【症例】インプラント手術後の眼窩下神経損傷による顔面のシビレ、首・肩こりによる頭痛、吐き気、自律神経症状 30代女性

主訴

  • 5年前、インプラント手術で眼窩下神経を損傷して、右顔面(右鼻孔外~下方、ほうれい線周囲)にシビレがある。
  • 以前は、感覚がなく無意識によだれを垂らすなど重症だったが、現在は、麻酔をかけられた状態、ジンジンする感覚まで回復している。
  • 今まであらゆる治療をしてきた。
  • 15年前から首・肩こりがあり、何をしても良くならない。
  • 頭痛、吐き気、ほてり、眼精疲労、不眠、便秘、イライラして疲れが取れないなど自律神経症状が強く出ている。
  • 左棘下筋が常にシビレている。

検査

顔面部は触ると感覚はあるものの左右差があり、右はフワフワした感じがする。

首~肩にかけて筋緊張が強い。

トリガーポイント鍼療法

まず、伏臥位で首~肩にかけて鍼を打ち、次に仰臥位で顔面部に集中して鍼を打った。

僧帽筋、肩甲挙筋、頭頚板状筋、頭半棘筋、後頭下筋群、起立筋、左棘下筋、右顔面部(シビレ部分)など

1回目:左棘下筋と顔面部のシビレ部分で認知覚が出た。鍼を打つとしびれる感覚が再現。

2回目:治療後3日間調子が良く、シビレをあまり感じなかった。3日たつと元に戻ったとのこと。

現在、継続治療中。

まとめ

肩甲挙筋トリガーポイント

特に首の横に付いている肩甲挙筋の緊張が強かったため、集中的に鍼治療をしました。

肩や首が凝る方は、必ずこの肩甲挙筋が硬くなっています。

棘下筋トリガーポイント

顔面部と同様、肩甲骨に付いている棘下筋にもシビレ症状が出ていましたので、鍼を打つと認知覚が出ました。

顔面部のシビレとは無関係ですが、普段同じ姿勢でいることが多いと、この棘下筋にもトリガーポイントができてしまいます。

神経損傷は部分損傷だったため、少しずつ回復に向かうと思います。

このような症状は、長い時間を要します。

根気強く継続治療をしていきます。

医療事故なので、精神的な症状、身体的な症状どちらも関与してくるので、全体的なケアの必要性を感じた症例です。

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