超音波エコーとは?
超音波エコーは、よく妊婦健診で使っているイメージがあると思いますが、実は運動器疾患を診るのにとても効果的です。
トリガーポイントや筋膜が関係する痛みなのか、炎症があるのか、施術部位のリスク回避など鍼治療が適応範囲かを超音波エコーを使用することで、その精度を向上させることができます。
当院では、超音波エコー機器 日立ノブルス(Noblus)を使用しております。
超音波エコーの3つの特徴
1.人体に無害である
レントゲンやCTと異なり、人体に直接放射線を浴びることがありませんので、小さなお子様や妊娠中の方でも安心して使用できます。
また、人体に無害なので、繰り返し使用して経過を観察することができます。
2.現在の身体の状態を確認できる
筋肉や関節を動かしながら観察できるので、よりリアルに患部の状態を確認できます。
また鍼先や身体の中の状態を観ながら施術することも可能であり、一般的には刺鍼できない部位でも安心して鍼治療ができます。
3.筋肉、腱、靭帯などのファシアの観察ができる
レントゲンやCTには映らない痛みの原因、つまり観察が不可能なファシア(トリガーポイント、筋線維、靭帯、腱などの軟部組織)が原因の場合、この超音波エコーが大変有効です。
超音波エコー×鍼灸
エコーガイド下ファシアリリース
エコーガイド下ファシア(筋膜)リリースとは、超音波エコーを用いて、ファシアの異常部位や筋膜の癒着部位(トリガーポイント)を探し出し、エコー画像を見ながら刺鍼する新しい施術方法です。
従来の鍼治療は、施術者側の経験やイメージ、鍼先の感触、患者さんの鍼の感覚を頼りに施術をしていましたが、超音波エコー導入によってトリガーポイントの可視化、鍼先や身体の中の状態を観察しながら施術することができます。
そのため、体の深い部分や、神経、血管、肺の近くでも、安全で確実な施術が可能です。
※必要に応じてエコーを使用します。
ファシアの異常がトリガーポイント
最新の研究では、「筋膜などを含むファシアに高い確率でトリガーポイントが分布している」ことがわかってきました。
筋膜とは筋肉や内臓、骨など全身を包んでいる「膜」のことです。
例えば、長時間同じ姿勢や運動不足、過度な繰り返し動作などでこの膜が動かなくなり、膜同士が癒着してしまいます。
そして、筋膜が厚くなったり、滑りが悪くなったりすることによって痛みが引き起こされます。
実際に超音波エコーで観察すると、「筋膜の癒着」がある部分は、白い線が太く濃く写ります。
その部分に鍼が当たると、「響き」や「認知覚(痛いとこに鍼が当たったと本能的に感じる感覚)」が生じ、症状が改善します。
エコーガイド下ファシアリリース動画
棘下筋下部線維を狙った動画です。
左上から右下へ向かって鍼が侵入してきます。
真ん中にある白い膜を狙って刺入しています。
超音波エコーを使用するにあたって
- 超音波エコーを運動器疾患の評価、観察、施術に使用し、その他の目的では使用しません。
- 超音波エコーを使用しても医師法に定められた「医療行為、診断」はしません。
- 超音波エコーでの観察による自費請求はしません。
お電話ありがとうございます、
なかいし鍼灸院でございます。