイント療法
トリガーポイントとは?
トリガーポイントとは、「痛みの引き金になる点」という意味です。
銃の引き金を引くと弾が遠くに飛んでいくのと同じように、トリガーポイントが引き金になり遠くの場所に痛みを飛ばします。
その遠くの場所に感じる痛みを「関連痛」といいます。
トリガーポイントと関連痛
痛みの発生場所、つまり「痛みの原因」がトリガーポイントであり、痛みを感じる場所、つまり「症状」が関連痛です。
痛い場所と痛みの原因が一致しないということです。
TFCC損傷のトリガーポイント
(✖:トリガーポイント 赤:関連痛)
✖がトリガーポイントで赤く記されている場所が実際に痛みを感じている場所になります。
TFCC損傷の痛みの原因が筋肉にある場合、肘から手の間の小指側の筋肉にトリガーポイントができます。
手首の使い過ぎにより、トリガーポイントができやすい筋肉です。
また、手首の捻挫やケガによりTFCC損傷になった場合は、TFCCやその周囲の靭帯や腱にできるトリガーポイントを施術すると、痛みが緩和されます。
トリガーポイントをエコーで確認
当院では、トリガーポイントを今までの経験則から探し出すだけではなく、超音波エコーを使って実際に目視することで、確実に凝りの場所を特定します。
近年の研究により、トリガーポイントは、筋膜、腱や靭帯など軟部組織(ファシア)にできることが解明されました。
横に伸びる白い線が筋膜です。
右の方はその筋膜が白く太く写っています。
白く太く写る部分は、筋膜の癒着が起こっており、この部分がトリガーポイントです。
エコーで観察すると、トリガーポイント=筋膜の癒着であることがわかります。
筋膜とは?
筋膜とは、筋肉を包んでいる膜のことで、筋肉の中まで入り込んでいます。
筋膜はボディスーツのように全身に張りめぐらされていて、「第二の骨格」ともいわれる重要なものです。
筋膜は、外からの力を抵抗なく受け止めて形を変えることができます。
例えば、イスに座ったときのお尻の変形や猫背状態、肥満となり脂肪が増えたときなど、その体の状態に合わせて形を変えることができる立派な膜です。
また、強く引っ張られたときには、その力に耐えることもできます。
それは、筋膜がコラーゲンとエラスチンでできていて、弾力性に富んでいるからです。
コラーゲンとエラスチンがお互いに協力して、体の緊張をコントロールしているということです。
なぜトリガーポイント(筋膜の癒着)ができる?
悪い姿勢や繰り返し動作を長く続けると、体の一部分に負担がかかり、筋膜が自由に伸び縮みできなくなってしまいます。
自分の皮膚を手で摘まむと、しわができると思います。
このしわの状態が、よじれてしまった筋膜にも起こります。
これを筋膜の癒着といいます。(健康体でも筋膜の癒着はあります。)
筋膜の癒着状態が続くと、包まれている筋肉の動きも悪くなり、凝りや痛みが現れます。
トリガーポイントができあがった状態です。
トリガーポイント鍼療法は筋膜に直接アプローチできる
当院は、広島鍼灸業界で初めての導入となる、超音波エコーを用いて、筋肉や筋膜の状態、トリガーポイントの位置を確認し確実な施術を行っております。
最も悪くなっている部分に鍼を当てることで、筋膜の癒着が少しずつ取れていき、筋肉の柔軟性が良くなって、痛みが解消します。
- トリガーポイント、筋膜、凝りの見える化によって、確実に施術できる。
- 炎症の有無により、鍼の適応不適応の判断ができる。
- トリガーポイントに鍼を当てることで、痛みを共有することができる。
TFCC損傷は、エコーで損傷している部分を確認することが非常に難しいです。
TFCC損傷の確定診断には、MRI検査が必要です。
TFCC損傷の鍼治療で効果が期待できる症状
- 症状が現れて1年以内のもの。
- TFCC部を押さえると局所的な痛みがない。
- 痛みの場所がTFCC部だけでなく、いろんな場所に痛みを感じる。
- TFCC損傷の診断がレントゲンだけである。
- MRI検査や造影剤検査をしていない。
TFCC損傷の鍼治療で効果が期待できない症状
- MRI検査で、線維軟骨自体に損傷がある。
- 靭帯損傷が中度以上である。
お電話ありがとうございます、
なかいし鍼灸院でございます。