野球肩・野球肘に対するトリガーポイント療法
トリガーポイントとは?
トリガーポイントとは、「痛みの引き金になる点」という意味です。
銃の引き金を引くと弾が遠くに飛んでいくのと同じように、トリガーポイントが引き金になり遠くの場所に痛みを飛ばします。
その遠くの場所に感じる痛みを「関連痛」といいます。
トリガーポイントと関連痛
痛みの発生場所、つまり「痛みの原因」がトリガーポイントであり、痛みを感じる場所、つまり「症状」が関連痛です。
痛い場所と痛みの原因が一致しないということです。
野球肩・野球肘では、痛みを感じている場所が関連痛であり、トリガーポイントは他の場所にあります。
野球肩のトリガーポイント
(✖:トリガーポイント 赤:関連痛)
トリガーポイントがどこに痛みを飛ばしているのかをわかりやすくした図です。
✖がトリガーポイントで赤く記されている場所が実際に痛みを感じている場所(関連痛)になります。
野球肩で一番トリガーポイントができやすい部位が肩甲骨から肩に付いている棘下筋です。
この筋肉は、腱板を作る筋肉の一つで投球障害の影響を受けやすいです。
(✖:トリガーポイント 赤:関連痛)
棘下筋と同じように腱板を作る筋肉である肩甲下筋です。
棘下筋は肩甲骨の後ろに付いていますが、この肩甲下筋は肩甲骨の前から肩に付いています。
そのため、アプローチが難しいため、なかなか治らない野球肩は、この肩甲下筋のトリガーポイントが原因の可能性が高いです。
野球肘のトリガーポイント
(✖:トリガーポイント 赤:関連痛)
野球肘で肘の内側が痛い場合は、関わる筋肉です。
この図は、痛みが指先に向かって現れていますが、肘内側の骨の出っ張り付近にも痛みを出します。
この部分は、投球によるストレスを受けやすく、野球肘の中でも一番の原因です。
(✖:トリガーポイント 赤:関連痛)
野球肘は、肘の内側や外側の痛みだけでなく、肘の後ろにも痛みが現れることがあります。
野球肘は、通常肘から手までの筋肉にトリガーポイントができやすいですが、この図のように肘から腕にできる場合もあります。
肘が伸びきったときに痛い場合は、この上腕三頭筋(二の腕の筋肉)にトリガーポイントができていることが多いです。
野球肩・野球肘のトリガーポイントをエコーで確認
当院では、トリガーポイントを今までの経験則から探し出すだけではなく、超音波エコーを使って実際に目視することで、確実に痛みの場所を特定します。
近年の研究により、トリガーポイントは、筋膜、腱や靭帯など軟部組織(ファシア)にできることが解明されました。
横に伸びる白い線が筋膜です。
右の方はその筋膜が白く太く写っています。
白く太く写る部分は、筋膜の癒着が起こっており、この部分がトリガーポイントです。
エコーで観察すると、トリガーポイント=筋膜の癒着であることがわかります。
筋膜とは?
筋膜とは、筋肉を包んでいる膜のことで、筋肉の中まで入り込んでいます。
筋膜はボディスーツのように全身に張りめぐらされていて、「第二の骨格」ともいわれる重要なものです。
筋膜は、外からの力を抵抗なく受け止めて形を変えることができます。
例えば、イスに座ったときのお尻の変形や猫背状態、肥満となり脂肪が増えたときなど、その体の状態に合わせて形を変えることができる立派な膜です。
また、強く引っ張られたときには、その力に耐えることもできます。
それは、筋膜がコラーゲンとエラスチンでできていて、弾力性に富んでいるからです。
コラーゲンとエラスチンがお互いに協力して、体の緊張をコントロールしているということです。
なぜトリガーポイント(筋膜の癒着)ができる?
悪い姿勢や繰り返し動作を長く続けると、体の一部分に負担がかかり、筋膜が自由に伸び縮みできなくなってしまいます。
自分の皮膚を手で摘まむと、しわができると思います。
このしわの状態が、よじれてしまった筋膜にも起こります。
これを筋膜の癒着といいます。(健康体でも筋膜の癒着はあります。)
筋膜の癒着状態が続くと、包まれている筋肉の動きも悪くなり、凝りや痛みが現れます。
トリガーポイントができあがった状態です。
トリガーポイント鍼療法は筋膜に直接アプローチできる
当院は、広島鍼灸業界で初めての導入となる、超音波エコーを用いて、筋肉や筋膜の状態、トリガーポイントの位置を確認し確実な施術を行っております。
最も悪くなっている部分に鍼を当てることで、筋膜の癒着が少しずつ取れていき、筋肉の柔軟性が良くなって、凝りや痛みが解消します。
- トリガーポイント、筋膜、凝りの見える化によって、確実に施術できる。
- 炎症の有無により、鍼の適応不適応の判断ができる。
- トリガーポイントに鍼を当てることで、痛みを共有することができる。
お電話ありがとうございます、
なかいし鍼灸院でございます。