首こり(頚性神経筋症候群)に対するトリガーポイント鍼療法
トリガーポイントとは?
トリガーポイントとは、「痛みの引き金になる点」という意味です。
銃の引き金を引くと弾が遠くに飛んでいくのと同じように、トリガーポイントが引き金になり遠くの場所に痛みを飛ばします。
その遠くの場所に感じる痛みを「関連痛」といいます。
トリガーポイントと関連痛
痛みの発生場所、つまり「痛みの原因」がトリガーポイントであり、痛みを感じる場所、つまり「症状」が関連痛です。
痛い場所と痛みの原因が一致しないということです。
首こりでは、痛みや凝りを感じている場所が関連痛であり、トリガーポイントは他の場所にあります。
首こりのトリガーポイント
(✖:トリガーポイント 赤:関連痛)
✖がトリガーポイントで赤く記されているところが実際に痛みや凝りを感じている場所になります。
これは、首の中心部、後頭部にかけて付いている頭半棘筋という筋肉です。
この筋肉にトリガーポイントができると、後頭部やこめかみに痛みが現れます。
つまり、首こりによる頭痛ということです。
(✖:トリガーポイント 赤:関連痛)
首の横にある胸鎖乳突筋のトリガーポイントです。
胸鎖乳突筋は、鎖骨から耳の後ろに付いていて、耳や目の症状に関係するトリガーポイントができる筋肉です。
めまい、耳鳴り、耳の閉塞感、頭痛などに関係します。
(✖:トリガーポイント 赤:関連痛)
首こりにより、手のしびれやだるさが現れることがあります。
首の筋肉は後ろだけではありません。
横から前にかけても首の筋肉です。
首の横や前の筋肉にトリガーポイントができると、首や胸の圧迫感やしびれが現れます。
トリガーポイントの正体をエコーで確認
当院は、トリガーポイントを今までの経験則から探し出すだけではなく、超音波エコーを使って実際に目視することで、確実に凝りの場所を確認していきます。
近年の研究により、トリガーポイントは、筋膜、腱や靭帯など軟部組織(ファシア)にできることが解明されました。
首こりの場合は、筋膜にトリガーポイントができます。
横に伸びる白い線が筋膜です。
その筋膜を全体的に見て、より白く濃く写る部分は、筋膜の癒着が起こっていることを意味します。
つまり、トリガーポイント=筋膜の癒着です。
- マッサージなどでいくら筋肉をほぐしてもすぐ元に戻ってしまうのは、筋膜に問題があるため。
- 筋肉にアプローチするよりも筋膜にアプローチした方が痛みや凝りがとれやすい。
- 鍼治療はその筋膜を正常な状態に戻しているということ。
筋膜とは?
筋膜とは、筋肉を包んでいる膜のことで、筋肉の中まで入り込んでいます。
筋膜はボディスーツのように全身に張りめぐらされていて、「第二の骨格」ともいわれる重要なものです。
筋膜は、外からの力を抵抗なく受け止めて形を変えることができます。
例えば、イスに座ったときのお尻の変形や猫背状態、肥満となり脂肪が増えたときなど、その体の状態に合わせて形を変えることができる立派な膜です。
また、強く引っ張られたときには、その力に耐えることもできます。
それは、筋膜がコラーゲンとエラスチンでできていて、弾力性に富んでいるからです。
コラーゲンとエラスチンがお互いに協力して、体の緊張をコントロールしているということです。
なぜトリガーポイント(筋膜の癒着)ができる?
悪い姿勢や繰り返し動作を長く続けると、体の一部分に負担がかかり、筋膜が自由に伸び縮みできなくなります。
自分の皮膚を手で摘まむと、しわができると思います。
このしわの状態が、よじれてしまった筋膜にも起こります。
これを筋膜の癒着といいます。(健康体でも筋膜の癒着はあります。)
筋膜の癒着状態が続くと、包まれている筋肉の動きも悪くなり、凝りや痛み、しびれが現れます。
トリガーポイントができあがった状態です。
トリガーポイント鍼療法は筋膜に直接アプローチできる
当院は、広島鍼灸業界で初めての導入となる、超音波エコーを用いて、筋肉や筋膜の状態、トリガーポイントの位置を目視で確認しながら確実な施術を行っております。
最も悪くなっている部分に鍼を当てることで、筋膜の癒着が少しずつ取れていき、筋肉の柔軟性が良くなって、痛みや凝りが解消します。
- トリガーポイント、筋膜、凝りの見える化によって、確実に施術できる。
- 炎症の有無により、鍼の適応不適応の判断ができる。
- トリガーポイントに鍼を当てることで、痛みを共有することができる。
お電話ありがとうございます、
なかいし鍼灸院でございます。